キャンプ場運営とはチームであり、最高のチームをつくるのがマネージャーの仕事
前職では会社の代表として組織を率いてきた浦辻さん。今では、キャンプ場を運営するチームを引っ張るマネージャーを担っています。スーツで働いていた時と比べて、違うのは服装や業務だけではなく、周りにいる仲間、チームの存在も大きいようです。
チームだからできること、チームに対して自分ができること、チームとして大切にしている想い。浦辻さんの仕事観とチームビルディング、キャンプ業界に対する熱い想いなど、たくさんお聞きしました。
――これまでのキャリアについて、教えてください。
浦辻:前職では不動産仲介会社の代表取締役をしていました。小規模のため、自身もプレイヤーとして営業をしながら社長業、経営管理と幅広く担っていました。不動産業界は、良くも悪くも売上至上主義な業界。売上という数字がすべての世界で、必死に数字を追いかけて走り続けていました。
――Recampへの入社のきっかけは何だったのでしょうか。
浦辻:不動産の仕事はやりがいもあったのですが、業界の特性と自分の考えとの間にズレが生まれ、それをストレスと感じ始めた時期がありました。やればやっただけ成果になり、会社も大きくなる。でも、生涯の仕事として自分にふさわしいのか。
そんな疑問を抱きながら、暇つぶし程度に、趣味だったキャンプに関わる会社を調べていた際に見つけたのがRecampでした。「ホスピタリティマインド」「ネイチャーマインド」というキーワードが印象的だったのを覚えています。目の前のお客様に、安心して自然を楽しんでいただく。売上や数字だけではなくお客様の満足度を追及する。ここなら、自分が追い求めたいことと重なるかもしれない。会社を経営している立場でしたが、自身の生涯の仕事として、漠然と憧れと希望を見出していました。
――Recampでは、どのような業務を行っていますか?
浦辻:2023年の12月より、RECAMP勝浦のマネージャーとして、施設運営管理やチームマネジメント、現地スタッフ採用などを担当しています。施設運営管理では、天候状況による営業可否判断や月次での営業状況の管理など、チームマネジメントでは個人目標の設定や進捗管理、また、経営方針をチームへ浸透することなどが具体的な業務です。
勝浦のコンセプトは“ホームステイ”としています。チームで、勝浦にいらっしゃるお客様について考えたとき、「お客様」という言葉に少し距離感があると感じました。もっと近しい存在と考えたとき、“家族”という言葉がしっくりきました。家族のように親しみと信頼をもって接したい。時には注意もするなど、愛をもって接したい。そのような想いから、“ホームステイ”にたどり着きました。
我々はホストファミリーとして、お客様をおもてなしするという関係性になります。そうしたうえで、お客様に勝浦でどのような体験をしてもらいたいか。その体験を経て、どのような気持ちで日常に戻っていただきたいか。“ホームステイ”という視点で、思い出を最大化するべく日々の運営業務を行っています。
――注力している業務はありますか?
浦辻:対お客様業務では、顧客体験を最大化するような施策づくりとしてコンテンツ企画や実装に注力しています。勝浦ではすでにメンバーが能動的に行っていたことなどもあったので、それらを吸い上げてコンテンツとして落とし込むことも行っています。
対社内業務では、個人目標の管理です。勝浦のコンセプトを軸に、各自がどのようなことをしていきたいかという希望と、施設としてのミッション、会社としての指示などをかけ合わせて設定しています。こちらも各々が自主的に動くマインドを活かしながら、ブレないよう方向性を示すことに注力しています。
――印象に残っている業務はありますか?
浦辻:スーツで働いていた頃と比べると、どの業務も目新しく印象に残っているのですが、4月にチームで大焚火台を作ったことは特に印象に残っています。その焚火台を使って焼きマシュマロイベントも開催したのですが、お客様アンケートでも「いい思い出になった!」というお声を多数いただくことができました。
勝浦には大きな焚火台はあったのですが、だいぶ古く経年劣化を感じる状態でした。ちょうど他のキャンプ場のSNSで見た焚火台が格好良く、「こんなの作りたいなぁ」と言い出したのがきっかけです。作りたいと思ってはみたものの、作り方も進め方もわからず、自分一人での完成は不可能でしたが、作業が得意なメンバーを中心に、チームみんなが積極的に動いてくれたおかげで完成しました。
前職では、営業から契約、数字づくりまで全部自分ひとりで完結できていましたが、キャンプ場の仕事は一人ではできないことのほうが多い。これもそのひとつで、キャンプ場運営はチームなんだと実感しました。チームが同じ方向を向いて積極的に動ける環境が大事で、その環境をつくるのがマネージャーの仕事だということも改めて感じました。
今回の焚火台づくりも、お客様の満足度を上げる体験を提供できたことはもちろん、チームが能動的に動けたこと、また何より一人ひとりが楽しみながら前向きに取り組めていたことが、個人的にもとてもよい取り組みだったと感じています。
――Recampで成長したと思うことは何ですか?
