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らんま1/2の元ネタは?高橋留美子作品と石立鉄男ドラマの関係性について~日本のラブコメの歴史~



★日本のラブコメディの発展の歴史



ハーレムラブコメの元祖といえば、高橋留美子作品が有名だがその前のルーツは何なのだろうか?

好きな漫画家は手塚治虫と永井豪だそうで。シリアスなストーリーは手塚治虫先生。ギャグぽい演出は永井豪先生の影響を受けてるようです。ボーイッシュなキャラはモロ永井豪作品の影響ですね。あとがきデカも好きだったらしくボケツッコミの応酬は関西人の山上たつひこ先生の影響が大きいです。作家では筒井康隆さんが好きだそうでSF的なところは影響を受けています。
絵柄もデビュー直後は思いっきり手塚治虫タッチで目の描き方が似てます。

有名なのは

・うる星やつら
・めぞん一刻
・らんま1/2
・犬夜叉
ですが


ではその前のラブコメの元祖と言えばなんなのかと言えば1970年に作られた元祖ラブコメドラマ「おくさまは18歳」に当たります。ハーレムラブコメドラマの元祖と言われています。日本にはホームドラマはあってもラブコメディがなかった。お話は教師の高木哲也と生徒の飛鳥が結婚、しかし校長の命令で世間に秘密にしなければならずバレたら学校から追放される。何も知らない女教師、女生徒が石立鉄男演ずる高木先生に猛アタック、妻の高木飛鳥は正体がバレては学校を退学になるので、嫉妬しながら四苦八苦する物語。斬新な設定が受けて大ヒット作となり視聴率が平均30%だったそうです。
漫画が原作ですが漫画はそこまでコメディーではなく普通の少女漫画なので、脚本家の佐々木守がアメリカの大ヒットコメディドラマ「奥様は魔女」などを参考にマンガに脚色を加えたようです。
ここから石立鉄男と岡崎友紀がスターになってきました。当時はラブコメディという言葉がないので「思春期ドラマ的なライトコメディ」と佐々木守が呼んでいたようです。
(アマゾンプライムで追加料金を払うと見れます。)
ちなみにアイデアが秀逸で何度もリメイクされてます。僕が見たのは森脇健児&高橋由美子バージョンでした。


この作品のヒットから似たような設定のラブコメドラマがどんどん作られるようになってきてこの次に石立鉄男主演で作られたのが俳優石立鉄男と脚本家松木ひろし、作曲家大野雄二が組んだ日テレのユニオン映画ドラマシリーズ。
石立鉄男主演&松木ひろし脚本ドラマの基本的なストーリーは石立鉄男演ずる主人公はそれほどイケメンでは無いが何故か女性にモテモテ。血のつながらない男女(石立鉄男演ずる主人公とヒロイン)が訳あって同居。最初は犬猿の仲だがケンカをくり返しながら結ばれていくというパターン。もう一つのパターンは諸事情で同居したヒロインが石立鉄男演じる主人公にベタボレだが主人公はそれを鬱陶しく嫌っているがやがて想いに気づいて2人は結ばれるパターン。

石立鉄男ユニオンドラマとは?
今から50年前1970年代にユニオン映画が制作したドラマシリーズ通称「石立ドラマ」
吉川斌プロデューサー、松木ひろし脚本、石立鉄男主演、大野雄二音楽で
喧嘩っ早くて実は人情家の石立鉄男を演じる主人公がトラブルを巻き起こすホームラブコメディー。
映画会社の日活が倒産してスタッフが流入してきたのでクオリティは高いです。

これより前にはそういう作品はなかったので、これが元祖だと思ってよろしいでしょう。脚本家の松木氏が「アメリカのシチュエーションコメディを日本でやってみたい。顔は二枚目なんだけど三枚目の演技が出来る俳優を探した。そこで「おくさまは18歳」でブレイクした石立鉄男を抜擢した。」と言っています。
これだけでもよく似てると石立ファンは言っていたのですが決定打に欠けてました。
たまたま似た可能性もありますからね。
あとうる星やつらが78年スタートで同じ年に半年くらい早く柳沢みきお先生の翔んだカップルもスタートしてます。
こちらも映画化もされたヒット作で血の繋がらない男女が諸事情で同居するラブコメでした。「翔んだ」「翔んでる」が流行語にもなりました。
最近Amazonプライムで石立鉄男ユニオンドラマ作品が全て見れるようになり、高橋留美子作品もアプリで見れるので
似てそうな作品を探してみました。


★「らんま1/2」と「雑居時代」「おひかえあそばせ」「気まぐれ天使」との比較

「らんま1/2」乱馬とあかね。
親の約束で許嫁に。

「雑居時代」あらすじ
外交官・大場鉄也と栗山は親友同士。ア大場がアフリカのケニンゴへ赴任するにあたって家屋を友人の栗山に格安で譲った。中年のサラリーマン・栗山は妻は死去、子供は娘ばかり5人という家庭。そこに大場の一人息子で勘当されているカメラマンの十一が住む家がなくなり同居することになる。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%91%E5%B1%85%E6%99%82%E4%BB%A3

らんま1/2あらすじ
武道の修行に励む若き天道早雲と早乙女玄馬は友人同士、将来子供が出来たら結婚させようと約束する。そして時は流れ早乙女玄馬と息子の乱馬が中国で武道の修行を終え帰国するが諸事情で住む場所がない。天道早雲は心よく自宅に招き入れ住んでいいと言う。早雲には三人の娘がいた。早乙女親子は居候することになるが実は秘密があった…。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%89%E3%82%93%E3%81%BE1/2

共通点として

・父親同士が親友で片方の父親Aに長男Aがいてもう 片方の親友Bが複数の姉妹がいる。

・父親と長男は不仲。

・訳あって長男Aが姉妹がいる方の父親Bの家に同居することになる。

・娘を持つ方の父親Bが自分の娘の誰かが親友Aの息子Aの嫁になって欲しいと願っている。(らんま1/2の方は許嫁の契りという設定、雑居時代のほうは父親が主人公に惚れ込んでという設定の違いがあります。)

