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やはり肯定が大事!

子育てにしろ、部下の教育にしろ「褒めることが大切」と言われています。誰だって怒られるのは嫌で、褒められたいものです。しかし、子育て中の方からは「褒めろって言うけど、悪いことばっかりするから褒めるところがない」とも聞きます。確かに、そう感じる時もありますよね。

昔、住んでいた家の近くに中華料理屋がありました。すすけた暖簾、年季の入った看板、カウンターに赤いビニールの椅子といった風情です。外観からはおいしそうに見えないのですが、いつもお客さんが出入りしています。その理由を、隣にパチンコ屋があるからだろうと思っていました。パチンコの合間に時間を惜しむ人が、味より距離を優先して入っているのだろう、と。

しかし、ある時、そこのチャーハンがおいしいという噂を耳にしました。パチンコ屋の客が流れてるという認識は間違っていた、それなら食べてみたいと思い、行ってみました。

チャーハンを注文して食べると、確かにおいしい。けど、「そこそこ」といった程度でした。「これだったら、また食べにこなくてもいいかな」と思って席を立った瞬間、店主から「完食、ありがとうございました!」と威勢よく言われました。自分にとって飲食店で完食するのは当たり前のこと。そこにお礼を言われたのは初めてだったので、驚きました。以来、そのお店は外食のレパートリーに加わることになりました。

些細なことでも肯定されると気分は悪くありません。不思議なもので、相手に対しても肯定的な気持ちになります。
実は、この現象を「返報性の法則」と言います。

褒めるところがないと感じるのは、どこに基準を置くかによります。飲食店で完食するなんて当たり前のことですが、それを肯定されるとやはり嬉しい気持ちになります。そして、また来ようかなと思うので、肯定の相互作用が起こるのです。

ですから、「褒めるところがない」と思ったら、自分にとっては当たり前なことを肯定してみてはいかがでしょう?相手からも肯定的な気持ちが返ってきて、好循環が生じますよ。


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