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トップスター休養への期待と懸念

2023年10月~11月の星組公演が発表され、そこに
※なお、星組トップスター礼真琴は、この期間を休養期間とさせていただくことといたしますので、何卒ご理解下さいますようお願い申し上げます。
との記載があった。
今回「この期間」としか書いていないので、復帰は実質未定である。

もちろん発表前なだけで、他組や外部への特別出演があるのかもしれない。
ただ「休養」という書き方が気になる。
出演発表していなかったので休演と言えないのかもしれないが、ご時世的にもただならぬ印象を受けてしまう。

「トップスターは忙しすぎるから休みが必要」というのは確かだが、良くも悪くもコロナによって中止=休みも多かった。出来ないことも多く、まだ完全には戻っていないであろう。体力的に心配されていたとは思えない。
それでもこれを期にリフレッシュ休暇を新設したなら、それも働き方改革かとは思う。
しかし海外旅行客も戻ってきているとはいえ第9波が確実視され、まだ公演中止のニュースもある。休養としている以上、休暇のように取られる行動は批判を浴びそうではある。

またその場合気になるのは、私設FCの体力低下だ。
宝塚の個人ファンクラブというのは、一般企業が運営するようなものとは違う。
あくまでも応援するための後援会であり、はっきり言えば素人運営である。

その分お茶会のアットホームさ、入り出待ちの結束等、コミュニティ力で成り立っていた。健全な運営とは言えない面もあるが、私設とはいえ宝塚歌劇団の運営そのものも大きく支えていたと感じる。
しかしコロナ禍以降、私設のイベントは極端に減っている。お茶会の座席や入り出待ちの位置等で、自分がどれほど貢献出来てるか実感しにくい。推し活としての頑張り甲斐も、ほぼ無さそうに思う。

メイン事業であるチケット捌きに関しても、星組では『Le Rouge et le Noir ~赤と黒~』 という超チケ難公演があったとはいえ、それ以外はかなり取りやすくなっていた。チケット出しの列も、以前ほどの勢いは無い。
つまり今、会に入るメリットはほぼ失われているのではないだろうか。
トップスター会となれば会費もそれなりだが、休養期間がポンと入るのが当たり前では躊躇する場合も多いだろう。

まあ私設FC頼り自体に色々と問題もあった。縮小するのが時代と言われれば、それも良いかと思う。
問題は、緊急的に休養期間として休演させている場合である。

今回のニュースは「スター」カテゴリではなく「公演」カテゴリで、博多座公演の中にあった。
そのためか、あまり計画的に見えない。やはり休養というより、急遽休演するのと同様な印象も受ける。

先述した通りいくらハードなトップスターとはいえ、今までのスケジュール等を考えると体力的な問題ではなく、精神的な問題に思う。

今無理しているなら、今休まねばならないのではないか。
移動や退団の発表もあり、無理矢理にでも出て欲しい気持ちは正直ある。
VISAの冠公演になってしまった手前、逃れられない大人の事情もあるだろう。

しかし精神的な疲労は、客観的にも主観的にも限界を見誤りやすい。
もし必要に迫られての休養であるなら、実施する時期が遅すぎる。
一般企業では「やってる体のためのポーズでしかない」と10年程前に批判されていた段階が、やっと今だとしたら。
これが宝塚と現代社会とのズレなのだろうか。

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