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『稲盛和夫一日一言』 3月30日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 3月30日(土)は、「夢は人生の飛躍台」です。

ポイント:人格は、夢を描き、創意工夫を重ね、ひたむきに努力することを通じて磨かれていく。夢や思いは、人生のジャンプ台。

 2015年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第1巻 技術開発に賭ける』(稲盛和夫著 ダイヤモンド社)の中で、強く持続した願望を抱くことが創造の成功につながるとして、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 京セラは創業時から今日まで、「新しいものを手がける」ということで成長してきました。そのため、新しいものを創造していくことが企業体質となり、新しいものをつくらなければ企業の発展はないというのが、経営における基本姿勢となっています。

 創造するということは、いわゆる世の中にない新しいものをつくるということです。しかし、私が「創造」と言った場合、それは単に空想するということとは意味が異なります。
 もちろん、ロマンティズムを感じる人でなければ、とても空想という意味での想像もできませんし、クリエイティブな想像もできないだろうと思います。そういう意味では、創造とはまさに「夢を描く」ということであり、際限もなく自分の夢を描けることが、創造の始まりだろうと思います。

 では夢を描いていく場合に何が大事かというと、それは夢を描く人、およびその集団が、夢を描いて実現をしていこうと努力をするときに、「実現する可能性があるのだ」と信じることです。自分でもできもしないと思っている空想をいくら練ってみても、まったく意味がありません。
 空想を練っている人、夢を描いている人、次から次からと夢に思いをはせる人は、夢の実現はとても難しいことのように見えるけれども、できる可能性があるのだということを信じていなければなりません。

 例えば、会議の場で空想や夢を語り合っている場合でも、実現不可能だと思いながら発言しているようでは困ります。会社や組織の中で、仲間たちと一緒にチームワークを組んで取り組んでいけば、必ずできそうだと信じていなければなりません。

 創造するにあたっては、そうしたことが前提条件として挙げられると思います。夢を描く場合、「成功できそうだ」「ものにできそうだ」と信じていなければ、真剣に取り組むこともできないでしょう。
 「一応やってはみるけど、結果がどうなるかまではよくわからない」と言っているようでは、決してうまくいきません。「やってみなければわからないのだから、とりあえずやってみよう」という程度では、できない可能性のほうが高くなります。


 何か物事を創造し、それに賭けていく場合には、それに取り組む人々が、必ずできると信じていることが最も大切なことなのです。(要約)

 今日の一言には、「いくつになっても夢を語り、明るい未来の姿を描ける人間でありたい。夢を抱けない人に、創造や成功がもたらされることはないし、人間的な成長もない」とあります。

 別の講演の中で、名誉会長は次のようにも言われています。

 私は時々、「どのような事業をすればいいのかわかりません。何かいいアイデアはありませんか」といった相談を受けるのですが、世の中には、新しい事業を起こせるだけのアイデアは、いくらでもあると思います。

 しかしそのアイデアを形にできるかどうかは、「その人が、自分の人生や事業に対して、どれだけの夢を描ける人であるのか」ということにかかっていると思います。

 私は、不景気で仕事量が激減したときも、社員に向かって「事業をやっていれば、好不況の波は必ずある。今こそ、われわれの夢を育てよう。われわれには、素晴らしい夢やロマンがある。いろいろな可能性があるのだから、みんなも一緒に考えてほしい。希望に燃えながら、それを一つひとつ実現していこうではないか」と訴えてきました。

 どんな仕事も、決して傍から見るほど楽ではありません。その中で、社員に夢とロマンを与えられる経営者でなければならない、と私は思っています。(要約)

 「夢や思いは、人生のジャンプ台」
 すでに人生の第四コーナーを回っている私ですが、いくつになっても夢や熱い思いを持ち続けてさえいれば、そう簡単に心が朽ちることはないだろうと信じています。


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