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『稲盛和夫一日一言』 3月2日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 3月2日(土)は、「六つの精進 ②」です。

ポイント:心を磨く指針として大切なものが「六つの精進」
     精進ー3.反省ある毎日を送る
     精進ー4.生きていることに感謝する

 2010年発刊の『六つの精進』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、「六つの精進」について素晴らしい人生をもたらすものとして、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 精進ー3 「反省ある毎日を送る」

 一日が終わったとき、その日を振り返り、反省をするということは、とても大切なことです。今日は人に不愉快な思いをさせなかっただろうか、不親切ではなかっただろうか、傲慢ではなかっただろうか、卑怯な振る舞いはなかっただろうか、利己的な言動はなかっただろうかなどと一日を振り返り、人間として正しいことを行ったかどうかを確認する作業が必要です。

 自分の行動や発言に、もし反省することが少しでもあれば、改めていかなければなりません。そのような反省のある毎日を送ることで、人格、魂も磨かれていきます。

 素晴らしい人生を送るためにも、日々反省をし、自分の心、自分の魂を磨くことはたいへん大事なことです。一生懸命に働くということと同時に、この反省をするということを毎日繰り返していけば、あなたの魂は純化され、美しい魂、よい魂へと変わっていくはずです。

 私も若いころには、ときに傲慢になることがありましたので、日課のようにして反省を繰り返してきました。もちろん、毎日できていたわけではありませんが、気がついたときに反省をするということを繰り返してきたのです。

 自分の悪い心、自我を抑え、心の中に自分が持っている良い心を芽生えさせていくという作業が、「反省をする」ということです。
 良い心とは、心の中心にある「真我」、つまり「利他の心」です。他を慈しみ、他に善かれかしと思う、やさしい思いやりの心です。
 それに対して、「自我」とは、自分だけよければいいという「利己的な心」、厚かましい強欲な心のことです。

 今日一日を振り返り、今日はどのくらい自我が顔を出したのかを考え、それを抑え、真我、つまり利他の心が出るようにしていくことが「反省」という作業なのです。

 精進ー4 「生きていることに感謝する」

 自明のことですが、人はけっしてひとりでは生きていけません。空気、水、食糧、また家族や職場の仲間、さらには社会など、人は自分を取り巻くあらゆるものに支えられて生きています。いや、生かされているのです。

 そういうふうに考えたとき、健康で生きているのであれば、そこには自然と感謝の心が出てこなければなりません。感謝の心が生まれてくれば、人生に対する幸せを感じられるようになってくるはずです。
 生きていること、いや、生かされていることに感謝し、幸せを感じる心によって、人生を豊かで潤いのある素晴らしいものに変えていくことができると、私は信じています。

 不満を持って生きるのではなく、現状をあるがままに感謝し、さらなる向上をめざして一生懸命に努力をする。そのためにも、まず生かされていることに感謝し、自分を取り巻くすべてのものに「ありがとうございます」と感謝する毎日を送るべきだと思います。

 しかし、感謝の心を持てと言われても、なかなか簡単にできるものではありません。私も若いころは、嘘でもいいから「ありがとうございます」と感謝することが大切だと、自分に言い聞かせていました。嘘でも「ありがたい」と自分に言えば、気持ちも少しは楽になりますし、心も明るくなってくるはずです。

 そして、自分の心を素直に表し、「ありがとうございます」と感謝の念を口に出せば、それを聞いた周囲の人々はよい気持ちになってくれて、和やかで楽しい雰囲気がつくり出されていきます。
 逆に、不平不満の鬱積(うっせき)したとげとげしい雰囲気は、自分を含めた周囲の人々にも不幸をもたらしていくと思います。

 どんな些細なことに対しても感謝をする心は、すべてに優先する大切なものであり、「ありがとうございます」という言葉は、大きな力を持っています。
 この言葉は、自分自身を気持ちのよい素晴らしい境地へと導いてくれるとともに、それを聞いた周囲の人々をもやさしいよい気持ちにする万能薬なのです。
(要約)

 今日の一言には、「③反省ある毎日を送る:日々の自分の行動や心のありようを点検し、自分のことだけを考えていないか、卑怯な振る舞いはないかなど、自省自戒(じせいじかい)して、改めるよう努める。
④生きていることに感謝する:生きているだけで幸せだと考えて、どんな小さなことにも感謝する心を育てる」とあります。

 京セラフィロソフィを学ぶ中で実感してきたのは、「善きことを思い、善きことを実行すれば、運命はよい方向へ変わる」ということです。
 悪しき心を抑え、善き心が伸びるようにする。常日頃から、反省をする人なのか、そうでない人なのかによって、その人の人生は決まってくるのではないでしょうか。

 また歳を重ねるごとに、「生きている、生かされていることに感謝する」機会が増えてきたように思います。毎月のようにお参りしている霧島神宮では、「今日も元気にお参りすることができました。どうか、天寿を全うできますように・・・」と手を合わせている自分がいます。

 人間として素晴らしい人生を生き抜いていくためにも、「六つの精進」を重ねていければと思っています。

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