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いつものBBQをレベルアップ!お肉をおいしく焼くための3つのポイント 【中級】

BBQに欠かせないのがお肉。牛肉、豚肉、鶏肉、ラム肉…はりきって用意したお肉をうっかり焼き過ぎてしまった!や、生焼けでがっかり…という経験はありませんか?そんな失敗も楽しい思い出になるのがBBQの素晴らしいところ。でもせっかくならおいしく楽しみたいですよね?
そこで、今回はヒーローおすすめ「厚切り肉をおいしく焼いておいしく食べる方法」をBBQの達人・天田さんに伺いました。

これを知っていれば、いつものBBQがグッとレベルアップすること間違いなし!牛肉以外の場合や、家庭でのお料理にも応用できるお役立ち情報もお聞きしています。

BBQの達人:
天田 満美(あまだますみ)
R.projectグループBBQ事業
所属:株式会社ヒーロー 本部 広報|マーケティングディレクター


■「お肉の下準備」で焼き上がりが大きく変わる

天田:お肉をおいしく焼くためには下準備をしっかり行うことが大切です。

まずは、お肉を冷蔵庫やクーラーボックスから取り出して20~30分ほどかけて常温に戻します。お肉の中心部が冷えたままだと熱が伝わりにくく、表面の焼き過ぎや焦げの原因にもなります。常温=気温ではないので注意してください。屋外での作業時にはくれぐれも食材を直射日光に当てて放置しないように!

常温に戻したお肉からはドリップが出ます。ドリップは余分な水分なので、キッチンペーパー等で丁寧に拭き取ります。このとき、ドリップの量が多い場合、軽く塩をして少し時間をおいて、さらにドリップを出してください。ドリップを丁寧に拭き取ることで肉の臭みが抑えられます。
ドリップを拭き取ったら、今度はオリーブオイルをお肉の表面に塗ります。オイルでコーティングして表面の乾燥を防ぎます。ここまでの工程は、水分量を調整して潤いを保つ…お肌のケアと同じイメージですね(笑)。

最後に塩やシーズニングでお好みの味付けをしてください。
少しの手間と時間をかけるだけでお肉の焼き上がりは変わります。


Q.この下準備は牛肉だけじゃなく、豚肉や鶏肉、他のお肉にも共通ですか?

天田:基本は同じです。鶏肉の場合、ドリップは衛生上の理由からも必ず捨てて拭き取ること、後は皮をパリパリに焼きたくて皮目にオリーブオイルを塗らないという方もいらっしゃいますが、オリーブオイルを塗ってもパリッと焼くことはできます。シーズニングの接着剤的役割も果たしてくれるので、オリーブオイルは塗ることをおすすめします。
ちなみに、お家でお肉を焼くときも同じように下準備をするといいですよ。厚さが5センチを超えるような塊肉は前日のうちにシーズニングまでして冷蔵庫で保管しておくと味が中までしっかり染み込むので、是非試してみてください。

Q.お肉が冷凍の場合に気を付けることはありますか?

天田:冷凍状態のお肉は流水ではなく冷蔵庫でゆっくり解凍してあげるとドリップや味の劣化も少なくなります。

Q.以前楽しみにしていたお肉が火に包まれて大変なことになったことがあるんですが、オリーブオイルを塗るとお肉に火が燃え移るといった心配はないですか?

天田:大丈夫です。お肉の脂身が燃えることはありますが、オリーブオイルでコーティングをすることで逆にお肉に火が付くのを防ぐこともできます。長時間かけて調理をする場合はできるだけ間接火になるように、食材の真下に火が来ないようにしてあげると、より炎上を防ぐことができます。

■「火加減と温度」火力よりも温度に注目!

天田:ある程度厚みのあるお肉を焼くときは、蓋付のグリルがベストです。蓋をして高温予熱することで、食材を焦がさず中まで均等に焼くことができ、また調理時間も短縮されます。

お肉の下準備をしている間にBBQグリルに火をつけておいて、グリルの温度が250度に達したら片面ずつ焼いていきます。炭火の場合は、火が立ち上がっていない、一部が白くなっている炭(中火~弱火)が理想です。「しっかりと温まった状態で常温に戻したお肉を焼く」ことが重要なポイントです。また、このときお肉は頻繁にひっくり返さず、まずは表面をしっかり焼き付けておいしさをギュッと閉じ込めます。

おおよその焼き時間は、片面2~3分、合計で5分程度です。芯温計があればお肉中心部の温度を確認することも簡単ですが、無い場合は、お肉の表面が、親指と人差し指で輪っかを作ったときの親指の付け根の弾力と同じくらいなら、ミディアムレアの状態、というのをひとつの目安にしてください。とはいえ、指先の感覚とトングで触ったときの感触ではわかりづらいと思いますので、はじめのうちは火傷に注意しつつ、指で直接お肉を触ってみてください。ちなみに、網に対して斜めにお肉を置くと焼き上がりが美しく、見た目のおいしさも増しますよ。(網の種類により異なります)

Q.蓋は絶対に必要ですか?

