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【ビジネスデザイン】12 ビジネス情報における可視化技法


ビジネス情報における可視化技法

企業が課題解決に取り組む際には、目標を達成するために自らの経営資源を変革します。ビジネスデザイン(BFD型)は、主に「ビジネスファンクション」「ビジネス情報」「情報システム」を課題解決 変革テコとして実現すべき姿を定義する型です。

この記事では、ビジネス情報を可視化する技法について解説します。


ビジネス情報 4つの分類

ビジネス情報とは、「ビジネス活動において収集、編集、記録、伝達、保管、廃棄することを必要とする情報のこと」です。

ビジネス情報 4つの分類

ビジネス情報を、以下の4つに分類し定義します。

ビジネスリソースとは、「経営資源に関するビジネス情報で、主に経営資源管理業務において用いるもの」です。例えば、顧客、取引先、組織、人財、製品、商品、サービス、原材料、部品、土地、建物、設備、情報システムなどです。

ビジネストランザクションとは、「外部組織と受け渡しをするビジネス情報で、主に取引業務において用いるもの」です。例えば、見積、販売契約、受注、売上請求、入金、見積依頼、購買契約、発注、購買請求、支払などです。

ビジネスマネジメントとは、「事業管理に関するビジネス情報で、主に計画・管理業務、財務会計業務において用いるもの」です。例えば、販売管理台帳、債権管理台帳、購買管理台帳、債務管理台帳、固定資産管理台帳、資金管理台帳、B/S、P/Lなどです。

ビジネスアナリシスとは、「外部環境および内部環境から収集するビジネス情報で、主に経営管理業務、分析業務において用いるもの」です。例えば、市場動向、競合動向、顧客動向、製品・商品動向、経営状況などを分析するために収集するものです。

ビジネス情報を定義する順序は、「ビジネスリソース」、「ビジネストランザクション」、「ビジネスマネジメント」、「ビジネスアナリシス」です。


ビジネス情報 5つの要素

ビジネス情報 5つの要素

ビジネス情報を、「エンティティ」「属性」「インスタンス」「識別子」「エンティティ・リレーションシップ」の5つの要素で定義します。

エンティティとは、「ビジネス活動において必要とする経営資源および発生する事象をビジネス情報として分類したもの」です。

属性とは、「エンティティが有する性質、特性などを表す要素のこと」です。アトリビュート(Attribute)とも呼ばれます。

属性には、「固有属性」「導出属性」の2つの種類があります。

固有属性とは、「属性値が固有に定まる属性のこと」です。

導出属性とは、「他の属性が有する属性値から一定の手順で算出される属性値を有する属性のこと」です。

【例】ビジネス情報

【例】エンティティおよび属性

インスタンスとは、「ひと組の属性において個々の属性値を記録するもの」です。

【例】インスタンス

識別子とは、「インスタンスを一意に識別する属性または属性の組み合わせのこと」です。
アイデンティファー(Identifier)とも呼ばれます。

識別子には、「意味あり」「意味なし」の2つの種類があります。

意味ありとは、「属性値に分類などの固定的な意味を持たせた識別子のこと」です。属性値を見れば、意味を特定することができます。

意味なしとは、「属性値に固定的な意味を持たせない識別子のこと」です。環境変化に左右されず、識別子および属性値の一元性を確保できます。

【例】識別子

エンティティ・リレーションシップとは、「ビジネス活動におけるエンティティ間の相互関係を表すもの」です。

エンティティ・リレーションシップを、「カーディナリティ」「オプショナリティ」「動詞句」の3つの要素で定義します。

エンティティ・リレーションシップ 3つの要素

カーディナリティとは、「エンティティ間の相互関係において、ひとつのインスタンスが対するエンティティの中で紐付くインスタンスの数を示すもの」です。

カーディナリティの基本形は、「One to One」「One to Many」「Many to Many」「One to Many(再帰)」「Many to Many(再帰)」の5つです。

