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経済危機とエンジニアの安定: 弊社の対策と展望

「リーマンショックのような経済危機が発生した場合、還元率を高くしていると大変じゃないですか?」という質問を受けることがあります。危機対策に関する質問だと思いますが、まずリーマンショック時は弊社が設立間もない時期だったため、正確なデータの提供は困難です。しかし、技術派遣業界全体で見ると、当時の平均稼働率は75%程度に落ち込んだと推測されます。これは、待機率が約25%だったことを意味します。

リーマンショックは100年に1度の経済危機であるため、同様の状況が再発しないことを願いますが、万が一に備えて、弊社は次の2つの対策を講じています。

まず一つ目の対策として、弊社ではエンジニアのアサインをハイエンドおよびミッドエンドの案件に特化しています。この方針の背景には、未経験者やジュニアレベルが多く従事するローエンド案件が不況時に契約解除されやすいという事実があります。ローエンド案件は人員の代替が比較的容易なため、不況時には最初に契約解除される傾向があります。一方で、ハイエンドやミッドエンドの案件は特定の技術や経験を要求されることが多く、これらの案件に従事するエンジニアは契約継続の可能性が高くなります。また、クライアントは景気回復を見越して優秀な人材を最後まで維持しようとする傾向があり、これがエンジニアの安定した雇用に寄与します。

二つ目の対策は、日ごろから還元率を上げるための努力をしている点です。例えば、リーマンショックのような不況時には、派遣会社は契約終了を避けるために、一時的に契約単価(請求単価)を下げるなどの対応をします。具体的には、請求単価が70万円の場合、全国平均の給与支給率は61.4%で、これによる年収は約520万円です(補足1)。しかし、弊社の4年目以降の給与支給率は80.8%で、同じ70万円の請求単価であれば年収は約680万円になります。仮に契約終了を防ぐために請求単価を20%下げて56万円にしたとしても、年収は約540万円となり、依然として全国平均の年収を上回ることになります(補足2)。つまり、不況時でも弊社の高い還元率の給与体系が強みとなるわけです。実際、東日本大震災後の不況時には他社からの移籍者が増えた事例がこれを証明しています。

まとめますと、弊社では景気動向に左右されないよう、エンジニアにハイエンドやミッドエンドの案件を日常的に紹介しています。景気が大きく落ち込む場合でも、契約単価を下げるなどして契約終了のリスクを避ける措置を講じます。この際も、技術派遣業界の全国平均年収を下回らないように努力しています。また、万一待機状態になった場合は、休業補償として平均賃金の6割を支払っています(補足3)。

(補足1)技術派遣業界の全国平均の給与支給率は、厚生労働省の『令和3年度 労働者派遣事業報告書』の情報を基に計算しました。「情報処理・通信技術者」の1日当たりの派遣料金は32,394円、1日当たりの派遣賃金は19,886円です。給与支給率は次の通りです。(19,886円/32,394円)×100=61.4%です。

(補足2)在籍1年目から3年目までの給与分配率68%の場合は、技術派遣業界の全国平均年収を下回ってしまいます。その場合の対応策としては、一時的に給与分配率を上げるか、雇用調整助成金などで対応するか、いずれにしてもエンジニア社員の負担にならないかたちで対応することを予定しています。

(補足3)「平均賃金」とは、労働基準法第12条に基づく法定の定義に従ったものです。この法律によると、平均賃金の算定方法は以下のようになります。
(1)算定対象期間の選定:ここでの算定対象期間は「事由の発生した日以前三箇月間」です。つまり、特定の事由(例えば退職、休業補償など)が発生した日から遡って3ヶ月間がこの計算の基礎となります。
(2)総賃金の計算:この期間中に労働者に支払われた賃金の総額を計算します。これには基本給、残業代、手当など、実際に支払われた全ての賃金が含まれます。
(3)日割り計算:次に、この総賃金を上記の期間、すなわち「総日数」で割ります。通常、3ヶ月間の総日数は約90日ですが、月によって多少の差異があり得ます。
(4)平均賃金の算出:この割り算の結果が、その労働者の「平均賃金」となります。

簡単に言えば、平均賃金は過去3ヶ月間に労働者が受け取った賃金の合計を、その期間の日数で割ったものです。この方法により、労働者の収入を一定期間にわたって平均化し、特定の目的(例えば、休業手当の計算など)のための基準として利用します。

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1.1年目からの「通常契約」時の年収
2.4年在籍で適用される「プロ契約」時の年収
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弊社では、勤続年数に応じてマージン率を低減し、還元率を高める仕組みを導入しています。

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