見出し画像

管理部門求人は決めやすい

こんにちは、RtoRの井川です。
 
私は、現在人材紹介業界に特化したエージェントを経営していますが、その前はMS-Japanという管理部門(経理・財務・人事・総務・法務・経営企画など)や士業(会計士、税理士、弁護士など)に特化したエージェントで仕事をしていました。
 
その時の経験も踏まえて、人材紹介ビジネスにおいて管理部門系の求人が他の職種とどのような違いがあるのか?なぜ決まりやすいのか?などについて書いてみたいと思います。

「人事ポジションには注力する」

私がまだ駆け出しのJAC時代の話ですが、当時は自分で担当するクライアントの求人は全て担当するような進め方をしていたため(現在は、管理部門求人は管理部門チームで別途担当が付く)、上司などから言われたことは、「とにかく人事ポジションは優先的に決めると良い」ということでした。
 
なぜ、人事ポジションを他の職種よりも注力してでも決めたほうがいいのかというと、自分で紹介した方が採用担当になる可能性も高く、その人事の方、ひいてはその企業から自社への信頼関係が一気に高まること、また、場合によっては独占的、寡占的な求人を獲得しやすくなるというのが主な理由です。
 
自分が紹介した人が人事の責任者になってくれれば、当然リレーションは構築しやすいですよね。ですので、人事の採用ポジションや人事責任者などのポジションには最注力案件という位置づけで仕事をしていました。

「管理系職種は業界横断ができる」

管理部門系職種が決まりやすいと思う最大の要因は、管理部門系職種の場合、業界をまたいで転職することが他の職種と比較して非常にハードルが低いことが挙げられます。
 
他の職種の場合、例えば、同じ製造業でも半導体設計の経験の人が、自動車部品などの設計職に転職したい場合、基本的にはキャリアをフルリセットして転職する覚悟がないとできません。その逆も同様です。
 
制御系のSEの方がオープン系のSEに転職する際も、これまでの経験はあまり生かすことができません。
 
そのくらい、同じ言葉を使っている職種でも属する業界や業務内容が異なると、転職するのも難しくなります。
 
一方で、経理職の場合、半導体業界で働く経理の方が自動車業界の経理に転職する場合、これまでの経験は大いに生かされますし、なんなら同じ製造業として歓迎されます。
 
また、半導体と自動車といった比較的近しい業種でなくても、製造業出身の経理の方が、商社やIT、サービス業に転職することも十分考えられます。
 
それだけ仕事に汎用性があり、どこの管理部門もある程度共通した仕事をしているのです。

「コミュニケーション力もそれほど求めない?」

私の経験からすると、経理や労務、法務などの専門職種はそれほど高いコミュニケーションレベルを求めていない求人が多いように思います。
 
個人的見解ですが、コミュニケーション力を求められる職種順位をつけると、
①    営業系職種や管理(マネジメント)的職種
②    人事/購買/マーケ/生産管理/生産技術など対外的折衝も発生する職種
③    経理/労務/法務/設計などの中でも比較的手を動かすことが中心の職種
④    ITエンジニアなどの職種
 
経理や財務、会計士や弁護士でコミュニケーション力が高い方は稀で、そのような方は管理職などの要職に就くことが多いと思います。加えて英語力などもあると無双状態ですね。
 
つまり、コミュニケーション力はそれほど高くなくても、専門性がある程度あれば転職先が決まっていくこと、一方でITエンジニアのようなレッドオーシャンではなく、一定の求人数しかなく、一定の転職希望者がいることから、人材紹介の領域としては大きな柱の一つになっているのだと思います。
 
また、今後はこれまでのように「管理部門人員=コストセンター」という発想から、「攻めの管理部門」という位置づけに変わりつつある中で、優秀な人材の争奪戦は続くことが予想されるため、管理部門人材の引き合いの強さは引き続き旺盛なのではないでしょうか?
 
★人材コンサルタント専門エージェントへの相談はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?