・らんま1/2の天道3姉妹、雑居時代の栗山5姉妹のキャラクター配置が似ている。

らんま1/2は

長女かすみ・天然でおっとり母親がいないので、母親の代わりを勤めている。

次女なびき・クールで冷めてる現実主義者。守銭奴で金儲けのことをいつも考える。

三女あかね・がツンデレで気が強く、格闘技が得意。いつも主人公らんまと喧嘩で料理が下手だが実は心優しいラストでらんまと結ばれる。

雑居時代は

長女・春子が天然でド近眼でヒステリー。

次女・夏代がツンデレで気が強く男嫌い、詩を書くのが趣味。
主人公大場十一(じゅういち)といつも喧嘩している。最後に結ばれる一家の母親代わり家事は得意。

三女・秋枝がクールで冷めてる現実主義者。空手と居合の達人で切れると日本刀を振り回す。喫茶店のオーナーを任される。

四女・冬子が現代っ子の大学生設定で料理がド下手。

五女・あまりが20歳くらい離れた小学生。実は出生の秘密が。


この辺の設定を合体させたり、分解しさせたりして人数を減らしたので在りましょう、そして余った設定を、らんまのライバル男性キャラに振り分けた。

・木刀を振り回す九能帯刀
・ド近眼のムース
・・・など

「雑居時代」の長女春子、ド近眼でよく人を間違える。
「らんま1/2」のムース、こちらもド近眼で人の勘違いが多い。

動画です。ド近眼で天然ボケでよく人を間違えるのがよくわかる。

「雑居時代」は「おひかえあそばせ」のリメイクなのですが
「おひかえあそばせ」は石立ドラマの第一作で1971年に制作
前書きにも書きましたが日本のコメディに新しい風を吹かせようと松木ひろし氏が脚本を書いたのですが作品としては成功作とは言えず原因として話数が13話と少ないので書き込みが浅く梅子と菊枝が主人公を好きになった動機や姉妹が多すぎてうまく機能してない、主要キャストがスケジュールの都合で途中からいなくなるなど残念な部分が多く、上手く作品として機能してきたら約束の1クールが来て終わってしまった。
それが数年後のリメイクのきっかけと言われています。元々巨人戦ナイターの雨傘番組(雨で中止になった時の保険の番組。)で好きに作れたらしいです。
途中から薫役の石立鉄男の二枚目半の演技がこなれてくるのが面白いですね。

「おひかえあそばせ」あらすじ

定年を控えた池西猪太郎は、狭い団地に娘5人と一緒に暮らしていたが、退職の日に、「フランスに移住するため、一軒家を格安で売りたい」というバイオリニスト・小早川を紹介され、さっそく退職金で購入することに。ただ、この売買には、小早川の子供である薫の部屋だけはそのままにして欲しい、という条件があった。猪太郎は薫を女性だと思い込みその条件を呑むが、いざ引っ越してみると、薫というのは実は若い男性で、身だしなみを気にしないむさ苦しい風貌の社会派カメラマンだった。これを知り娘たちは一斉に反発する。しかも、一家を切り盛りしている次女の梅子は、大の男嫌いだった。四女の菊枝も偶然に街で薫と喧嘩した因縁があり、家の中は早くも険悪な状態。さらに三女のすみれは柔道の有段者で薫の姿を見るたびに投げ飛ばす。泣き虫の五女・あやめや生意気盛りの末っ子・つぼみを加えた5人娘を薫は「女アパッチ」と呼び、お互い反目しつつ暮らすことになる。その上、結婚した長女のさくらまでしょっちゅう家に戻ってきて、一家はますます混乱するのだった。(ウィキペディアより)

「おひかえあそばせ」池西家六姉妹上から

長女・さくら
既婚でヒステリー)

次女・梅子
宝石デザイナーで男嫌い、しっかり者で母親代わり。
薫が好きだがなかなか言い出せない。

三女・すみれ
食いしん坊で柔道の達人、もの覚えが悪い。

四女・菊枝
ボーイフレンドが多く男をこき使う現代っ子。
喧嘩っ早く薫といつも揉めるが徐々に惹かれていく

五女・あやめ
泣き虫の演劇部員、通称ベソ。

六女・つぼみ
中学生で薫の理解者、のちに作られる「パパと呼ばないで」のチー坊のルーツと思われる。

らんま1/2の天道三姉妹と同じで全員花の名前になっている。
(天道なびきが花の名前でないのは合う
花がなかったのでしょう。)

注目は三女でまとめると
「おひかえあそばせ」の三女のすみれが柔道の達人で男も軽く投げ飛ばす設定。
「雑居時代」も三女の秋枝が居合抜きと空手の達人という設定。
「らんま1/2」も三女のあかねが武道の無差別格闘天童流の達人で
男も軽く倒す設定。

調べたらアカネスミレという花がありますね。
アカネもすみれも三女で武道の達人って設定が面白いですね。


「おひかえあそばせ」の三女すみれ柔道の達人
「雑居時代」の三女秋枝、
居合と空手の達人。


「らんま1/2」の三女あかね武道の達人


らんま1/2の冒頭でらんまとあかねが風呂場でばったり会って揉めるシチュエーションがありますが「おひかえあそばせ」も薫と菊枝が風呂場でバッタリ出会って揉めるシーンが出てきます。たぶんこれが元祖(世界初?)だと思われます。

「おひかえあそばせ」での元祖風呂場でバッタリシーン(世界初?)
「らんま1/2」のお風呂でばったりシーン
「おひかえあそばせ」より池西六姉妹と薫

「おひかえあそばせ」ダイジェスト

分かる人には分かるはずがさすがに石立ドラマとらんま1/2連載まで10年以上経ってるので誰も気づかなかったと(笑)当時はCSでの再放送やビデオ、DVD化もされてなかったですからね。

あと三女すみれが記憶力が悪く引っ越した家になかなか辿りつけないエピソードがあるのですが。これがらんま1/2の良牙の方向音痴の元ネタと思われます。1960年に世界中で起こった女性の地位向上運動いわゆるウーマンリブ運動が70年代に日本でも始まり「おひかえあそばせ」はそれを取り入れたのでは?と思われます。森田健作の代表作、「おれは男だ!」もウーマンリブに影響を受けたドラマですね。今までのドラマだと女性は良妻賢母的な描かれ方をしていたが、この頃から女性が男性と同じ地位になってガンガン喧嘩するという作品が作られ始めた。ラブコメの基本である最初どこかでばったり会っていて口ゲンカ、後で同居という基本も「おひかえあそばせ」が元祖と思われます。あと梅子(宮本信子)、菊枝(岡田可愛)が薫のことが好きなのに、つっけんどんな態度を取るので今で言うツンデレのルーツではないかと思います。大体今のラブコメの基本パターンが全部入ってると思われ梅子、菊枝が薫のことが好きなのに、つっけんどんな態度を取るので今で言うツンデレ(本当は好きなんだけど、それをはっきり言えずにツンツン冷たい態度をとること)のルーツではないかと思います。ここで同居人同士の三角関係が発生。次女梅子が知的なクール系のツンデレで四女菊枝がおてんば系のツンデレとタイプが違うのが面白い。当然53年前、当時はラブコメもツンデレという言葉がない時代。電話もダイヤル式の黒電話でその辺の時代背景を比較すると面白い。今のラブコメマンガだと、スマートフォンのLINE(風のSNS)を使った演出などがあるので比較すると面白いですね。

