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プロセス整理 -Step1 発案・課題抽出-

1、背景説明

 地域デザイン7Stepは、私が学生時代からエピテックの活動を通して培った地域プロジェクト立ち上げや地域コミュニティ創造に向けたノウハウを整理した手法です。ここでは、全7つのプロセスを1つずつご紹介していきます。

 今回は、「Step1 発案・課題抽出」です。


2、ポイント

 「Step1 発案・課題抽出」のポイントは、最終的にビジョンをなるべく具体的に決定することです。なぜなら、このビジョンを具体的に決めることができなかった場合、「どこで誰がやるの?」問題が勃発するからです。このような問題が話題にあがると、ほとんどのケースでプロジェクトを形にすことが困難になります。

 多くの市民ワークショップや意見交換は、地域の課題がたくさんあがり、その課題を列挙することで終えてしまうことが多いです。冷静に考えてみてください。そもそも課題を抱えているからこそ、このような機会が生まれるわけです。そのため、課題を列挙することで終えてしまっては、うっ憤を晴らす以上のことが生まれてこないからです。そのため、そのうっ憤を晴らした後の先が重要になって来ます。

 しかしながら、うっ憤を晴らすこと自体はとても大切です。私は、多くの地域でプロジェクトを起こす際に大切にしていることがあります。それは、「地域の不満を聞くこと」です。お恥ずかしながら、時には、通称「サウンドバック」になって、厳しい言葉を浴び続けることもあり、心がポッキリ折れてしまいそうな場面も多々ありました。本当に不満を超えて怒りの話を聞き、受け止めるということは、聞く側はとても辛いです。それと同時に、その怒りがこみ上げるほどの強い想いを持たれていることに敬意を感じています。

 話を戻しますが、「地域の不満」を聞くことはとても大事だと感じます。なぜなら、人間は不思議なもので、ネガティブな話をした後は、たいてい「次どうするか?」という話になって来ます。こうなったら流れはこっちのものです。地域住民は、しっかりと地域を見た上で課題と向き合い、提案を持っていらっしゃったりします。大切なことは、この提案をいかにして負担なく、楽しく形にしていくかです。このように地域の不満を楽しいに変えるプロセスを経て、地域住民向に寄り添いながら次のステップに進むことが大切だといえます。したがって、私の役割は、この提案の先のビジョンを地域住民と話し合い、ビジョンと身近な目標を立て、共に伴走ことです。最近では、このような役割の人に伴走者・アカンパニストという言葉が生まれつつあります。


3、課題抽出の方法

 私は、長い間、この課題抽出の方法として、地域を巡り、お茶飲みや飲み会を重ねて地域の不満を聞いてきました。しかしながら、このような手法の他に新しい方法はないかと模索し、カードゲームワークショップを考案しました。詳細は下記になります。


 このカードゲームは、アイデア創出ゲームが基盤になります。キーワードとなるカードとカードを組み合わせて、お題を解決するアイデアを提案していくゲームです。お題の評価は他のプレイヤーが行うのですが、その評価の仕方は自分の手札や次のジャッジを意識した駆け引きをルールに乗っ取って行っていきます。多くのアイデア創出ゲームは、綺麗にまとまるゲームが多いのですが、このゲームは、ターンを重ねるほど人間の浴などが駆け引きで出て来てドロドロした展開になることが特徴です。

 私はこのゲームを考案する際、よりリアルな社会の様子にこだわりました。そのため、人間関係の複雑さや他者の立場になった駆け引きをゲームを通して学べるよう設計しました。そして、このゲームを通して、人の立ち位置や役割の重要性を学び、課題を解決するプロジェクト立案とゲームクリアを目指して、ビジョンを持ち進むことの楽しさを学んでもらいます。


4、ポイント整理

 「Step1 発案・課題抽出」のポイント整理を行います。

①地域の不満を聞き出し、その先の本音である地域住民の解決案を聞き出し、伴走しながらビジョンを立てる

②カードゲームワークショップを通して、リアルな駆け引きを学ぶことを楽しく行う

 私は、このプロセスではこの2点を大事にしています。


5、次回について

 次回は、「Step2 議論・自分ごと化」について整理していきます。地域住民との交流やゲームを行ったその先について説明していきます。よろしければ、次の記事もご参照ください。


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