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受け継がれてほしい「にんじんの白和え」

あまり知られていないけれど、私の住む徳島県はにんじんの生産量が多いんです。

農林水産省のホームページによると、徳島県は全国3位となっています。

にんじんは冷たい気候を好むため、初夏は徳島県、秋は北海道、冬は千葉県と、気候に応じて作られています。

「にんじんは冷たい気候を好む」んだそうです。
一年中、お店で見かける「にんじん」の出荷時期なんて知りませんでした。
徳島県のにんじんは初夏。そういえば、4月、5月になると、いろんな方からにんじんを頂いたり、産直市でもにんじんが安くて大量に売られるようになります。
徳島から出荷するにんじんを「春にんじん」と呼ぶのはそのせいなんですね。

そんなにんじん、甘くておいしいので、料理に使うにんじんを切っていたら、ついつい、ポリポリつまんじゃう。
生のままスティック状にカットして、マヨネーズを添えれば、立派なお酒のおつまみに変身しますし、玉ねぎ、さつまいもと一緒にコンソメでゆでてミキサーにかければ、風邪をひいたときや、心が疲れたときに食べたい、甘いポタージュスープに。(これは、小中ぽこさんのnoteで教わったレシピです)

いろんなにんじんレシピがある中で、私が一番好きな料理があります。

それが、「にんじんの白和え

私は、母の作るこの「にんじんの白和え」がとても好きでした。
いつも家族で分け合って食べるので、食べ足りなくて、「いつかボウルいっぱい作って、独り占めして食べたい」と思っていました。大人になって、好きなだけ作れるようになってからは、多分、家族の中で一番たくさん取り分けて食べています。

我が家では定番の、にんじんの白和えのレシピを公開してみようと思います。
にんじんと白和えの和えごろもの甘みに、黒コショウをピリッと効かせた、美味しい副菜です。

材料(2人分)
にんじん 1本
ごま油 大さじ1杯くらい

黒こしょう ← ここがポイント!

☆ご家庭の白和えの味付けでどうぞ(ちょっと甘めが美味しいかも)
豆腐  1/2丁
ごま
さとう
しょうゆ

1 にんじん1本の皮をむき、千切りにします。
うちでは、スライサーを使っています。

にんじん4


2 フライパンにごま油を入れて、にんじんを炒めます。
しんなりしてきたら、塩・黒こしょうで味を付けます。

にんじん6


3 ゴマをすって、砂糖、しょうゆで味を整え、水気を切った豆腐を投入。
なめらかになるまですったら、炒めたにんじんを投入します。
(この白和えの作り方は我流です。もっと美味しく作る方法があれば、そちらでどうぞ)

にんじん8


にんじんを和えて、出来上がりです。

にんじん9

黒こしょうがピリッときいていて、甘さの中で程よいアクセントになっていますし、ごま油で炒めてあるので、コクが増していて、食べ応えもあります。
甘い白和えが苦手な夫も「これなら、食べられる」と言います。

実家では、頻繁に夕食の食卓に上っていた、ごくごくありふれた料理なんですが、意外と知られていないみたい。
夫も、結婚して初めて食べたと言っていました。
料理本でも料理番組でも、レシピサイトでも、あまり見かけたことがないので、一体どこから来たレシピなのかと母に聞いてみました。

「ばあちゃんが婦人会で習ってきたんよ」
もう、15年以上前に亡くなった母方の祖母が、ずいぶん昔に地元の農協の婦人会の料理講習会で習ってきたものでした。

生真面目で、とにかく働き者で、家族の誰よりも畑仕事の手が早かった祖母。
料理も得意で、遊びにいくと、1袋で2,3キロはある、業務用のホットケーキミックスを納戸から出してきて、ホットケーキや蒸しパン、ドーナツなんかを作って食べさせてくれました。今でも、大きなホットケーキミックスの袋を見かけると、母と「ばあちゃんを思いだすね」と思い出話に花が咲きます。
ちょっとお堅いところが玉にキズだったけど、(ピアスを開けるなんてとんでもない!と叱られたなあ)子供好きの優しい人でした。
晩年は認知症になって、孫である私のことはもちろん、娘である母のこともわからなくなってしまったけれど、私の息子(祖母から見ればひ孫)を我が子のように、「慈しむ」という言葉がぴったりなほど、可愛がってくれたものです。
そんな祖母が残したレシピだったとは。
知らないうちに、それを、私の母が受けつぎ、私が受け継いだんだなと思うと、ちょっと胸が熱くなりました。
できれば、私の子供たちにも残したい。

そんな我が家のレシピ、にんじんの白和え。

よかったら、試してみてください。


※以前書いたnoteをリライトしました。

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