【読書ノート】『貧しき男天女に逢えること』(『恋のうき世』新今昔物語)
『貧しき男天女に逢えること』(『恋のうき世』新今昔物語
永井路子著
〜『今昔物語』を下敷きに描く恋の闇〜
イタチという浮浪者が、ある盗賊の頭に盗賊の一味に加えさせられ、唐の希少なお宝を略奪するため屋敷に潜入させられる。
そこで、イタチは、天女のような美しい女性と出逢う。屋敷の主のお妾だと思うが、イタチは、すぐに恋してしまう。
ある日、イタチは天女に呼ばれ、関係を持ち、恋愛物語が始まる。
やがて、盗賊の頭から、お宝略奪の決行の話を聞き、天女が殺害されてしまうことを知る。イタチは、
盗賊の頭を裏切って、天女を助け出そうとする。
物語の主題は何か?
簡単に言うと「君子危うきに近寄らず」ということなのだろう。
ひとは、単純な苦痛には案外耐えられるのだけど、肉体的な快楽、精神的な快楽に耐えることは非常に難しいという話をきいたことがあるのだけど、今も昔も同じなのだなあと改めて思った。
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