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スカウトサイトが荒れれば人材紹介マーケットも荒れてくる?

こんにちは、RtoRの井川です。
 
弊社は、人材紹介コンサルタント専門のエージェントを生業としていますが、色んなクライアント企業の方々と話をする際に、「どんなスカウトサイトをどのように使っているのか?」また、「その反応や課題について」話が及ぶことが多いです。
 
そんな最近の話の中から、スカウトサイト利用において改めて考えなければいけないと思う事をnoteに書いてみました。
 

「増えるスカウトサイト利用者」


 最近、テレビを見ているとスカウトサイトなどのテレビCMを毎日のように目にします。おそらくこの2-3年だけでもスカウトサイトを利用する求職者は格段に増えたのではないでしょうか?
 
また、スカウトサイトを利用する人が増えると、その求職者にアプローチしたいエージェントやそこで働くコンサルタントの利用も増えます。
 
この2-3年で見ても各社のコンサルタントは相当増えていることと思いますので、その中でスカウトサイトを利用するエージェントやコンサルタントも爆発的に増えているものと思います。
 

「流通量が多すぎるスカウトメール」


 スカウトサイトにもよりますが、基本的に各社のスカウトサイトで送れるスカウト通数に上限はありません。
 
そのため、スカウトサイトに登録している求職者にマッチしていないであろうスカウトメールなども大量に発信されている状態です。
 
スカウトサイトによっては、「一斉送信機能」という、検索をかけて出てきたある特定のターゲット向けて、数十件、数百件と一斉に同じスカウトメールを送る機能などもあります。
 
また、一部の会社では、海外在住の日本語が多少わかる程度の外国人にスカウト業務をさせていたり、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)を用いて、ロボットに自動送信させている会社も多くあります。もちろんロボットですから、レジュメを読み込んで送っているのではなく、ある特定の検索にヒットすれば自動送信します。
 
そのため、時々スカウトサイトに経歴が「あ」しか入っていない求職者でも、年齢が20代であればスカウトメールが大量に送られている状態が発生してりたりします。これは20代であればとスカウトするとRPAに登録しているのだと思います。
 

「当てにならないエージェントからのスカウト」


 このように大量にスカウトメールが流通してしまうと、いくらテレビCMで「あなたにあった驚きのスカウトが」とか、「ハイキャリアにスカウトと言う選択肢を」とか言っても、消費者からすれば自分の経歴を確認もせずに送られている事には気付きます。
 
100歩譲ってそれは仕方ないと思って、実際に何社かと面談したら、「最低でも10社は受けてください」と言われたり、自分の業界や職種について全然詳しくないコンサルタントが対応したりすると目も当てられません。
 
「やっぱりエージェントは当てにならない」
「エージェントは決めることしか考えていない」
 
など、どんどんエージェント離れが加速していきます。

 

「使う側はしっかりレジュメを見てスカウトする」


 当然のことですが、スカウトメールを送る際は、その個人の経歴や希望をよく見たうえでスカウトを送るべきだと思います。
 
何も考えず、ひたすらスカウトメールを送るやり方もありますが、それでは上述の通りスカウトサイトが荒れてしまい、引いては人材紹介全体の信頼失墜にも繋がります。
 
当然、求職者の情報の入れ方に問題があったり、経験と希望があまりにもかけ離れているケースもあります。
 
私の場合、人材紹介コンサルタントの経験者で希望が人事職希望の方でも、「人材紹介やりませんか?」とスカウトメールをお送ったりします。それは、人によっては、登録時点では人事職で情報収集したものの、やはりキャリアコンサルタントの道を選択する人もいるからです。この程度なら自分の中ではOKです(笑)
 

「スカウトサイト運営企業でのルール決めも大切」


 また、スカウトサイト自体の運用方法によって、改善できる点も多々あるように感じます。
 
例えば、RPAが対応できないような仕様に変更することで自動送信を止めさせることや、1コンサルタントあたりが送れる通数を制限することなどです。

何件も送れると思うので、送り先に対する精査も甘くなります。毎月100件しか送れないとなれば、自ずと精度も上がるはずです。
 
また、一斉送信機能の廃止や、コンサルタントやエージェントをスコア化して、荒いエージェントや個人をあぶり出します。
 
こういった運用をすることで、消費者からしたら本当に質感のあるスカウトが流通することになり、引いてはスカウトサイト自体の繁栄にも繋がります。
 
いずれにして、今の転職市場は極端な売り手市場にあり、求職者の獲得もスカウトサイト頼みになっています。しかし、あまりにも質の低いスカウトメールなどが飛び交っていると、最終的には大きなブーメランとなって業界全体に暗い影を落としてしまいます。
 
この辺りは、大手スカウトサイト各社と大手エージェント各社が共同で利用方針などを話し合って、より良い運営を目指していただきたいと願っています。
 
 
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