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『稲盛和夫一日一言』4/12(水)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 4/12(水)は、「原理原則に従う」です。

ポイント:「原理原則」に基づくということは、人間社会の道徳、倫理といわれるものを基準として、人間として正しいことを正しいままに貫いていこうとすること。

 1989年発刊の『心を高める、経営を伸ばす』(稲盛和夫著 PHP研究所)の中で、原理原則に基づいて判断し行動していくことの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 常に、原理原則を基準として判断し、行動していかなければなりません。
 とかく陥りがちな、常識とか慣例などを例に引いた判断行動があってはなりません。常識や経験だけでは、新しいことに遭遇した場合、どうしても解決がつかず、そのたびにうろたえることになるからです。

 かねてから原理原則に基づいた判断をしていれば、どんな局面でも迷うことはありません。

 原理原則に基づくということは、人間社会の道徳、倫理といわれるものを基準として、人として正しいことを正しいままに貫いていこうということです。人としての道理に基づいた判断であれば、時間、空間を超えて、どんな環境でも通じていくものです。そのため、このような判断基準を常に持っている人は、未知の世界に飛び込んでも、決してうろたえたりはしないのです。

 新しい分野を切り開き、発展していくのは、豊富な経験を持っているからではありません。常識を備えているからでもありません。人間としての本質を見すえ、原理原則に基づいた判断をしているからです。(抜粋)

 また、京セラフィロソフィ手帳の「原理原則にしたがう」の項には、次のようにあります。

 京セラでは創業の当初から、すべてのことを原理原則にしたがって判断してきました。会社の経営というものは、筋の通った、道理に合う、世間一般の道徳に反しないものでなければ決してうまくいかず、長続きしないはずです。
 我々は、いわゆる経営の常識というものに頼ることはしません。「大抵の会社ではこうだから」という常識に頼って安易な判断をしてはなりません。
 組織にしても、財務にしても、利益の配分にしても、本来どうあるべきなのか、ものの本質に基づいて判断していけば、外国においても、また、いまだかつて遭遇したことのない新しい経済状況にあっても、判断を誤ることはありません。

 事実、バブル崩壊の際にも、この原理原則に従うという考え方で対処していたため、京セラが想定外の不利益を被ることはありませんでした。

 今日の一言には、「人間の道理に基づいた判断であれば、どのような状況においてもそれは受け入れられる」とあります。

 「原理原則に従う」というと、何か堅苦しく感じて、「そんな難しそうなものを判断基準にしないといけないの?」といった反発もありそうですが、「社会的な道徳や倫理、また自分の良心に従って、人間として正しいことを正しいままに貫く」ことだともっとシンプルにとらえてみる。
 そうすることによって、「毅然とした姿勢を失うことなく人生を生きていきましょう」ということだと考えれば、自分の判断、行動の基準としていくこともできるのではないでしょうか。


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