毛のたたり

毛のたたり、このワードが世に生み出されたのは高校生の頃。
私が着ていた黒いセーターの毛が、
カラオケ中に空中を舞い、
一緒に行った友達の口に入るなどした、
その後プリクラを撮るときにも、
友達の服に付着するなどした、
そんな出来事から毛のたたり、という言葉を発するようになった。

今日そのことを思い出したのは息子の予防接種のとき。
3本同時接種だったので、
1本打つたびに「ヒャーーーーーーー!!」といういだてんのような悲鳴をあげていた息子。
1本終わるごとに、腕をおさえてくれている看護士さんがスッと拭いてペタッと絆創膏を貼ってくれる。
無駄のない動き。
絆創膏を貼ってもらうとスッと泣き止む息子。
1本、2本、そしてラスト…!!
「ヒャーーーーーーー!!」
「頑張ったね〜!!」
「ヒャーーーーーーー!!」
…ん、泣き止まない……
…そこまで無駄のない動きだった看護士さんがなぜか戸惑っている。
「毛が…」
看護士さんが呟いたので、おさえられている息子の腕を覗き込んでみると、
まさに絆創膏を貼ろうとしているそのあたりに黒い毛がくっついているのである。
消毒の綿で拭いても拭いてもとれない。
か細い短いその毛はおそらく息子の髪の毛。
5回目の「ヒャーーーーーーー!!」に差し掛かった時、ようやく毛がとれたらしく絆創膏を貼ってもらい泣き止んだ息子。
そのあとは先生に向かってニコニコしてみせ、看護士さんにも笑われて帰ってきた。
毛のたたり、危ない。

毛といえば、私の産後の抜け毛がひどい。
もともと髪が多くて悩むたちなのでハゲまではいかないが、1日で抜ける量がとんでもなく、
暇さえあれば床の髪の毛を拾っている。
先日、産後の抜け毛は愛する子供を産んでくれた証、恥じないで…と旦那さんに言われた、という感動するnoteの記事があったので、
旦那にもお風呂の私の抜け毛を見せて、
「1日でこんなに抜けるの…」
と訴えてみた。
そしたら旦那、
「すごっ!!1日で茶碗一杯分じゃん!!」
と興奮気味に言っていた。
優しい声がけどころか、抜け毛の量の単位を茶碗で測るというわけのわからなさ。
「そうだね…すぐ茶碗一杯になっちゃうね…」
と返しておいた。
茶碗一杯の抜け毛は想像しただけで気持ちが悪い。
毛のたたりだ。

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