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心のディフェンス力

世の中には、天敵のような存在がいます。ハブにとってのマングースのように。

奄美大島ではハブの被害に困り、天敵であるマングースに駆除させようと考えました。その当ては外れ、マングースはハブでなくアマミノクロウサギを襲い、生態系を壊すことになりました。ハブは、人間にとって厄介な存在でしたが、アマミノクロウサギにとっては用心棒のような存在で、同じ穴で冬眠することで身を守っていたそうです。

天敵とまではいかなくても、誰でも苦手な人はいます。相手から酷いことを言われたり、理不尽に怒られることが繰り返されると、ココロは疲れます。

「直接相手に言い返せばいい!」といったアドバイスはよく聞きますし、正論です。自分の思っていることを言えれば、手っ取り早く解決するかもしれません。けれど、「後から何をされるか分からない」「その後の関係がギクシャクしそう」と思うのも自然ですし、実際、余計こじれることもあります。

苦手な人に向かって直接文句を言うのは難しいです。簡単に言えるくらいだったら、もう苦手じゃないかもしれません。
では、どうすればいいのか?
一つの方法として、心の中で反論を考えることをオススメしています。

心の中で反論を考えても、目に見えて何かが変わるわけではありません。しかし、「それはそっちが悪いだろ!」とか「それはただの八つ当たりじゃないか!」と思っていると、心理的な守りが強くなります。似たようなシチュエーションになった際、ダメージが減るのです。

責任を相手にも持たせるように考えると、ワガママになるんじゃないか?と心配する人がいます。しかし、そこで苦しいのは、原因を自分に求めすぎているのです。「自分がダメなのか」「私が悪かったんだ」といった気持ちが強いと、ダメージも大きくなります。何か問題が起こった時、「全て相手のせい」なんてことがないのと同様に「全て自分のせい」もないのです。反論を考えて、バランスをよくするとココロの守りが強くなります。

そんな手間がかかることじゃなくて、いっそのこと苦手な人がいなくなってしまえばいいのに、と考えるかもしれません。けれど、ハブとマングースとアマミノクロウサギのように、そんな人もどこかで自分の役に立っていることがあるかもしれません。

大変な渦中にいる時は、そんな風に考えたくないでしょうが…。

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