オプショナリティとは、「エンティティ間の相互関係において、ひとつのインスタンスが対するエンティティの中で紐付くインスタンスの存在が必須であるか否かを示すもの」です。

オプショナリティは、「必須」「任意」の2つです。

必須とは、「ひとつのインスタンスが対するエンティティの中で紐付くインスタンスが1つ以上存在する関係のこと」です。

任意とは、「ひとつのインスタンスが対するエンティティの中で紐付くインスタンスが存在しないこともある関係のこと」です。

動詞句とは、「エンティティ間の相互関係における意味を表す動詞句のことです。


エンティティ・リレーションシップ カーディナリティ 基本形

エンティティ・リレーションシップカーディナリティ 基本形

One to Oneとは、「エンティティAに属する1つのインスタンスがエンティティBに属する1つのインスタンスにのみ紐付くもの」です。

カーディナリティ One to One

カーディナリティ One to One 表記法

One to Manyとは、「エンティティAに属する1つのインスタンスがエンティティBに属する複数のインスタンスに紐付くもの」です。

カーディナリティ One to Many

カーディナリティ One to Many 表記法

Many to Manyとは、「エンティティAに属する1つのインスタンスがエンティティBに属する複数のインスタンスに紐付き、且つ、エンティティBに属する1つのインスタンスがエンティティAに属する複数のインスタンスに紐付くもの」です。

カーディナリティ Many to Many

カーディナリティ Many to Many 表記法

One to Many(再帰)とは、「エンティティAに属する1つのインスタンスが自エンティティに属する子の複数のインスタンスに紐付くもの」です。

カーディナリティ One to Many(再帰)

カーディナリティ One to Many(再帰) 表記法

Many to Many(再帰)とは、「エンティティAに属する1つのインスタンスが自エンティティに属する子の複数のインスタンスに紐付き、且つ、エンティティAに属する1つのインスタンスが自エンティティに属する親の複数のインスタンスに紐付くもの」です。

カーディナリティ Many to Many(再帰)

カーディナリティ Many to Many(再帰) 表記法


ビジネス情報 モデリング技法

ビジネス情報 モデリング技法とは、「ビジネス活動において必要とするビジネス情報を抽出し、ビジネス情報を正確且つ効率的に活用するために、3つのモデル(ビジネス情報 概念モデル、ビジネス情報 論理モデル、システムデータ 物理モデル)を定める技法のこと」です。

ビジネス情報 概念モデルとは、「ビジネス活動において必要とするビジネス情報をエンティティとして分類し、エンティティ間の相互関係を定めたもの」です。ビジネス構想策定において定めます。

ビジネス情報 論理モデルとは、「ビジネス情報における5つの要素(エンティティ、属性、インスタンス、識別子、エンティティ・リレーションシップ)を定めたもの」です。ビジネスデザインにおいて定義します。

システムデータ 物理モデルとは、「ビジネス情報をコンピューターシステムへ格納するための要件を定めたもの」です。システム要件定義において定義します。

以下にビジネス情報 3つのモデルにおける用途および定める項目を記します。

ビジネス情報 3つのモデル用途

ビジネス情報 3つのモデル定める項目


ビジネス情報 表記法

ビジネス情報を表記するER図について記します。

ER図とは、「ビジネス情報におけるエンティティ間の相互関係を表す図のこと」です。

ER図: Entity Relationship Diagram の略称。

ER図の表記法は複数存在しますが、以下に IDEF1Xにおける「概念モデル」および「論墜モデル」の表記法を記します。

ER図(概念モデル) 表記法

ER図(論理モデル) 表記法

【例】ER図(概念モデル)

【例】ER図(論理モデル)

【例】エンティティ一覧(論理モデル)

【例】属性一覧(論理モデル)


【次に参考にしていただきたい記事】

次の記事では、ビジネスデザインで用いるビジネス情報における分析技法について解説しています。ご参考になさってください。

【ビジネスデザイン】13 ビジネス情報における分析技法
https://note.com/rtree_b_design/n/n11eb25c3afbc



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