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【読書ノート】『夜明けのはて』(『ぎょらん』より)

『夜明けのはて』(『ぎょらん』より)
町田そのこ著


主人公(私:喜代)は、結婚して4年目で、夫(喬史)を亡くして、お通夜が、執り行われようとしているところで、物語は始まる。

喬史との出会いから結婚に至る出来事の数々を走馬灯のように物語る。

二人の出逢いは高校時代。とは、いえ、高校の頃はほとんどやり取りはなかった。

法律で裁かれない形ではあるのだけど、児童を死なせてしまったという罪の意識で、ボロボロになっていた頃、喬史が、目の前に現れた。実は喬史にも辛い過去があり、二人は結ばれていった。

物語の主題は何か?
自分の中に内在する罪に気付いてしまった時、どうやって乗り越えていったら良いのか、ということなのだと思う。

キリスト教の世界観であれば、そこから信仰が始まるのだけどね。

信仰のない人々にとって、大きな問題になるのだろう。罪人であるという思いを内に秘めて、生きてきた喬史にとって、「私」との出逢いは、救いだったのだろう。「私」にとっても、喬史との出逢いは、大きな助けになっていたのだと思う。

「私」はその後どうなっていくのか、気になるところだ。

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