「おひかえあそばせ」二女梅子、宝石販売のキャリアウーマン
しっかり者の姉妹のリーダーで「キャップ」と呼ばれる
薫を好きになるがハッキリ言い出せずケンカばかりしている。
四女菊枝、オテンバで複数のボーイフレンドをこき使う
出版社勤務。薫を好きになるがハッキリ言い出せずケンカばかりしている。

「おひかえあそばせ」第一話、世界初の同居ツンデレラブコメの元祖とも言えます。

「マルサの女」で有名な宮本信子さんが元祖ツンデレクイーンだったとは!

「うる星やつら」の男装女子の竜之介の「オレは女だ!」はこのドラマの森田健作演じる主人公がよく言う決めゼリフ「オレは男だ!」のパロディのような気がします。竜之介は永井豪先生の「あばしり一家」の悪馬尻菊の助がモデルでこちらは元祖俺っ娘ですね。

「らんま1/2」シャンプー


猫に変身する中国人娘シャンプーと曾祖母のコロンが出てきますが
これは間違いなく「気まぐれ天使」のバサマこと伊集院綾乃と孫の伊集院渚だと思います。
バサマも「うちの渚を嫁にいかが?」と加茂忍とくっつけたがって罠を仕掛けたりします渚も加茂さんが大好きという設定で抱きつき方がそっくり。
うる星やつらのラムと違ってアレンジがあまり入ってないので分かりやすい。アンニュイな猫っぽい雰囲気が出てますね。
そこから水をかぶると猫になる設定を考えたと思われます。
これと「おひかえあそばせ」でフランスに行った薫の父親が勝手に決めた(実はマリナの家出の口実だった)
許嫁の聖マリナがフランス(日仏ハーフ)から来日し居候するのですが
薫が好きな同居している次女梅子と四女菊枝が嫉妬してひと騒動怒るのですが
これがらんま1/2のシャンプーが来日してらんまに求婚し(戦いで負けたら嫁になる部族の掟のため)
同居しているあかねが嫉妬する話がありますがこれが元ネタと思われます。
たどたどしい聖マリナの日本語の喋りが良く似てますね。


「気まぐれ天使」婚約してる
大隅妙子と加茂忍
「気まぐれ天使」の
バサマこと伊集院綾乃と孫の伊集院渚
綾乃は孫を加茂忍とくっつけたがっている。孫の渚も加茂忍が大好き。
伊集院綾乃と渚は
加茂忍の下宿に転がり込み
同居することに。
「らんま1/2」ひいおばあさんのコロンとひ孫のシャンプー
シャンプーは乱馬が大好き
コロンは乱馬とひ孫のシャンプーをくっつけたがっている。
「らんま1/2」よりシャンプーの曾祖母のコロンを
「このババぁ~」と追いかける乱馬。
「きまぐれ天使」より渚の祖母の綾乃を
加茂忍が「このくそばばぁ~」と追いかけるシーン。
「らんま1/2」シャンプーが現れ誤解からあかねが激怒、
乱馬との婚約解消を言い出す。
「気まぐれ天使」より
居候の渚の存在がばれて誤解から妙子は激怒、
忍との婚約解消を言い出す。
「おひかえあそばせ」より薫(一番右)の婚約者を名乗るマリナ(左から二番目)が
フランスから押しかけてきて同居
薫が好きな二女梅子(左から一番目)と四女菊枝(左から三番目)が嫉妬する
マリナは怪しい日本語をしゃべる


ちなみに渚を演じた坪田直子さんの歌う挿入歌が「シャンプー」でした。
劇中では使われなかったがレコードのB面に収録されました。
https://twitter.com/OxTxMx/status/1599698883726434306?s=20

A面の「ジャングル・ジャングル」もあまり使われず自作の曲をそのまま歌う演出が多かったです。

元々東京キッドブラザースで舞台俳優デビュー、テレビドラマにも出演。特徴のある声を活かして声優としてCMナレーションをたくさんやってるので声だけは聞いたことがあると思います。

多分脚本家の松木ひろし氏が当て書きで書いたと思われ自作の曲を歌うシーンが多いですね。


「気まぐれ天使」の渚の動画。ラムやシャンプーの元ネタと思われる。

次女なびきのモデルは
「気になる嫁さん」の石立鉄男演ずる
ケチで倹約家、次男文彦の先輩で
どケチな倹約家の谷岡ミヨ子が出てきますがこれがらんま1/2の次女なびきのモデルですね。年齢は30位で性格は大分違いますがケチで独特の髪型まで全く同じ。

「らんま1/2」次女天道なびき
「気になる嫁さん」谷岡ミヨ子

両方ともケチな守銭奴ですw70年代流行ってた髪型のようです。

続いてらんま1/2で
久遠寺右京というお好み焼き屋の大阪の女の子が出てきますがこの娘が博打王キングというイカサマトランプが得意なおじさんキャラと戦うのですが、

「パパと呼ばないで」の石立鉄男演ずる主人公安武右京が下宿するのが東京都中央区の佃、月島エリアの米屋。
月島といえばもんじゃ焼きで有名、多分そこから名前と男装でお好み焼き屋設定を取ったのでしょう。コテコテの東京下町だから真逆のコテコテの大阪人設定にしたと思われます。(ちなみに余談ですがドラマ「相棒」の右京さんはパパと呼ばないでから取ったらプロデューサーが発言してます。)


お好み焼き屋の右京、最初は男装で登場。



雑居時代の石立鉄男演ずる主人公で大場十一(おおばじゅういち)のニックネームがジャック(11だから)でトランプ占いをやったり、いかさまトランプで金を巻き上げる描写があります。

らんま1/2博打王キング編とは?

