アカデミストのこれまでとこれから【前編】 - 運営するなかで見えてきた学術系CFの本質とは
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アカデミストのこれまでとこれから【前編】 - 運営するなかで見えてきた学術系CFの本質とは

柴藤亮介(アカデミスト株式会社代表取締役CEO)

こんにちは! アカデミストの柴藤です。

西早稲田オフィスに移転直後にコロナ禍になり、1年半が経ちました。最近はリモートワーク/オフィスワークを併用しながら「academist」を中心に各種サービスを運営しています。前回の記事ではアカデミストのVision, Missionについてご紹介しましたが、今回は academist を運営するなかで見えてきた学術系CFの本質について、整理していこうと思います。

学術系クラウドファンディング(CF)って、実際どうなの?

これまでの実績

2014年4月にacademistを公開してから8年半、あらかじめ目標金額を設定して1〜2ヶ月で支援を募る「スポット支援型(購入型/寄付型)」と、目標金額は設定せずに1〜2年間支援を募る「月額支援型」の2つの仕組みを国内の大学・研究機関と一緒に整備してきました。これまでに両者あわせて219件のプロジェクトを公開し、16,041名のサポーターから支援総額1.9億円が寄せられています。

アカデミストのスタッフの業務は、プロジェクトページに掲載するコンテンツの制作や宣伝のサポート、サイトの保守・運用や新規機能の開発、大学・研究機関との交渉や調整など多岐に渡ります。タフな仕事も多く、大学・研究機関との交渉には1〜2年間かかることもあるのですが、連携事例も少しずつ増えてきており、現在では、100以上の大学・研究機関に所属する研究者のプロジェクトを掲載し、うち9機関とは共に学術系CFを盛り上げるパートナーシップ契約を締結することができました。2010年代で「CFって大丈夫なの?」から「CFもひとつの手段としてアリだよね」に変化してきたように感じています。

学術系クラウドファンディング(CF)の特徴

サービス公開から2〜3年間は、学術系クラウドファンディングは研究費獲得とアウトリーチ活動を同時に実現できる新しい方法という言い方をしていましたが、最近になって、研究費獲得はひとつの結果であり本質はアウトリーチ活動と捉えるようになりました。つまり学術系CFの本質は、研究者の存在を研究者以外の人たちに知ってもらう手段であるということです。

その理由は、実際に学術系CFにチャレンジする研究者・大学院生たちが、自身の研究のVisionを発信することで、知り合いや同分野の研究者だけではなく、異分野の研究者や研究分野に関心のある社会人や学生、さらにはこれまで全く接点のない人たちに情報が届く様子を間近で見てきたためです。研究活動を発信した結果、金銭的支援を受けるだけではなく、新しいつながりができたり、メディアに掲載されたり、講演依頼がきたり、モチベーション向上に繋がったり等、それぞれのチャレンジャーがそれぞれの形で研究活動を前進させるきっかけを掴んだのではないかと思います。

「クラウドファンディング(Crowd:群衆+funding:資金調達)」はひとつの結果であり目的ではないということに、チャレンジャーたちとのコミュニケーションを通じて気付くことができました。

これからの展望

今後はスポット支援型プロジェクトを月3件ペースで公開する形で、より多様な分野の研究者・研究テーマを紹介していきたいと考えています。そして一つひとつのプロジェクトを研究者と共に丁寧につくり、大学・研究機関と一緒に宣伝戦略を練りながら、目標金額達成率100%を目指した運営をしていきます(2021年度は達成率100%です)。

また月額支援型の参加ハードルを下げ、より多くの大学院生・若手研究者に使っていただけるようにしていきます。月額支援型は研究者にとって、研究活動を定期的に言語化してサポーター向けに情報発信ができる点が特徴です。サポーターからすると、興味のある研究者の普段の活動状況を見ながら継続的に支援することができる、いわゆるファンクラブのような仕組みです。

スポット支援型に比べると月額支援型の支援総額は小さくなりますが、ここに企業からの支援が受けられるように、アカデミストとして動いていきたいと考えています。そのひとつの事例が、academist Prize supported by 日本の研究.comです。この企画に参加する研究者・大学院生は、月額支援型CFによる定期的な研究費支援に加えて、プロジェクトの注目度合いに応じ、当社やスポンサー企業からの賞などを受けることができます。

これからは国だけではなく個人や企業など多様なステークホルダーとの関係性のなかで研究活動を進める時代となると私たちは信じています。多様なステークホルダーに「研究の応援団」になってもらい、研究者と研究の応援団とのゆるやかなつながりを形成していくことが私たちのミッションです。このつながりが、研究を加速するインフラとなっていくはずです。そして、アカデミストは、当社のビジョンである「開かれた学術業界」を目指し、今後も活動を続けていきます。

現在CFへチャレンジする研究者・大学院生を募集しています! 少しでも関心のある方はこちらからお気軽にご連絡ください。

次回予告

前編では学術系CFとacademistの今後について話しました。後編では月額支援型の発展とつながる仕組み「academist Grant」について紹介します。

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柴藤亮介(アカデミスト株式会社代表取締役CEO)
「開かれた学術業界を実現し、未来社会の創造に貢献する。」を理念に学術系クラウドファンディング「academist」や学術系メディア「academist Journal」を運営しています。クラウドファンディングに関心のある研究者・大学院生の皆さまは是非ご連絡ください!