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スカウトサイト利用料の2重払いは笑えない

こんにちは、RtoRの井川です。
 
先日、某上場人材紹介会社が過年度の決算に関して訂正のIRを出していました。
 
その内容を確認すると、つまるところ過去においてスカウトサイトに払うべき支払いを行っておらず、スカウトサイトの運営会社から指摘を受けて、総額4億円(うち違約金2.8億円)の支払いを請求されたので、今期の決算を下方修正しますという内容です。
 
なかなか衝撃的なニュースです。
 
今や多くのエージェントの集客の主力になりつつあるスカウトサイトですが、使い方を間違うととんでもない額の請求を受けることになります。

「そもそもなぜ2重払いが発生するのか?」


 ではなぜスカウトサイトを利用することで、複数のスカウトサイトから重複して利用料を請求されるのでしょうか?
 
スカウトサイトには複数のスカウトサイトにまたがり登録をされている求職者の方がいます。その求職者の方をそれぞれのスカウトサイトからスカウトし、結果的に同一人物が自社に登録になった場合、登録された時期にもよりますが、基本的には重複登録となります。
 
重複登録とわかっていれば、「この人は重複した求職者の方なので2重請求しないでくださいね」とスカウトサイト運営会社に申告することができます。
 
しかしながら、コンサルタントが数十名、数百名となってきたり、リサーチャーやアシスタントが代理でスカウトしていたりしていると、よほどしっかりとエントリー管理をしていない限り、重複登録による2重払いの危険性は発生します。
 

「経営陣は2重払い撲滅の強い意識を」


 もう5~6年も前の話ですが、ある大手人材紹介会社の役員の方と話す機会がありました。私が勤めていた会社はほぼ100%自社集客の会社でしたので、その日の話の中心は集客に関する情報交換でした。
 
その役員の方に、「御社ではどのように求職者を集客しているのか?」とお聞きしたところ、「最近は、半数近くがスカウトサイト頼みで、メジャーなスカウトサイトは全て利用させて頂いています」とのことでした。
 
またその方曰く、「弊社では、コンサルタントには好きにスカウトサイトを使わせているので、最近では2つのサイトに対して手数料を払うこともあり大変なんです」と笑いながら話していたのが印象的でした。
 
そんなことが当時勤めていた会社で発生しようものなら、頭が禿げるくらい考えたうえで、即座に状況報告&謝罪をしなければならないものでした。
 
余計な支出は1円たりとも許さない厳しい経営をしていました。
 

「必要なことは社員教育と管理体制の構築」

 
この課題に対しては、やはりスカウトサイトを利用するコンサルタント自身がリスク管理とルール順守を行うことが一番大切です。
 
また、コンサルタントも大勢いる会社では、ITによるシステム管理や、ルール作りと運用による管理体制の強化が必要です。
 
・各社スカウトサイトの利用ルールを熟知している担当者は配置できていますか?
・どのような状況下で2重払いを請求されるか全て把握できていますか?
・エントリー時やその後のプロセスで2重払いを回避できる業務プロセスになっていると自信をもっていえますか?

 
弊社ではコンサルタントが私一人の為、複数のスカウトサイトを利用していますが、私の記憶力と簡単な管理表で十分把握できます。
 
一人だとそれで十分ですが、二人以上になると可能性がいっきに上がるように思いますので、皆さんも早めに対策してはいかがでしょうか?
 
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