イカサマババ抜きで子供の小遣いを巻き上げる自称・博打王キング。かつて幼い右京がその被害者となって博打のカタに屋台を取られ、リベンジを挑んだ乱馬も敗れてしまい天道家は取られてしまう。
そこから修行に励みキングと再びトランプで対決する。

「らんま1/2」
右京とトランプが得意なキング

石立鉄男ドラマ

右京とトランプが得意なジャック

やはりガチファンで確定ですねw多分ここでわかる人にはわかるはずだったんだろうがドラマ放映時から漫画連載まで20年ぐらい経ってるんで誰も気づかなかったんでしょう。
そういえば博打王キングの服装がドテラに腹巻と気まぐれ本格派で石立鉄男演ずる清水一寛の衣装そのままですねwコロコロ変わるキングの表情もそのまま参考にしています。

チー坊でおなじみの「パパと呼ばないで」の安武右京
「雑居時代」の大場十一(ジャック)
キングのカードを持ってますね。
イカサマトランプが得意。
「気まぐれ本格派」の清水一貫
ハンテンに腹巻スタイル。
「らんま1/2」博打王キングと乱馬
モデルは両方とも石立鉄男。キングはハンテンに腹巻。


上の扉絵の画像を見ていただきたいがトランプのジャックの中に右京ちゃんが入ってますね。石立ドラマで「雑居時代」でジャック(大場十一)、
「パパと呼ばないで」で安武右京を演じてたのは石立鉄男なので
そのオマージュでしょう。乱馬が涙ながらにキングに向かって「お前を目標にしてきたんだ~」というシーンがあるのですがこれもオマージュと思われますね。石立鉄男をモチーフに作られたキャラ(乱馬)が本家(キング)に想いをぶつけてる(笑)ギャグ回の割にはシリアスなシーンなので印象に残りますね。


シリアスに訴える乱馬

https://www.youtube.com/watch?v=WWkeAnbHe1U&t=44s

「パパと呼ばないで」1話と12話と「雑居時代」1話、2話、13話が見れます。「相棒」の右京さんもこのドラマから取られたと相棒のプロデューサーが語っています。

続いて響良牙のモデルになったのが、手塚治虫のW3のカモのブッコではないかと?宇宙人が地球を偵察するため鴨に変身するのですが、その時の表情が豚になった時の良牙(豚のPちゃん)そっくり。喧嘩っぱやくドジでおっちょこちょいな小心者キャラも同じ。W3のブッコは見た目の通り元ネタはディズニーのドナルドダックなので3人を並べてみると面白いですね。


カモに化けたブッコ


水をかぶると豚に変身する良牙

W3 第一話と ドナルドダック


五寸釘光という早乙女乱馬や天道あかねのクラスメートが出てきますが。乱馬が風林館高校に転校してくる前からあかねに想いを寄せており、彼女の許嫁となった乱馬を逆恨みしている。趣味は藁人形を打つことと盗撮。
(ピクシブ百科事典より)

これのモデルが気まぐれ本格派の神社の馬鹿息子の若杉道夫
好きな楓を家の外から覗いたりアプローチかけるが相手にされない顔もしゃべり方もよく似てる。ちなみに袖子の妹楓は一寛とケンカばかりしてますが徐々に優しさに触れ好きになりますが一寛が好きなのは未亡人の姉袖子なんですね。
元々丑の刻参り(うしのこくまいり)、は、丑の刻(午前1時から午前3時ごろ)に神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ちつけるという、日本に古来伝わる呪いの一種ということなので神社のモテないバカ息子から発想した気がします。


五寸釘光と神社の馬鹿息子の若杉道夫。顔やキャラクターがソックリ。

同一人物の男女入れ替わりの元ネタが手塚治虫のリボンの騎士、
バトル物は聖闘士星矢とジャッキーチェンの映画
これは高橋先生本人が言ってるので間違いないです。
たぶんドラゴンボールと言いたかったがさすがに集英社作品
二作品だと問題があるのでジャッキー映画と言ったかもしれません(笑)
カット割りはドラゴンボールですもんね。

リボンの騎士 第一話

天使のいたずらで男の子の心と女の子の心両方を持つ王女サファイヤの苦悩と戦いの物語。日本初の戦う少女で当時の少女を熱狂に巻き込んだと言われる。
「らんま」で細かくいうと九能帯刀が男らんまに敵意を燃やし女らんまにべた惚れで同一人物と気づいてないお間抜けキャラになってますが
これリボンの騎士のフランツ王子の設定そのままで
フランツも男サファイヤに敵意を燃やし
女に変装したサファイヤに惚れて求婚するというお間抜けな王子になってます。さすが高橋先生手塚ファンだけあって細かい!


「らんま1/2」から九能帯刀、
女モードのらんまには惚れるが、男モードの乱馬には敵意を燃やす。
フランツ王子と「亜麻色の髪の乙女」こと変装したサファイヤ
「亜麻色の髪の乙女」にフランツ王子は惚れる。
男装モードのサファイヤ。性別は女性だが男でありたいと思っている。
こちらモードのサファイヤとフランツ王子は対立する。

意志のある道着をあかねが装着したら
勝てなくなった乱馬が道着の弱点として
装着者が恋をしたら道着が着れなくなるという事を知り
乱馬が作戦で嘘の告白をしたら
あかねが本当に乱馬のことを思ってしまい
乱馬が焦るエピソードがありますが
これも元ネタがあって雑居時代で
長女春子がフィアンセと別れると言いだし
焦った夏代が自分が嘘の婚約をしたら
負けず嫌いの春子がフィアンセと寄りを戻すだろうと考え
ジャックに嘘の告白をしたら
ジャックが本気にしてしまい
夏代が焦るエピソードがありますがこれが元ネタでしょう。
(らんま1/2は男女逆になってますね。)
話作りが上手い高橋先生にしては
設定がかなり強引ですが
そこまでして似たエピソードを入れたかったのだと思います。

「らんま1/2」あかねに勝つために嘘の告白をする乱馬。
あかねが異性に恋をするとすると道着が装着不可能になるという設定のため・・・が
しかし本気になってしまうあかねw
ここでハッピーエンド?かと思いきや家族の邪魔が入ります。
結婚式はだいぶ後に。
「雑居時代」姉の春子に結婚を考え直させるため
ジャックに嘘の告白をする夏代だが・・・
ジャックが本気になってしまい夏代にキス、この後結婚することにw

並行してみるとドキドキ感がよく似てますね
ただ「らんま1/2」のほうは連載続行のため結婚式はだいぶ後になりますが
らんま1/2の最終回、乱馬とあかねが結婚式を挙げることになっていまが、16歳なので法律上は無理です
・・・だから籍は入れずに結婚式だけという矛盾した
無茶な設定にしたかというと、
元ネタの雑居時代も結婚して終わるのでそれに従ったら
矛盾点が出てきたんではないでしょうか?

