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プロセス整理 -Step2 議論・自分ごと化-

1、背景説明

 地域デザイン7Stepは、私が学生時代からエピテックの活動を通して培った地域プロジェクト立ち上げや地域コミュニティ創造に向けたノウハウを整理した手法です。ここでは、全7つのプロセスを1つずつご紹介していきます。

今回は、「Step2 議論・自分ごと化」です。


2、ポイント

 「Step2 議論・自分ごと化」のポイントは、プロジェクトにおいて、自分の立ち位置を明確にすることです。個人の関り方を明確化することで、誰がどのようなことにどこまで責任を取ればいかということがわかるため、後々大きなトラブルになることを防げ、持続的な活動になりやすいです。

 多くのプロジェクトは、役割を分担を明確にせず形にすることが多いです。しかしながら、このような形で実行をしてしまうと、リーダー格の人に責任が偏ったり、目的を見失ってしまう人が現れてしまい、持続的なプロジェクトになりにくくなります。したがって、プロジェクト全体のビジョンやミッションを決めることも大切ですが、それ以上に関わる上での個人の立ち位置を明確化することが重要です。


3、自分ごと化の大切さ

 私は、多くの主に大学生が地域と関わりたいという場合に最初に伝えることがあります。それは、「なぜ地域活動を行いたいか」ということです。その際に、地域と関わる以上、多くの人は、「人の役に立ちたい」・「地域に貢献したい」など抽象的かつ他者のためという表現をします。その際、私は、「自分にとってのメリットは何?」と聞くようにしています。その自分のための理由は何でも構いません。「実績を積み重ねたい」・「異性に良いところを見せたい」・「人の縁を広げたい」などです。学生の場合は、「就職活動に有利になりたい」や「研究データが欲しい」などで構いません。プロジェクトに関わる上で、自分の中の魂胆を持つことが、プロジェクト成功の上ではとても重要です。


4、辞めると逃げるの違い

 そして、もう1つ重要なことは「辞める勇気」です。議論の上で方向性の違いを感じたら、辞める勇気も大切です。これは、プロジェクトが進んでからでも同じです。なぜなら、目的を見失いモチベーションを保てない中で継続することほど、お互いに無駄な時間はないからです。

 ただし、その際は、1点気をつけてもらいことがあります。それは、「辞める」と「逃げる」は違うということです。いきなり音信不通になり逃げるような形で去るのではなく、ちゃんと筋を通し、プロジェクトから離れ、辞めるように心がけてください。なぜなら、しっかりと筋を通さないと、コミュニティを不快にするだけではなく、逃げてしまった本人の良心を傷め、本人が苦しんでしまうからです。気にしなくても良い苦しみを抱え続けることは大変苦痛なので、そのようなことがないようにしっかり議論してもらいたいです。


5、議論の場で取り組んだこと

 私は、食いしん坊のためお酒は好きです。しかしながら、残念なことに下戸で、ほとんど飲むことができません。そのため、飲み会の空気を乱さないように、茨城県筑西市の生活を始めてから料理を始めました。料理を担当することで、みなさんが楽しく盛り上がってる間に、残りの料理を作り、みなさんができあがった頃に合流できると考えたからです。今となっては、300人分ほどの料理を作ったり、ご当地バレーボール大会の賄で地元の野菜・果物を使ったオリジナルカレーを100人分作ったりします。このカレーがありがたいことにリピーターを生んでいる理由の1つになっているそうです。地域では、珍しい食材を手に入れたら私のところに持っていけば良いと言っていただけているそうです。また、嬉しいことに福井県南越前町を訪れた時に地元の方から食材を用意したから、今日のご飯会の料理、よろしくと言っていただいたことがあります。このような声がけは、地域の人に受け入れられ、自分の立ち位置ができていると感じた瞬間で嬉しく思いました。作るのは大変でしたが。


6、飲みニケーションの真の意義

 以上のことから、私は、昔ながらの飲みにケーション・ご飯会は強制はしませんが、重要だと思っています。特に地域コミュニティにおいては重要だと思います。なぜなら、みんなでご飯を作って、みんなで楽しみ、話し合うことで本音が生まれてくるからです。確かにこのような場が苦手という人も多いかと思います。しかしながら、私が料理を担当したように居場所は必ずあります。酔っぱらった仲間のために送迎で最後に顔出すだけでも良いかもしれません。ご飯会を通して人間関係が可視化されるため、このような機会は大切にした方が良いと考えます。

 ワークショップなどのフォーマルな場も大切かと思いますが、実は地域を動かすアイデアは、このような場で生まれています。そのため、コーディネーターを務める方は積極的にこのような場や地域住民が集う飲食店で食事をし、ヒアリングすることを強くおすすめします。


7、ポイント整理

 「Step2 議論・自分ごと化」のポイント整理を行います。

①自分の立ち位置を明確化することが重要であり、自分にとってのメリットとなる魂胆を持つこと

②筋道を立てて辞める勇気も時には大切である

 私はこのプロセスでは、この2点を関わる人と確認することを大切にしています。


8、次回について

 次回は、「Step3 認知・共感」について整理していきます。いよいよチームづくりの話に進みます。よろしければ、次の記事もご参照ください。


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