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『稲盛和夫一日一言』 12月29日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12月29日(金)は、「苦しみの先にある喜び」です。

ポイント:仕事における喜びは、苦しさやつらさの中からにじみ出してくるもの。仕事の楽しさとは、苦しさを超えたところに潜んでいる。

 2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、仕事の楽しさについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 物事を成就させ、人生を充実させていくために必要不可欠なことは「勤勉」です。すなわち、懸命に働くこと、まじめに一生懸命仕事に打ち込むことです。そのような勤勉を通じて、人間は精神的な豊かさや人格的な深みを獲得していくのです。

 私は、人間がほんとうに心からの喜びを得られる対象というものは、仕事の中にこそあると思っています。そういうと、「仕事一筋では味気ない。人生には趣味や娯楽も必要ではないか」といった反論が返ってくるでしょう。

 しかし、趣味や遊びの楽しさとは、仕事の充実があってこそ味わえるもので、仕事をおろそかにして趣味や遊びの世界に喜びを見い出したとしても、一時的には楽しいかもしれませんが、決して心から湧き上がるような喜びを味わうことはできないはずです。

 もちろん、仕事における喜びは、飴玉(あめだま)のように口に入れたらすぐに甘いといった単純なものではありません。
 「労働は苦い根と甘い果実をもっている」という格言もあるとおり、それは苦しさやつらさの中からにじみ出してくるもの。仕事の楽しさとは、苦しさを超えたところに潜んでいるものなのです。

 だからこそ、働くことで得られる喜びは格別であり、趣味や遊びでは決して代替できるものではありません。まじめに一生懸命仕事に打ち込み、つらさや苦しさを超えて何かを成し遂げたときの達成感。それに代わる喜びはこの世にはないと思います。

 人の営みのうち、最上の喜びを与えてくれる労働において、あるいは人生の中でもっとも大きなウェイトを占める仕事において、充実感が得られない限り、他の何かで喜びを得たとしても、私たちには結局物足りなさしか残らないはずです。(要約)

 2009年発刊の『働き方』(稲盛和夫著 三笠書房)で、「何のために働くのか」ということについて、名誉会長は次のように述べられています。

 何のために働くのか。
 もちろん、「生活の糧を得る」ことが、働くということの大切な理由の一つであることは間違いありません。ただ、私たちが一生懸命に働くのは、そのためだけではないはずです。

 人間は、自らの心を高めるために働く ー 私はそう考えています。
 「心を高める」ということは、お坊さんが厳しい修行に長年努めてもできないほど、たいへん難しいことなのですが、働くことには、それを成し遂げるだけの大きな力があるのです。
 働くことの意義は、そこにあります。日々、一生懸命に働くことには、私たちの心を鍛え、人間性を高めてくれる、素晴らしい作用があるのです。
(要約)

 年末ジャンボ宝くじは、1等・前後賞合わせて10億円という超豪華賞品が魅力の宝くじですが、日本で過去に一度でも宝くじを購入したことのある人は約8,572万人、また直近1年間に1回以上の購入経験がある人は約5,005万人と推定されています。(宝くじ公式サイトより引用)

 御多分にもれず、かくいう私も年末恒例行事の一環として購入しました。そして、12/31の当選発表まであれこれ思いを巡らすのは、「10億円当たったらどう使おうか?」「1等(7億円)や1等前後賞(1億5,000万円)は無理でも、2等(1,000万円)、せめて3等(100万円)ぐらい、何とか当たってくれないかなあ・・・」といったとりとめのない妄想?です。

 「悪銭身に付かず」「あぶく銭は身に付かない」といったことわざがありますが、「悪銭」を辞書で引くと、「盗みやギャンブルなどで手に入れた金、宝くじや競馬など公営とされている博打(ばくち)で得たお金も悪銭とみなされる」とありました。
 つまり、「お金とは汗水垂らして働いて得るもの」と定義されているということです。

 仕事に懸命に打ち込むという行為そのものが、私たちの人間としての基礎をつくり、人間性、人格を磨いていくための修行となる。
 そう信じて、あぶく銭目当ての「取らぬ狸の皮算用」に時間を取られることなく、1年無事に働き続けることができたことへの感謝の気持ちを込めて、職場や自宅、せめて自室だけでも大掃除を済ませて、新たな年を清々しい気分で迎えたいものです!


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