浦辻:これまでの仕事は、晴れでも雨でも、夏でも冬でも、天候や季節に関係なく数字を取りに行くことをしていました。一方でRECAMPでは、空模様や風向きなど、微妙な変化を捉えて安全面を考慮した動きが必要になります。自然に携わる仕事で重要な「天気を観る」ということを考えられているので、学びの途中ですが少しだけ身についているかなと思っています。
また、営業時代は自分の営業活動が売上のすべてでしたが、キャンプ場運営はさまざまな作業や行動が売上につながっています。例えば、施設の清掃や管理、物販の充足度や見せ方など、すぐに売上に直結するものではありませんが、どれかが欠けてもダメで。多岐にわたるさまざまな業務が、ひいては顧客満足度につながっているということがわかってきました。
引き合いに出してばかりですが、営業時代は数字さえつくっていればそれでよかったのですが、RECAMPではそれでは不十分であることも学びました。売上はもちろん大事なのですが、売上があっても顧客満足度が低ければ、長い目で見て施設は立ち行かなくなります。顧客満足度と売上を両立するには、先ほど挙げたようなお客様からは見えなくて、数字にも直結しない作業が、実は大事なんだと実感しました。
これまでの自分だったら見落としていたことが、顧客満足度に大きく影響してくる。小さな点と点をつないでいく仕事なんだと学びました。些細なことも見逃さないように、視点を磨く意識をしています。
――この仕事のやりがいは何ですか?
浦辻:キャンプ場運営の仕事ですが、私たちはお客様がキャンプ場で満足していただけるような体験プランやサービスを考え、提供しています。チーム全員で考え行動し、結果として(口コミなどの)反応があったときはやりがいを感じますね。
また、顧客満足度を上げるためのチームづくりもやりがいがあります。チームには社員はもちろん、パート・アルバイトさんも含まれていますが、パート・アルバイトさんたちから「ここは変えた方がいいです」と積極的に意見してもらえるのも嬉しいですね。雇用形態に関係なく、チーム全員で目標に向かって進めているいいチームだなと思うと、感慨深いです。
顧客満足度は、RECAMP全スタッフ共通の指標。ここに向かってひとりひとりが、チームが一丸となって追及できる環境と、少しずつですが結果として現れているこの状況にやりがいと、意義をとても感じています。
――逆に課題感は何でしょうか。
浦辻:季節による繫閑差があるのは想定していましたが、実際にやってみて、さまざまな事前準備が必要だということがわかりました。予測とそれを察知した動きが大切で、その経験を積んでいくことが課題です。自然はコントロールできないですが、予測することはできます。予測して、あらゆる施策を余裕をもってやっていければ、また違った体験を提供できるのではと考えています。勝浦のお客様が、RECAMP勝浦に期待していることも徐々につかめてきたので、その期待に応えられ続ける施設であるために、予測する能力を磨いていきたいです。
――今後の目標を教えてください。
浦辻:3つのフェーズにわけて目標を決めています。当面の目標は、自分がマネージャーとして担当する施設を、お客様に満足していただける施設にすることです。RECAMPでも満足度トップクラスの施設をつくりたいですね。勝浦は売上・満足度ともに上位の施設なので、勝浦に匹敵する施設とチームをつくることが当面の目標です!
その達成が見えてきたら、次は、チームのメンバーがマネージャーになれるよう育成したいです。どんどんマネージャーが育ってきたら、自分自身は、第一走者に追いつき伴走できるようなエリアマネージャーを目指し、Recampをもっと大きくしていきたいです。
その先は夢にも近いですが、Recampは「キャンプ場運営の達人になる」をミッションに事業を行っていますが、そこにもっと関わっていき、キャンプを文化にするために尽力していきたいです。最近では、キャンプブームの終焉などもつぶやかれていますが、ブームではなくて文化にしていきたい。それができる会社と信じているので、入社当初から実は胸に秘めていたこの目標の実現に向けて、Recampと一緒に走り続けたいと思います!
【編集後記】
どこか都会的な雰囲気を醸し出している、、、そんな第一印象の浦辻さん。
スマートで俯瞰的な視点を持っている方だなと思いながらお話を聞いていた矢先、ご本人からも「点と点を線でつなぐ」「些細なことも見逃さない」という言葉が出てきて「やっぱりそうだ!」と思わずニヤリ・・・何度もうなづいていました。
目の前の課題やテーマに取り組むときも、その先も見据えていたり、展開させることを考えていたり。その発展的な思考は、変化の絶えない自然とともにある仕事をするうえでも、一緒に働くスタッフひとりひとりに対しても、さまざまな可能性を広げていくことにつながっているのだと思います。
お名前のとおり、どこまでも続く、広い、海のような人でした。
取材日 :May.2024
取材・文 小野
編集 j.funakoshi
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