見出し画像

『稲盛和夫一日一言』1/26(木)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/26(木)は、「人生というドラマ」です。

ポイント:人生とはドラマであり、その主役を演ずるのは自分。そこでは、一生かけてどういうドラマを描くのかが問われている。

 2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、「自分の人生をどうプロデュースするか」ということについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 人生とはドラマであり、私たち一人ひとりがその人生の主人公です。それだけでなく、そのドラマの監督、脚本、主演、すべてを自分自身でこなすことができる。また、そのように自作自演で生きていくほかはないのが、私たちの人生というものです。
 ですから、何より大切なことは、自分の人生ドラマをどのようにプロデュースしていくか。一生をかけて、どのような脚本を描き、主人公である自分がそのドラマを演じて(生きて)いくかということです。

 真剣さや熱意に欠けた、怠惰で弛緩した人生を過ごすほど、もったいないことはありません。人生というドラマを中身の濃い、充実したものにするためには、一日一日、一瞬一瞬を「ど」がつくほど真剣な態度で生きていくことが必要になってくるのです。
 いつも燃えるような意欲や情熱をもって、その場そのとき、すべてのことに「ど真剣」に向き合って生きていくこと。その積み重ねが私たち人間の価値となって、人生のドラマを実り多い、充実したものにするのです。

 そのど真剣な熱意がなければ、いかに能力に恵まれ、正しい考え方をしようとも、人生を実り多きものにすることはできません。いくらすぐれた緻密な脚本をつくろうとも、その筋書きを現実のものとするためには、「ど真剣」という熱が必要なのです。(要約)

 この「ど真剣」という言葉は、京セラではどの職場でも日常会話に出てくるほど、誰もが自分の心の中に留めているフィロソフィ用語のひとつです。
 「誰にも負けない努力」が、いったいどれほどの努力なのか分からないように、「ど」がつくほどの真剣さというのも、客観的に判定できるようなものではありませんから、単なる自己満足で終わることのないように、日々心掛けを新たにしなければそうそうできることではありません。

 今日の一言には「運命は生まれたときから決まっていると言われるかもしれない。しかし、自分の心を高めていくことによって、運命をも変えることができるはずだ」とあります。

 哲学者、思想家の安岡正篤先生は、自分の力では如何ともし難いものを「宿命」、自分の力で変えることのできるものを「運命」と定義されています。そして運命は、「命を運ぶ」と書くことからも分かるように変えることができるものだと説かれています。

 その運命を変えるためには、「尽心(じんしん)」「知命(ちめい)」「立命(りつめい)」という自己維新のプロセスを踏むことが必要です。
 「尽心」とは、心を探究して本来の自己を自覚することで、「自得(じとく)」とも言われます。それによって天から与えられた使命を知る「知命」、さらにそれに基づいて自分の運命を創造する「立命」が可能となります。

 自分はいかなる使命を持ってこの世に生まれてきたのか、またそのためにどのような才能や能力を天から与えられたのか、ということを自覚する。
 つまり、己を知り天命を知ることで初めて、自身の運命をも変えることのできる「立命」のステップに到ることができる。

 自分を知ることは容易ではありませんが、いくつになっても知ろうとする努力を継続していけば、いつかは「尽心」「自得」の境地に到達することができ、やがて「天命」「立命」へと進む手がかりをつかむことも可能となるのではないでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?