雨 傘 秋
濃い赤茶色に白い蔦のような模様の付いた派手な建物を通りすぎる
雨足が強くなってくる
ふと目をやると、路肩の小さな店先に小さな看板を見つけた
「一時間まで無料で使えます」
傘を持っていなかったからありがたい
傘立てに刺さっていた数本の中から、クリーム色の傘を手に取る
濃いピンク色の小花柄のものだった
一時間で返せるかな、そう思いながらも先を急ぐ
季節は秋
やたら奇抜な色のコスモスが咲き乱れる道を歩き、踏切に差し掛かる
間に合った
ほっと胸を撫で下ろして駅のホームに入ると、ちょうど電車が入ってきた
あまり意識していなかったが、外気温は低いらしい
電車内に入ると温かさが身体に染み入る、ついでに眼鏡が真っ白に曇った
◇
これが今朝みた夢、やたら彩度の高い夢だった……
真っ赤なコスモスなんて初めて見たわ
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