遺産と振り込め詐欺と

まだまだ続くその後・・・と良かったこと①

とりあえず、父の兄弟に電話をして亡くなった旨をお知らせする。

基本的に親戚づきあいが非常に薄い父である。

しかもみんな熊本や宮崎にお住まいなので一度も会ったことのない人もいた。会ったとしても俺がまだものごころつかないときに会ってたようで当然記憶はない。

それでも、「〇〇（父）の息子の〇〇ですけど・・・」と緊張しつつ電話すれば、あらまあ久しぶりじゃないの！お元気？と言っていただけるのは本当にうれしいことだ。

そして、父が亡くなったことを告げるのが本当につらい。

父親を亡くすのもつらいが、向こうからしたら兄弟を亡くすのもつらいことだろう。いくら全然付き合いが無かったとはいえ。

「あらぁ・・・」

言葉につまる。さすがに泣くということはないが、やはりそこは血のつながった兄弟。亡くなるのは悲しいことなのだろう。当たり前だけども。

こういうことを報告するのもつらいよね。

そして、親戚づきあいが薄い＆遠方在住だとつらいのが通夜や葬儀を行うとしても参加しない（出来ない）ということと知る。

まあ、みんな高齢者だしコロナのこの状況ならやむなしだけど。

ただ、その代わりと言っては何だけども香典代としてお金を振り込みたいから口座を教えて、と言われて「いやいやお気持ちだけで十分ですので」的なことを言って逃れようとするも押し切られ、自分の口座をお伝えすると翌日ちょっとびっくりする額が振り込まれてたりする。（父の口座を見て違う意味でびっくりしたけど）

すぐにお礼と感謝の電話をする。

「色々と大変でしょうし、このぐらいしか出来ないから使ってください」

こういうのは本当に涙が出るほど有難い。

有難いと同時に、一度も会ったことない、または記憶のない高齢者に電話一本で簡単に口座に大金を振り込んでいただくと、何となく

振り込め詐欺をしているような気分になってくる

俺が言うのもなんですけど、こんな電話一本で簡単に信じてお金振り込んで大丈夫ですか？！と。

まあ、父の名前を告げているし、向こうもその息子（俺）の名前も知っているし、さすがに「ちょっと車で事故っちゃってお金が必要になって・・・（涙）」みたいな電話よりはマシだろう。（比べんな）

そんなしょーもないことはさておき、会社を何日も休み、色々と手続きやら片づけやらで奔走している中で、改めて人の暖かさを知る。

良かったこと②

そのほか良かったことと言えば父には

全く遺産がなかった

そもそも九州に住んでいる本家というか、父の父・・・おじいさんは大変な資産家らしくて駅前の一等地にものすごい広さの土地を所有していたり、山をいくつも所有していたり、株券やらビルやらマンションやら所有していたらしかった。そしてそのおじいさん、おばあさんが亡くなったときにどうしたのかというと

めんどくさいから何ももらわなかった

この話を聞いて、もったいないことしやがって！と思う一方で

良くも悪くも父らしいな

とも思った。

まあ、土地やお金がたくさんあったところで、あったらあったなりに大変なんだろう。貧乏は苦労が多いけれどお金持ちもお金持ちなりに苦労が多いと思う。（知らんけど）

下を見たらキリがないけど上を見てもキリがない。

遺産の奪い合いで兄弟同士不仲になったり、時としては殺し合いになったりすることもあるから、今になって思えばこれで良かったのだろう。

そのときに揉めたりしなかったから、今まで会ったことない（or何十年も会ってない）ヤツから突然連絡がきても、こうして快く助けていただけたのだと思えば、ね。

あとは市営の斎場を借りたし、出棺して見送って火葬しても、

それを入れるお墓がない・・・

いや、厳密にはおじいさん、おばあさんが入っているお墓は九州にはあるんだけども、入るスペースが無いということで断られてしまった。そんな資産家でも小さなお墓なのか・・・。（絶望）

父が焼かれたら、お骨を引き取ったのちに夏ぐらいに行われる

ある意味PS5の抽選よりも厳しいと言われる都立霊園の募集に賭けるしかないか。。。