「あきらめる」から「はじまる」こと
カウンセリングをしていると、たまに「もう、あきらめの境地ですよ」というセリフを耳にします。自分なりに努力したり、工夫してみても問題に変化が見られない時に、そういう気持ちになります。
□ あきらめの後に、好転?
このセリフだけ聞くと、問題を放ったらかして、断念している印象を受けます。言われた側としては、悪化の一途を辿るのかな?と思ってしまいます。しかし、実際には、そう言った後に良い意味で変化していくことがしばしばあります。
予想の逆なので、何でそうなるのか不思議に思ってました。けど、あきらめるの語源を知って、その理由が分かりました。
□ あきらめるには、受容が含まれる
諦めるの語源には、“明らかに見る”という意味があるそうです。断念する、やめるのようなネガティブな思いだけでなく、どこか自分の状況を受け入れる気持ちがあるのだと思います。
これを受容と言います。今まで受け入れがたかった自分の一面を受け入れることは、その人に大きな影響を与えます。その結果、良い変化を生むのです。
じゃあ、最初からあきらめたらいいか?と言うと、もちろんそうではありません。『スラムダンク』の中に、「あきらめたらそこで試合終了ですよ」という有名なセリフがありますが、その時のあきらめは、挑戦せずに投げ出すというニュアンスです。それとは、意味合いが異なります。
すぐに投げ出すことは勧めはしませんが、紆余曲折を経た後に生まれるあきらめは、良い変化を生むことが多いです。そういう心境になったら、あきらめた自分を責めるのではなく「やっと受け入れられたんだなぁ」と思ってみるといいですよ。
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