久能帯刀の父親のアメリカ帰りの派手なアロハ来た校長。
これは雑居時代のジャックの写真の師匠稲葉勇作と思われます。ヒマラヤの登山隊に参加して帰ってきたら優柔不断な性格が直って明るい外人っぽくなって帰ってきます。サングラス取って泣くシーンがありますが演じた川崎敬三によく似てますね。

久能帯刀の父親


川崎敬三

「らんま」で天道家の亡くなった母親の墓参りに父と三姉妹で行く回がありますがこれもまったく同じシーンが「雑居時代」にあり栗山家の父と末っ子以外の娘4人で墓参りに行く設定になってます。



「気まぐれ天使」の渚の動画
ラムやシャンプーの元ネタと思われる。

あと山上たつひこ先生の「がきデカ」オマージュ回(ピコレットが出てくるシリーズ)もあって肖像画ががきデカのこまわり君になってますね。
がきデカのボケツッコミのセリフがモロに影響受けてる。
八宝斎は永井豪作品の早見団兵衛がモデルですね。
男女転換と母との再会ネタが手塚治虫、
キャラクターの基本設定は石立鉄男ドラマで
高橋先生が影響を受けたものが全部入ってますね。

肖像画



骨格がそのままですw

永井豪作品の早見団兵衛
「らんま1/2」の八宝斉、目の書き方が永井豪タッチになっている。

両方ともちょっとエッチな老人です。目が永井タッチになってますね。

石立鉄男の表情演技が高橋作品の二枚目半キャラのモデルなのがよくわかります。

★「犬夜叉」と「雑居時代」の比較


高橋先生が「犬夜叉はどろろと里見八犬伝を参考にした」と言っています
どろろは手塚治虫の時代マンガで「鬼滅の刃」の元ネタとしても有名ですね。


「犬夜叉」の犬夜叉のモデルと思えるのは
「雑居時代」の大場十一ではないかと思われます。

共通点として

・顔は二枚目なんだけど三枚目のズッコケの部分もある。
・ワイルドでひねくれてるんだけど根はやさしい。エスコートヒーロー。
・ツッコミが速くて鋭い。
・ヒロインと朝っぱらからケンカばかりしているが最後は結ばれる。

かなり参考にしてると思われます。

犬夜叉と日暮かごめ

そういや「秘密のデカちゃん」という刑事コメディで石立鉄男演ずるのが日暮庄助で娘が日暮祥子。ここから取られたのでしょうか?

★「うる星やつら」と「気まぐれ天使」との比較


主人公と彼女のカップルがいてそこに外部から第三者の自由奔放な女性がやってきて主人公にベタぼれになり主人公の家(下宿先)に居座る。当然彼女は嫉妬。主人公も最初は第三者の女性をウザイと拒絶するが最後はそちらと結ばれる。

うる星やつらの面堂終太郎の
モデルが「気まぐれ天使」の森田健作演ずる榎本一光ではないかと榎本財閥の大金持ちのお坊ちゃんでイケメンで仕事も出来るのですが凄いケチ。世話焼きの執事がいたり幼なじみの娘で「お兄さま」と榎本を呼ぶ女性が出てきて親の命令で許嫁にされそうになります。

面堂終太郎も大金持ちで勉強も運動もできるが閉所恐怖症。執事や「お兄さま」と呼ぶ妹了子が出てきたり、親の命令で水乃小路飛鳥と無理やり許嫁にさせられそうになる。


「気まぐれ天使」の榎本(右側)
イケメンで仕事もできる
大金持ちだがドケチ。
イケメンで金持ちの榎本と3枚目の加茂忍
後半南條部長を巡って争う。
「うる星やつら」の面堂終太郎
顔も髪型もよく似ている。


錯乱坊のモデルはバサマこと伊集院綾乃だと思われます男性キャラにして髪を剃って坊主にした感じですね。胡散臭い毒舌キャラが似ていてめぞん一刻では四谷さんですね。

ラムが「気まぐれ天使」のヒロイン妙子と渚を合体させたような気がします。ケンカっぱやくて嫉妬深いところが妙子、自由奔放で男に尽くす健気なところが渚。ラムが秘密道具をよく手作りしてますがその辺も渚に似てますね。
あたるとしのぶが交際してるところにラムが居候、しのぶが振られる展開
加茂忍と妙子が交際してるところにバサマと孫の渚が居候、妙子が婚約解消しフランスへ留学。
ただラムはふたつのキャラクターをミックスしてると思われます
妙子の強気で嫉妬深い所と渚のひたむきに尽くす、猫のようにくっつき同居する所。手作りグッズを作るのが趣味など。
 諸星あたるは加茂忍と下宿先の中学生萩田光政との合体ではないかと?萩田父母にダメな子とボヤかれていてちょっとオマセな所や顔や動きが似てる。加茂忍は普段ガミガミ怒鳴ってるがここぞという時に優しい。伊集院綾乃と渚のコンビが萩田家に居座るのですが下宿している加茂忍が下宿代を増やす約束で隣の部屋に住むことに 。一緒に食事をするのですが普通に家族として受け入れてるところが「うる星やつら」の諸星家とラム&テンの関係によく似てますね。


「気まぐれ天使」より左から大隅妙子と加茂忍。婚約してるがケンカが絶えない。
同じ下着会社に勤務してるが同僚には秘密。
大隅妙子は忍と渚の関係に嫉妬する。
上から伊集院綾乃(バサマ)加茂忍、孫の伊集院渚、バサマと渚が二階に居候し
奇妙な同居関係が始まる。
渚は加茂忍(おっちゃん)を好きになりひたすら尽くす。
今でいう「不思議ちゃん」キャラ
手作りグッズを売りながら自由に生きている。


