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【読書ノート】『2018年4月1日』(短編集『円』より)

『2018年4月1日』(短編集『円』より)

劉慈欣著


寿命が、300年に延長できる「改延」という遺伝子操作技術が、開発された。その施術は、高額(500万新人民元≒1.6億円)なので、一部の富裕層しか受けることが出来ない。

主人公(ぼく)は、改延側の人間になるため会社のお金を横領する計画を立てている。手の込んだ仕掛けをしているので発覚するまで半年くらいはかかるだろうと見ている。その間、改延の施術を受けてしまえは、自分の命は、300年になる。横領が、発覚し、有罪判決を受けたとて、20年で出て来れるのだから。

未来に向けて色々なテーマが、込められていて、面白いのでいくつか挙げてみる。

①改延
人間の寿命を300年まで延ばすことができる画期的な治療法。生命の価値と貧富の問題

②IT共和国(メタバースの世界)
ネット上の仮想国家(約20億人)で、会員は世界のIT技術者。彼らが、集結して、国連に国家としての認定を求める。

③サイバーテロ
国連が、IT共和国の存在を認めないという発言をすると、IT共和国の技術者たちは、リアル世界をサイバーテロで攻撃する。キャッシュレス化が進んだ現代、サイバーテロで、お金は、消えてしまう。

④命の凍結保存
恋人の簡簡(ジェンジェン)は、体を凍結保存して、100年後の世界に期待を寄せる。


主題をまとめてみる。

韓流のドラマで、『星から来たあなた』という、400年地球の生態を研究する宇宙人の話を思い出した。

生きているとは、どういうことなのかを考えさせられる。

300年というタイムスケールで、人生を考えてみたのだけど、なかなか、想像するのは、難しい。

未来に希望を感じさせてもらえる良い物語だと思った。

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