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舞空瞳の無神経さは宝塚会見の無反省さ

「充実感があふれ」

予科本科として密に過ごした仲間の自殺直後、中止も延期もせずに押し切った公演についてこう言い放った。

星組トップ娘役・舞空瞳の退団記者会見である。


自殺の代表ロミジュリ、故人となった先生、パワハラが認められた宙組トップスター芹香斗亜の相手役を「大切な役」としてわざわざ上げた。


さすがは「証拠となるものをお見せいただきたい」でお馴染み不謹慎理事長お膝元の会見だ。

『記憶にございません!』と事件はスルーしながら、嘲笑うように禁句なしをアピールした。


まだ1週間だぞ……合意書を締結した途端これなのか。


日本中からこんなにも冷たい目で見られたことは、110年間無かっただろう。前代未聞レベルで大批判の嵐だった。コロナが序の口だったといえるほどの総叩きで、史上最悪を更新し続けた。


やっと終わったと、解放感でいっぱいなのは分かる。しかし今は一言一句神経を張り巡らせ、慎重に慎重を重ねても足りない時だ。

タカラジェンヌは基本、既存ファンへの内輪な発信しかしない。唯一大々的に世間へ発する言葉が、退団記者会見だ。

なのに無神経なのか不用意なのか、モラル崩壊会見第2弾となった。


星組は「ヘアアイロン事件」時の宙組と同様、大スポンサーのイメージキャラクター2名を抱えている。(真風涼帆→暁千星、潤花→詩ちづる)合わせて考えた時、話題作ばかりやるのは確かだ。

そこまで長く密接な付き合いではないためか、集客の見込める作品に偏る。


とはいえ『記憶にございません!』は悪意に満ちたチョイスである。喧嘩を売っているようにしかみえない。

いつ決まったにせよ、発表時には既に事件で揉めに揉めていた。何よりタイトルだから~星組だから~と軽視し、矮小化する風土が今に至った要因でもある。


遺族はあくまでもパワハラを認めさせただけで、本質的な改善を話し合ったようではない。むしろ解決金を受け取った以上、今後遺族としての活動はしないと思われる。

週刊文春も、義務は果たしたと言わんばかりに手を引いた。


しかし遺族も文春も黙ったからといって、身勝手が許されるわけはない。

むしろ宝塚が自らどう対処するか、どう変えていくかを見せる時だろう。無神経な言動は論外だ。


会見で日本中からドン引きされた宝塚が『記憶にございません!』な時点で、ブラックジョークにしてもブラック過ぎる。

倫理観の欠如をまず自覚しなければ、世の中とのズレは修復出来ない。


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