「うる星やつら」より諸星あたると三宅しのぶは交際してるが
そこに宇宙人のラムがあたるを好きになり諸星家に居候。しのぶは激しく嫉妬する。
ラムにはレイというフィアンセがいるがラムは嫌っている。
荻田正樹、古本屋の亭主で加茂忍を二階に下宿させている。気弱で妻に頭が上がらない。
荻田もと子、正樹の妻で気が強い。綾乃と渚を家族のように受け入れる。
荻田光政、荻田家の長男でお調子者でちょっとおませ。


「うる星やつら」諸星家、左から気弱な諸星父、女好きの諸星あたる、気が強い諸星母
構図やキャラクターがよく似ている。

シャンプーの元ネタはうる星やつらのラムなので比較すると面白い。ラムの名前は1970年代人気のアイドルアグネス・ラムから取られたみたいですが「気まぐれ天使」でアイドルのアグネス・ハムを加茂忍が助ける回(母親を探す)があって面白いですね。
「ハムちゃんをしのぶさんが助ける」(笑)特に「うる星やつら」の原作マンガのラムの自由奔放な仕草や切ない表情が伊集院渚によく似てると感じました。

「気まぐれ天使」より加茂忍とアグネス・ハム
ここから「うる星やつら」の三宅しのぶとラムの名前が取られたと思われる。

「気まぐれ天使」ダイジェスト


樹木希林演ずる伊集院綾乃(バサマ)と加茂忍。
バサマとチェリーの顔がソックリで
なおかつトラブルメーカーという部分も一緒。
チェリーの発展形が「めぞん一刻」の四谷さんとも言えるでしょう。

「うる星やつら」の錯乱坊、トラブルメーカーの僧


「めぞん一刻」の四谷さん、アパートの隣に住んでいて
五代君にちょっかいをかけてくる。


「気まぐれ天使」の伊集院綾乃、加茂忍の下宿に孫の楓と勝手に居候する。
トラブルメーカーで盗癖があり加茂忍に怒られることが多い。

特に「うる星やつら」の基本ストーリーである居候しているラムがダーリンこと諸星あたるのことを思い続けるが、あたるは他の女性を追いかけていてラムのことを普段はウザく思ってる、学校には大富豪の息子でイケメンで勉強ができる(しかし閉所恐怖症)面堂終太郎がいてこっちはモテるがあたるはもてない三枚目設定。しかしラムがピンチに陥ったら素早く立ち上がって助けに入る、「ラムのことが好きなのか?」と聞くと口ごもる。最後は結ばれる感じで終わる。「気まぐれ天使」は居候している伊集院渚はおっちゃんこと加茂忍のことが大好きだが、加茂忍は部長の南條友江を追いかけていて普段は渚のことをウザく思っている。会社には大学の後輩で大富豪の息子でイケメンで仕事ができる(しかしドケチ)榎本一光がいてこっちはモテるが加茂忍は仕事も出来ずもてない三枚目設定。渚がピンチになったら素早く立ち上がって助けに入る。「渚のことが好きなのか?」と聞かれると口ごもる最後は結ばれる感じで終わる。アレンジは入ってるがストーリーの骨格がよく似ていますね。

★「めぞん一刻」と「気まぐれ本格派」との比較


石立ドラマ「気まぐれ本格派」とは?

「気まぐれ本格派」は貸衣装店を営む一貫の兄が事故で死に未亡人となった義姉の袖子は店を継ぐ決意をする、それを弟の一寛が船員の仕事を辞めて手伝う。義理の姉袖子には淡い恋心も持っている、てなストーリー。
めぞん一刻だと死んだ亭主の義父が気晴らしに未亡人響子を管理人にさせるという設定ですね。ストーリーは全く違うが急死した旦那側の仕事を受け継ぐというところが似てる。


あと気まぐれ本格派はヒロインが3人いるのですが

・しっかり者で美人で優しいが天然ボケの未亡人袖子(北海道出身)
・袖子の妹で占いが得意な気が強い楓(北海道出身)
・おっとりマイペースの置屋の娘で犬好きなお天気お姉さん涼子。


めぞん一刻もヒロインが3人いますね配置もちょっと似ています。

・しっかり者で美人で優しいが天然ボケで嫉妬深い未亡人音無響子
・気の強い高校生八神いぶき
・おっとりマイペースの大学生七尾こずえ


主人公が1番引かれてるのが未亡人というのも一緒。

「気まぐれ本格派」で未亡人になり亡き夫の貸衣装屋を継ぐ袖子。
亡くなった夫を一途に思い続けている。しっかり者だがちょっと天然ボケが入っている。
袖子の妹の楓。勝気な性格で一寛が姉袖子に手を出さないように
監視するため北海道から上京
当初一寛と対立するが徐々に惹かれていく。
お天気お姉さんの涼子。天然ボケの不思議ちゃんで最初から一寛が大好き。
「気まぐれ本格派」相関図
主人公の清水一寛、ドジでおっちょこちょいでけんかっ早いが
人情家で女性にモテモテ。義理の姉で未亡人の袖子を一途に思い続ける。


「めぞん一刻」の音無響子。亡き夫の父が管理する一刻館の管理人になる。
しっかり者だがちょっと天然ボケ入ってる、原作版は嫉妬深い。

七尾こずえ、五代のガールフレンド
天然ボケ入ってる「不思議ちゃん」
八神いぶき、勝気な高校生で五代を好きになり
強引に攻略しようとする。
主人公の五代勇作、優柔不断な浪人生だが
心優しく後半は保育士を目指し成長していく。
女性にモテモテ。


袖子の交通事故で亡くなった夫利昌は痩せ型で丸メガネをかけてるのですが
響子の亡くなった夫惣一郎も痩せ型で丸メガネをかけている設定(顔は出てこないが遺品で丸メガネが出てくる。死因も急死なので交通事故っぽい。)
再婚話がちょこちょこ出てくるところも似てます。

「なんでイケメンでもないのに主人公は女にモテモテやねん」とツッコミ入れたくなるところも似てる。

「めぞん一刻」の五代くんと四谷さんの関係は
「気まぐれ天使」の加茂忍とバサマですね。隣の部屋に住んでてちょっかい出すとこも同じ。「うる星やつら」のチェリーと同じく男性キャラになってるので分かりにくくなってる。

未亡人の袖子さんが死んでも兄利昌にベタ惚れで袖子に思いを寄せるの弟の一貫が
「アニキめ死んでまで姉さんに思われて羨ましい。」
というセリフがありますが
未亡人の袖子さんに金持ちの男との縁談が持ち上がって一貫がヤキモキするエピソードがあったり結婚式を挙げる妄想をしたりします。

