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カウンセリングとコーチングの違い

前回、カウンセリングは、自己理解を深めることを目的にしていると書きました。しかし、相談に来られる方は、何らかの問題を抱えていて、その解決を求めている場合がほとんどです。そのため、解決方法を考える作業も同時に行います。

その際に、専門家からアドバイスをもらうことによって正しい方向に導かれるというイメージを持たれることがあります。

確かにそういうこともするのですが、どちらかと言えばこれはコーチングに近いのだと思います。

いずれも問題に直面した際に用いられるコミュニケーションですが、カウンセリングは、相手の中にすでにある答えを引き出すコミュニケーションです。一方、コーチングは、相手のことをアセスメントし、それにピッタリ合った答えを与えるコミュニケーションです。

もちろん会話の中でそれらを完全に区別することは難しく、実際にはどちらもやっています。しかし、比重として、カウンセリングは相手の中にある答えを引き出そうとします。

アドバイスをもらった方が話が早いように思われるかもしれませんが、引き出すコミュニケーションにもちゃんとメリットがあります。

1つは、自分の中から出てきたものなので、自分にフィットした答えになっています。そのため、実行できる可能性が高いです。「分かっちゃいるけどやめられない」ということは多々あり、正しいアドバイスが必ずしも実行されるとは限りません。今の点数では志望校に合格できない人に、「もっと勉強しなさい」というのは正しいアドバイスですが、実行されにくいアドバイスでもあります。これはかなり荒い例ですが、どんなに相手のことを理解して精度をあげたとしても、相手の中から出てきたものと比べると実行可能性という点ではかないません。

もう1つは、問題に対しての主体性が持てるということです。これは結構大きなポイントだと思います。自分の中から出てきたやり方によって問題が解決したら、誰かのおかげではなく、自分の力で乗り越えたという感じが出てきます。そうした経験は、長い人生、問題は色々と出てくるものですから、新たな問題に直面した際、自分で乗り越える原動力になってくれます。

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