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夫「月末オーストラリアに走りにいってくる」

僕の父親は少々変わり者だった。
自由奔放、いつまでも少年のような心、自分勝手、わがまま…みんな言いたいように表現する。
僕が3歳、弟が2歳、人手があってもあっても足りない、そんなヤンチャ真っ盛りの頃、
父は母にこう告げた。

「ごめん、明後日からオーストラリア行く。マラソン大会に出る。」

ちなみに我が家の初期設定を確認。
日頃から海外に頻繁に旅行にいくような家族ではない。
日頃からマラソンが趣味で、ランニングに勤しんでいる父親ではない。
日本でのマラソン大会に出場するのを見たことはない。
海外に対する姿勢も、マラソンに対する熱もその程度だ。

まさに寝耳に水。
青天の霹靂。
我が家にオーストラリア。

しかも明後日出発…?

えぇぇぇえ…!!!!????

ドラえもーーーーーーーーん!!!!!
(ドラえもんの映画のオープニング風)
♪チャラララララ、チャラララララ、チャラララララ…


と、ね。
去年の9月の出来事なんだが、
私が夫から聞かされた時に真っ先に頭に浮かんだのが、
(これ…、息子が将来自伝風の小説書く時に使われる親父ネタじゃん…)
ということだったので、
そのイメージで始めさせていただきました。

そして、前振りが何重にもなってうざったいのだけど、上記の内容が去年の9月。
そして現在。
第二回目の「我が家にオーストラリア」が起こっているのである。
そう、まさに今。
先ほど、出発しました。ゴールドコーストマラソンへ。

ドラえもーーーーーーーーん!!!!!
(ドラえもんの映画のオープニング風)
♪チャラララララ、チャラララララ、チャラララララ…(しつこい)


去年初めての「我が家にオーストラリア」が起きた時は、事前に、
「仲間とオーストラリアで走る、という話が出ているけれど俺は行かない、俺は家族となら行きたいけれど、俺1人では行かない」
…という壮大な!家族想いの!泣けるストーリーで仕立て上げたホラを吹き、
3日前に「やっぱり行く、ごめーん、断れなかった」と言い出したもんだから、
その時一度夫婦の信頼関係は破綻した。私はそう思っている。
オーストラリアに行って走ろうが、アメリカ横断の旅だろうがインドだろうがそんなんどうでもよくて、
嘘をつかれたこと、大事なことを相談されなかったことが悲しくて、悔しくて。
思い出しても辛い…。
私も梅雨型ローテンション病かもしれない。

しかし、今回は嘘をつかれずに、3日前ではなく2週間前に告げられたことで、
私たちの信頼関係は首の皮一枚繋がった状態で、割とにこやかに出発まで進んだ。
と、夫は思っているだろうが、実際は…、

いやいやいや、嘘をついてないっていっても、事前に相談されなかったし、
2週間前って…なんなの?それでも遅すぎない?
家族ってそんなもん?え?父親?父親だよね?うちの長男じゃないよね?
…と湧き上がる苛立ちに蓋をして、
私が悟りの境地に達した、というのが正しい。


これが私が選んだ男だ。
仕方ない。
勝手に海外行きを決めるし、
勝手に車を購入して帰ってくるし、
勝手に会社を買収するし、
勝手にテレビボードに強烈なオレンジを選ぶ、
これが私の夫だ。

恥ずかしい。
わがまますぎる。
いつまで子どものままなのか。
許した覚えはない。

でも許す許さないという話ではない。
あの男はやると言ったらやる。
あの男は欲しいと思ったら手に入れる。
世間体も家族の意見も気にしない。
決断力がある。
実行力がある。
必ずやりきる。


先日レジェンド&バタフライを観た。
実際の織田信長がどんな人物なのかは知らないが、あの描かれ方。
うちの夫は、織田信長なのだと思った。
いや天下統一とかそんなかっこいいことをやり遂げた人間ではないのは重々承知だが、
どうにもこうにも考え方や性格が戦国武将なのだ。
令和の子育て中のパパには向いていない。
諦めよう、我が家に令和のパパはいない。
いるのは織田信長だ。
織田信長がおむつ替えをしていたらおかしいし、織田信長がゴミ捨てをしていたらおかしい。

ドラえもんの映画のオープニングさながらのパニック状態から、
悟りを開いたと言いつつも、
自分の夫を織田信長だと言い出す始末。
まだまだ混乱状態だわ。
今回も織田信長はフルマラソン完走して帰ってくるのだろうか。

そんなことを考えている今日は6月30日(金)

じぇっきゃさんからのお題
「高校時代の思い出」

ありすぎる…。簡単にって…、そんなまとめられない!!
私とじぇっきゃとじゃむが登場する思い出といえば、
高校最後の文化祭。
バンドのボーカルでステージに立つじぇっきゃ。
観客席1番前でギャーギャー盛り上がる私とじゃむと他の仲間たち。
動画を撮るじゃむ。
最高な青春。これぞ青春。人生今が1番最高。
……
見返すじゃむが撮った動画。動画見返すだけでまた燃え上がる青春。
動画にはっきりと残る青春。
そして曲の合間、はっきりと残る私の声。

「やばい、耳に汗入るーーー!!!!!」

暑かったね。汗かいたね。楽しかったね。

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