めぞん一刻でも五代くんが死んだ総一朗さんに嫉妬するシーンがちらほら出てきたり、未亡人の響子さんを響子の母親が再婚させたがったりするのでよく似てる。

めぞん一刻の舞台の時計坂の風景は西武・東久留米駅なのは有名ですが
地名は袖子と楓の姉妹が北海道出身で神楽坂に定住しているので札幌の時計台+東京の神楽坂=時計坂になったような気がします。

原作に五代が北海道へ旅行に行って札幌の時計台に行くエピソードがありますが(アニメはカット)やっぱり一刻館は時計台(北海道)モチーフなのは間違いないですね。

一ノ瀬さんが北海道出身設定なのはその名残でしょう。一ノ瀬さんに小学校の息子がいますが袖子さんにも小学校の息子がいるので設定をうまく分割して味付けを変えた感じでしょうか?

「雑居時代」で写真家の稲葉勇作が出てきてかなり優柔不断で夏代になかなか思いを伝えられないキャラ設定になってますが五代裕作のキャラ設定もここから取ったのでは?漢字が違いますがユウサクという名前が80年代でもかなり珍しいので。

五代くんが会社の面接に行こうとした時に妊娠中の婦人を助けて、夫と間違われて一緒に救急車で運ばれていくエピソードがありますがこれは「パパと呼ばないで」でもありますね。右京さんがパーマをかけていたら隣の婦人が陣痛、夫と間違われて救急車で運ばれていく全く同じです。

あと朱美さんとホテルから出てくるのを誤解して管理人さんが嫉妬するエピソードがありますが「雑居時代」と「気まぐれ天使」に全く同じシチュエーションが出てきます。(勘違いするのは両作品とも大原麗子)高橋作品に見られる、ぶちぎれる 、嫉妬する、実はナイーブな女性というのは、大原麗子の演技に影響を受けているのでしょうか?

「めぞん一刻」で二枚目の金持ち三鷹と三枚目の浪人生五代で管理人さんを巡って争いますが「気まぐれ天使」で二枚目の大金持ちで仕事ができる榎本(森田健作)と三枚目の冴えない加茂忍(石立鉄男)が1人の女性(酒井和歌子演ずる部長)を巡って争う展開が後半展開するのですが
これを参考にしたような気がします。


イケメンかつ金持ちでプレイボーイな三鷹
テニススクールのコーチをしている。


金持ちの二枚目榎本と三枚目の加茂忍が
部長の南條友江を巡って争う
大学のサッカー部の先輩(加茂忍) 後輩(榎本)で
普段は仲がいい。




気まぐれ本格派第一話

あともうひと作品「気になる嫁さん」も未亡人ではないですが
亡くなったフィアンセの実家にめぐみが同居する話ですね。

あらすじは

清水家は、父呂之助と5人の兄姉弟、そして家政婦のばあやとで暮らす大家族。そこに、アメリカに留学が決まった末っ子・純の婚約者、坪内めぐみ(演:榊原るみ)が「嫁」として同居することになる。その清水家と周辺でまき起こる様々な騒動を描く。純は留学先で心筋梗塞により客死するが、両親がいないめぐみは「ここが私のうちです。どうか置いてください」と清水家に戻り、一同も死んだ純の代わりにめぐみを大切に思い「嫁」として扱う。純の上の三人の兄弟はめぐみのことが好きなので親しくなろうとして騒動が起きる。


★80年代のラブコメの女王・高橋留美子と帝王・柳沢きみお


高橋留美子と並んで80年代ラブコメの帝王と言われた柳沢きみおさんがいます。前にも述べましたがうる星やつらより翔んだカップルの方が半年ぐらい早いのでこっちがラブコメマンガの元祖とも言えます。ヒロインがツンデレなのも元祖とも思われます。


柳沢きみおは1973年に「女だらけ」というギャグマンガを描いており
姉妹5人と6番目の弟1人のギャグ漫画で今のハーレムラブコメの原形と言われていますが(姉弟なので厳密に言うとラブコメではない)これは間違いなく石立ユニオン作品第1作「おひかえあそばせ」がモチーフですね。
それが証拠に1978年の「翔んだカップル」で主人公が下宿人を不動産屋に頼んだら間違えて女性が来てしまい「圭」という男なのか女なのか紛らわしい名前だったから・・・というプロットなのですがこっちも「おひかえあそばせ」と似ててこっちは「薫」という名前になってますね。




柳沢きみお作品も高橋留美子作品もルーツが同じ石立鉄男ユニオン作品なので設定が似てくるのも頷けます。跳んだカップルは「スキマ」で無料で読めるので興味ある方はぜひ。最近の同居ラブコメだとリアリティを持たせるために親同士が再婚してそれぞれの連れ子が同居というパターンが多いですね。