天田:はい。蓋があることで温度を安定させることができ、柔らかく仕上がります。蓋がない場合はアルミの容器などで代用しても大丈夫です。
お家でお肉を焼くときもフライパンに蓋をすると良いんですけど、密閉状態で空気の逃げ道が無いと湯気が出て水っぽくなることもあります。そのため、温度がキープできて湯気も逃がすことができる魚焼きグリル(IHグリルを除く)がおすすめです。ただ、受け皿に直接お肉を置くタイプの場合、焼いている間にお肉から出てくる脂に引火しないように、焼いている途中で脂を取り除きながら焼いてください。

Q.牛肉以外の焼き時間は?

天田:あくまでもBBQの際の目安ですが、豚肉は約1.5倍(片面3.5~4.5分)、鶏肉は約2倍(片面5~6分)と覚えていてください。

■「焼き上がり」は、はやる気持ちを抑えて・・・

天田:お肉が焼けたら、アルミホイルに包んで3~4分休ませます。じっくり余熱で仕上げることで、肉汁が閉じ込められ、ジューシーなお肉の完成です!
後は、食べやすくカットすれば、ほんのりピンクの断面が現れてまた食欲をそそります。薄切りにするとローストビーフのようにもなるので一度試してみてださい。

一連の流れはherofield.comの「BBQ&CAMP お役立ちリスト」ページでもご紹介していますので、是非参考にしてください。

Q.お肉が焼けたらすぐに頬張りたくなりますが、熱々のお肉よりも少し寝かせたほうが良い?

天田:気持ちはわかります(笑)。完全に加熱してしまうのではなく、お肉の熱でお肉を仕上げるイメージです。そうすることで余計な加熱を防ぐことができ、お肉が柔らかく焼きあがります。また熱々の状態でお肉をカットすると肉汁が流れ出してしまいますが、少し落ち着かせることでおいしい肉汁を逃すこともありません。

■もっとBBQを楽しむために

Q.今回はお肉の焼き方をお聞きしましたが、野菜をおいしく焼くコツもありますか?

天田:まるごと焼く!です。そうすることで水分や栄養を逃さず、野菜本来の味を引き出すことができます。
カットして焼く場合は、お肉と同様に先にオリーブオイルとシーズニングをしておくと余分な水分を逃さず短い時間で焼き上げることができます。

Q.おすすめのBBQグリルはありますか?

天田:ヒーローでは、Weber(ウェーバー)を使用しています。BBQの本場アメリカでもっともポピュラーなブランドですが、チャコールグリル、ガスグリル、電気グリルが揃っていること、すべてのグリルに蓋が付いているのも特徴です。蓋を閉じて熱を循環させることで、食材に火が均等に通り、食材の表面には香ばしい焼き目がつき、中はジューシーに仕上がります。

日本のBBQは焼肉のように、網にのせたお肉のお世話をしながらというスタイルが多くなりますが、アメリカンBBQは、グリルのなかに食材を入れて焼きあがりを待つガレージバーベキューのスタイルなんです。蓋つきのグリルは、焼きあがった食材の保温と保湿ができるので、のんびり楽しめます。
仮に食材の表面が焦げたとしても、焦げたところを取り除いて中のおいしいところを食べればいい!という合理的な考えもアメリカっぽいですよね(笑)。


<編集後記>

開放感と非日常感が味わえるBBQ。これまで数々の失敗を繰り返し、その都度笑い話にしてきましたが、このお話を伺った直後のBBQでは、塊肉に初挑戦すると同時に、以前大失敗に終わったラムチョップに再挑戦し、いずれも大成功!おいしくお肉を焼くことができました。

そのまま焼いて炎に包まれ真っ黒になった失敗例 → 柔らかく焼き上げることができた成功例

下準備は思った以上に簡単で、いずれも手間だと感じることはなく、蓋はアルミの容器で代用。正直「たったこれだけのことでこんなに違うの?」くらいの驚きがありました。
唯一難しかったのは、すぐにお肉を触りたがる、直火で焼きたがるメンバーを制止することでした…


取材・文:j.funakoshi
取材日 :Sep.2023


【R.projectグループ バーベキュー事業紹介】


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