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【独りよがりレビュー】よるドラ「いいね!光源氏くん」

もし、一人暮らしのあなたの家に、イケメンの平安貴族が迷い込んできたら、どうします?

田中圭、星野源に綾野剛、中村倫也、平野紫耀と中島健人、イケメン揃いで大豊作、期待マックスだった4月の連続ドラマは、あのにっくきウイルスのせいで撮影が延期、軒並み放映時期が未定になってしまった。
おかげで、今、なんとか見られているドラマは、朝ドラ「エール」、大河ドラマ「麒麟がくる」と、日テレの「美食探偵」、NHKのよるドラ「いいね!光源氏くん」だけ。エールも麒麟がくるも、今、撮影が止まっているそうなので、撮りためた分が終わると続きが放送されなくなるかもしれない。いつ止まるのかハラハラ。

そんな中で、全話放送されそうなのが、千葉雄大くん主演の「いいね、光源氏くん」
これが、めちゃくちゃ面白い!

仕事はできるが、色気のない生活を送る沙織(伊藤沙莉さん)のところへ、平安貴族の装束を着たイケメン男子(千葉雄大くん)が突然転がり込んでくる。彼は、あの紫式部の書いた源氏物語の主人公「光源氏」だった、という異色の設定。これが、本当に面白い。

まだ3話が終わったところ。ここまでの面白ポイントををご紹介します。

1 千葉雄大くんのコミカルな演技

おっさんずラブin the sky」の成瀬竜、「スマホを落としただけなのに」の加賀谷学もすごくハマっていて、全身からキャラの人となりが滲み出ていて、「うまいなあ」と思ってました。
でも、どちらも、心の奥に少し重たいものを持った役だったので、ポジティブな感情をバンと出すシーンが少なかった印象。

ですが、今回のこの光源氏くん。まあ、とってもポジティブ。前向き。順応性の塊みたいな人です。

抹茶ラテフロート、タピオカドリンク、チョコレート、ティッシュ、テレビ、カラオケ、スマホ、SNS……
ふだん、私たちが当たり前に食べているもの、使っているもの一つ一つが、平安貴族の光源氏くんには、衝撃です。
その驚きを、千葉くんがリアルに演じています。
ティッシュを箱から1枚取り出して、ふわっと頬に当てる光くん。ティッシュの薄さ、なめらかさ、白さにうっとりするさまは、生まれて初めて見たものに対する感動そのもの。
抹茶ラテフロートの美味しさに衝撃を受けて、思わず立ち上がって和歌を読んじゃうとか、テレビに映る美女に恋して涙したり、もうおかしみの極みなんですけど、千葉くんの振り切った演技に「そうか、そうだよね」となぜか納得させられちゃいます。

2 疲れた女子の気持ちに共感

会社では中堅社員として、それなりにやってきたけれど、美人の妹の陰になり、いまいちパッとしないしない生活。出会いもなく、職場と自宅を往復する毎日。
色を無くした生活を送る沙織を、伊藤沙莉さんが、かなりリアルに演じています。ジャージ姿でパックしたまま、ソファにごろ寝とか、お疲れ女子あるあるですよね。
そこに現れた光源氏くんが、日々の何気ない暮らしから、感動や発見を見出していく姿を見て、彼女は生活の中で見失っていた楽しみを見つけていきます。「君といるとキラキラが増すんだ」という沙織のセリフにキュンとしませんか?
平安貴族の光源氏くんは、本当に何もできない。走ることも、着替えも、靴紐も結べない。ソファでポテチ片手にゴロゴロしているだけのニートで、世話の焼ける居候。ぼやきつつも、彼との生活が楽しくて、彼の朝帰りにモヤモヤしたり、自分から追い出したのに心配になって探しに行っちゃったり。
最新の第3話で、ついに光源氏くんが元の世界に帰ることになりますが……今後の2人の展開が気になります。

3 現代の疑問を鋭く提示

我々が常識と思っていることも、光源氏くんには非常識。光源氏くんは、沙織に聞きます。
「なぜ、せかせかと慌ただしく動かなければならないのか」
「なぜ、痩せていなければならないのか」
真顔で投げかけられる疑問に沙織は答えられません。
私もまた、この言葉に光源氏くんが納得する答えは見出せません。いかに自分が常識に囚われているのか気づかされます。
いつもいつも時間と戦わなくてもいいし、痩せてなくても健康ならいいんですよね。
でも、「人前で烏帽子を脱ぐなど有り得ぬ」と言い切る光源氏くんもまた、平安時代の常識に囚われているんですけどね。

4 とにかく千葉くんがかわいい

すみません。ばーちーファンとしては外せないポイントです。

1000年のちの令和の時代にやってきて、行き場を失った光源氏くんは、沙織にすがりますが、その顔が捨てられて雨に濡れた子犬のよう。そんな目で見られたら、誰だって、助けたくなっちゃいます。
そして、千葉くんの平安貴族らしい繊細な物腰と所作が優美で美しいんです。着物の袖さばきのくせがぬけず、無意識にセーターやジャージの袖を「萌え袖」にしているのが笑えるし、かわいい。
「あざとかわいい男子」「ヌクメン」として名を馳せた千葉くんが、これでもか、これでもかと、かわいいと色っぽいと面白い光源氏を繰り出してきます。光源氏同様、自分の魅力をわかってる男、千葉雄大。眼福。

5 見るとちょっと元気になれる

このご時世、右を見ても左を見ても、不安を煽る情報ばかり(もちろん「正しく恐れる」必要はありますが)いいニュースに出会うことも少なくて、考えることばっかりじゃないですか?
今、ただただ、何も考えず、ドラマのキャラクターの一挙一動に笑う時間って貴重じゃないかなと思います。手を叩いて笑って、ときめいて、あっという間の30分。
「あー、面白かった!」
見終わると、なんだかとっても胸のあたりがスッとしているんです。さて、明日は日曜だし、朝から何しようかなあなんて、ぼんやり考えながら眠りにつくのが、土曜の楽しみです。

6 ここまでのストーリー(ネタバレあり)

第3話の前半までは、光源氏くんが令和の時代になじんでいく様子がコミカルに描かれていました。ですが、やはり、彼は元の世界に帰りたい。
2人は、いろんな方法を試しますが、うまくいきません。
本当は、光源氏くんとの生活が楽しくて、帰ってほしくない沙織。しかし、別れは突然やってきます。
トラックにはねられそうになった沙織を救おうと、飛び出した光源氏くん。あわや、トラックにはねられたかと思いきや、そこには彼の姿はありませんでした。
彼は元の世に帰ってしまったのか、それとも本当に消えてしまったのか。
予告によると、光源氏くんのライバル頭中将までも、現代にタイムスリップしてきた様子。
来週の第4話が楽しみです。

(次回は、4月25日(土)午後11時30分〜です)

みどころが公式HPにて動画で見られるようです。




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