★70年代のスーパースター石立鉄男

1970年代テレビが普及し映画が斜陽になり出てきたスターが若き頃の石立鉄男(いしだて・てつお)
元々舞台俳優として活躍していましたが実写の映画やドラマにも進出若いころはストレートヘアのナイーブな二枚目(今でいう菅田将暉そっくり!)が中心でしたがテレビドラマ「おくさまは18歳」で二枚目半のコメディ路線を開拓。最高視聴率33.1%を突破し石立鉄男はスターの仲間入りに(女性人気ランキング1位石坂浩二、2位石立鉄男、3位石原裕次郎、4位堺正章、5位山口崇)その後ユニオン映画で作られたTVシリーズでは10年に渡って主役を務め。他のドラマ作品でも「夜明けの刑事」「事件狩り」「鉄道公安官」「赤いシリーズ」でもメインキャストとして大活躍。・・・が80年代になってからは「噂の刑事トミーとマツ」や「スチュワーデス物語」などの上司役が多くなり、90年代に入ってからはあまり見なくなりました。バブルの時代がやってきて二枚目半でも田村正和のようなオシャレな二枚目半が活躍するようになり「熱くて濃いキャラ」の石立鉄男は完全に過去の人になってしましました。ピークが短かったので僕も「小泉今日子ををいじめる悪徳刑事」「わかめラーメンのCM」でしか知りませんでした。(テレビブロスの石立鉄男特集で知った口です。)10年しか黄金時代がないわりに
休まず出続けていたため話数にすると600話以上、ブルーレイに4話収録すると150巻になるくらいのボリュームになります。梅宮辰夫さん、地井武男さんや志村けんさんは晩年バラエティにチャレンジして再ブレイクしましたが石立さんは昔ながらの俳優でプライベートを見せることをあまり好まなかったのも原因かと思われます(高倉健さんや渥美清さんもこのタイプ)業界に石立ファンが多いのでもったいなかったなと思いますね。ダウンタウンの松本人志さんなんて「パパと呼ばないで」がソフト化されてないころ日本テレビのスタッフに頼んでダビングしてもらったそうです。
しかしCS放送(チャンネルNECOなど)で何回も再放送するうちに若い世代のファンも獲得。スカパーの雑誌にインタビューが載りDVDなども発売されましたが2007年6月1日64歳で逝去されました。よく言われるのが今で言うところの大泉洋に近いかもしれません。大泉さんも舞台出身で2枚目半が得意ですから。50年前は「ラブコメディ」も「ツンデレ」という言葉もなかったので「ホームコメディドラマ」みたいな言い方だったようです。
アニメにもなった瀬尾公治のマンガで「女神のカフェテラス」がありますが主人公がゆるいパーマで二枚目半、同居する5人の娘の基本設定(武道の達人など)や名前(花の名前)、やヒロインがファッション修行のためにフランスへ行くなど話などラブコメにホームドラマをミックスしたところが「石立ドラマ」に非常に似てますね。
49歳とまだ若いのでCS再放送世代かと思われます。CSの懐かしドラマチャンネルだと石立鉄男の主演、助演ドラマだらけで毎日1回はどこかで見れます。マガジンアプリで無料で読めるので石立ドラマファン、高橋留美子ファンも楽しめるかも?あと90年代の大ヒットドラマ「ひとつ屋根の下」がありますが石立ドラマの「水もれ甲介」に設定がそっくりですね。あと2010年代「マルモのおきて」これは「パパと呼ばないで」が元ネタ、一話の宴会のシーンで阿部サダヲが石立鉄男風アフロカツラを被ってますねwこれはまた別の記事で比較してみたいと思います。2024年今話題のドラマ「不適切にもほどがある」、脚本の宮藤官九郎は主人公を石立鉄男をイメージして書いてるっぽい ドジで短気で人情家だし。小泉今日子のポスターもキーアイテムとして出てくるしw石立鉄男と小泉今日子は「少女に何が起こったか」で共演しておりクドカンのヒット作「あまちゃん」でも小泉今日子と「この薄汚ねぇシンデレラ」のパロディが出てきますね。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm30964644


若き頃の石立鉄男、当時はナイーブな2枚目俳優だった。

石立鉄男の生涯を書いた記事です。


★まとめ

石立ドラマの吉川斌プロデューサーがキャラクターづくりの名手だったと杉田かおるさんが言っています。
基本的に二枚目のキャラクターでも一箇所欠点を作るのがポイントで
「きまぐれ天使」の榎本も大金持ちの息子でイケメンで仕事もできるのですがなのですが、ものすごいケチという設定になってます。この辺がうる星やつらの面堂終太郎、めぞん一刻の三鷹に生かされていると思います。それぞれ金持ちで頭脳優秀ですが三鷹は犬が苦手、終太郎は閉所恐怖症とい弱点を抱えています。(声優は両方とも神谷明)

その後ドラマ事業部からアニメ事業部へ移籍して、元祖天才バカボン、ガンバの冒険、ルパン三世第2シリーズなどのプロデューサーで活躍されました。石立鉄男ドラマの音楽担当だった大野雄二さんをルパン三世第2シリーズにスカウトしたのも吉川さんの功績です。

「うる星やつら」と「めぞん一刻」が80年代、「らんま1/2」が90年代に主に連載。高橋作品のテーマが「嫁」「未亡人」「許嫁」「下宿」「銭湯」など
設定がちょっと古いのは元ネタが70年代のドラマだからでしょう。
70年代は下宿や銭湯、共同トイレなどが当たり前。女性も独身で25歳超えたら行き遅れと言われてました。まだ戦争の影響が残ってたのか軍の同期ネタとかもちょいちょい出てきますね。めぞん一刻のアパートがどちらかいうと70年代の下宿スタイルなのはそのため。女性作家が男性キャラを作ると理想のイケメン王子様にするのですが、高橋作品はそうになってない。基本主人公は全部二枚目半設定でヒロインと口論バトルを繰り広げる。カッコよすぎる王子様だとバトルにならないですからwだから少年雑誌、青年雑誌でヒットを飛ばせたのでしょう。あんまりかっこよすぎる王子様だと男性読者の支持を得にくいですから。特に男性キャラの目の描き方が石立鉄男の表情に似てますね。脚本家の三谷幸喜さんが大学の演劇学科の学生時代、従来の真面目なお芝居に馴染めず辞めようかと思った時。石立鉄男と杉浦直樹のコメディの舞台「おかしな二人」を見てこの路線だと思ったそうです。三谷さんもクドカンもテンポ感が石立鉄男の演技に似てますもんね。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/7237

フィルドラチャンネル
石立鉄男ユニオン映画作品ダイジェスト
前編

後編


石立ドラマはアマゾンプライムで月600円で見れます。
「おひかえあそばせ」
「気になる嫁さん」
「パパと呼ばないで」(途中まで)
「雑居時代」
「水もれ甲介」
「気まぐれ天使」
「気まぐれ本格派」


高橋留美子作品「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」「犬夜叉」「境界のRINNE」「MAO」は「サンデーうぇぶり」というアプリで無料で見れます。

「うる星やつら」が日本のコミケ、コスプレ、フィギュアなどオタク文化の発展の起爆剤と言われてるのでそのルーツを辿って見るのも面白いかも?
同居ラブコメは外国にない日本ならではのオリジナルなので。



余談ですが
今連載中のMAOマオはブラックジャックですね。クールなキャラクター白黒ツートン髪の毛、顔の傷、インバネスコートそのまんまですw遠目のカットがそのままで笑ってしまった。
乙弥がピノコ
百火がドクターキリコ。
白眉がどろろの百鬼丸・・・て感じでしょうか?
犬夜叉で言うと殺生丸とりんの関係が
ブラックジャックとピノコですね。

吾峠呼世晴先生と手塚治虫好き好き対談やって欲しいです(笑)

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