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書評 脳はなにげに不公平 池谷裕二

情報番組のコメンテーターでも知られる脳研究者が、脳の話や最新の科学知見についてまとめた週刊朝日の連載エッセーをまとめた1冊。アマゾンのレビューでは、「著者の本の中では下の方」だとか、「雑談のネタには役立つかも知れないが、脳科学の最新知識を得ようとすると外れ」と酷評している向きもあるが、専門書として読もうとすれば期待外れになるかもしれない。しかし、脳の話題について少しかじりたい、あるいは初歩的なことでもよいので、少しでも知りたいのであれば、極めて有用であり、これを突破口に別の書に当たれば良い。

1「好運は伝染する」、2「人類2・0」、3「脳の不思議な仕様」、4「心を考える」の4章立てになっている。1では、快感や快楽、判断、記憶力について。2では、遺伝子にまつわる話題から人間の限界について。3では、睡眠やうつ病、脳細胞について。4では、心や感覚をめぐることについて。それぞれ取り上げられている。いずれもコンパクトに語り下ろしのスタイルで書かれているので、読みやすく、脳をめぐるちょっとした話題を知るには手ごろな本である。

#書評 #脳科学 #池谷裕二 #エッセイ