見出し画像

人を幸せにするということ

「幸せにしますんで」

彼は言った。私の親の前で。

漫画みたいな予想外の発言に、私は驚きびっくりで、コーヒーをすすることしかできなかった。

男が女を幸せにするなんていうことは、古い考えだと思ってた。

私は、私を幸せにするし。

なんなら私があなたを幸せにするぞくらいの勢いだったんだけど。
なんと彼も私を幸せにしてくれるつもりらしい。

普通に嬉しい。笑

私を幸せにしてくれるんだ。
私、幸せになれるんだ。

暗黒の月曜日を迎えても、私の心はふわふわしたまま。

それにしても、幸せにするってどういうことだろう???
思い返すと、正直、いま幸せ〜!と思った瞬間ってあんまりない。
いや、瞬間はある。パフェを頬張った瞬間とか。

でも、継続して「私、いま毎日幸せや」ってしみじみ思ったことってあんまりない。
なんか、私幸せです〜!っておおっぴろげて言っちゃいけないような気がしてる。

人生は苦労と成長の連続であるべき。という謎思想。
自分は自分で幸せにしなきゃいけない。

それも一理ある。と今も思ってる。

でも、「幸せにしますんで」って彼に言われた。
私以外の人が私を幸せにしてくれるということ?
私は幸せですって宣言していいってこと?
贅沢すぎない?甘やかされすぎでは?

誰かと一緒につくる幸せ。
誰かが私のためだけに運んできてくれる幸せ。
毎日つづく穏やかな幸せ。
たぶん、確かなそれを実感するのが初めてで、ふわふわ嬉しい。

人を幸せにするって、すごく無責任でかっこつけな言葉だと思うけど。

結局は、あなた一人で私の幸せは作れなくて。
きっと、2人で喧嘩もしながら作り上げていくものだと分かってるけど。

その言葉をもらっただけで、十分すぎる気がしてる。

あなたを幸せにするって約束してもらった時点で、その人はすごく幸せになってる。

これからは、自分の幸せを1人きりで作り上げなくてもいいのだという安心感。

今思うことは、たぶん、この人が隣にいるだけで私は嬉しい。
この人と家族になれることがすごく嬉しい。

私は私を幸せにするために、これからもあなたの隣にいつづける。

私もあなたを幸せにできるよう頑張るよ。

そんなことを思った皆既月食。
満月が赤くひかる秋の夜です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?