「いやマジでお前らなんなんだよ」と思った話。
いやマジでお前らなんなんだよ。
って話がありまして、そもそもの始まりは数日前、駅からバスに乗って家に向かっていたときのこと。
車内は4割ほどの埋まり具合。混んでもないけど空いてもない、くらいの感じ。
スマホで何かを調べてて、ちょっと夢中になってたんでしょう、ふと顔を上げたら、もう次は自分の降りる停留所だったわけ。
あれ、もう着いたとか思いながらボタン見たら、誰も押してない。大きなマンションなので、だいたい何人かは一緒に降りるんだけど、今日は俺一人か、珍しいなと思いながらボタンを押した。
で、すぐに停留所に付きまして、さあ降りようとしたら!
立ち上がったよね、3人くらい。
いやなんだよお前ら。押せよ。
ってまあ、よくある話なんだろうけど、ちょっと笑いそうになった。じゃあもし俺があのままスマホに夢中になってたら、お前らどうするつもりだったんだよと。
で、今日。
今日は8割くらいの埋まり具合。あの停留所で降りるのがまさか俺一人ってこともあるまい。
ってことで、こないだのことがあるからさ、ぜってー俺は押さねえぞと決めてたわけ。
で、一個前の停留所を過ぎて、「次は○○○」ってアナウンスが流れた。……んだけど、誰も押さない。
あと2つ曲がればもう停留所、ってところまで来ても……誰も押さない。ちなみにここが、先日俺がボタン押したら辺。
そして1つ目の角を曲がり……おいおい、マジかよ誰も押さない。
バスはぐんぐんスピードを上げていく。いや、ちょっと待てよ。誰か押してくれよ。このままじゃ誰も降りないってことで止まらないぞバス。っていうかこんなに人数がいて、降りるの俺だけってこと?
いやいや。それはない。
我慢だ。ここは我慢だぞ俺。
バスはそしていよいよ2つ目の角を曲がった!
押さない!
押されない!
マジかよもう着いちゃうぞ。乗った時に「今日はぜってー押さねえ」って決めたけどさ、だからって降りずに乗りっぱなしなんて嫌だぞ俺は。
押せ!誰か押せ!
あー、くそ。誰も押さねえ。なんてこった。仕方がない、俺が押すしかない!
ってことで、苦渋の決断。押しましたよ。だってもう、停留所目の前だったからね。
あー、まあ、でも、仕方ねえかとも思った。ここまで来て押さないってことは、やっぱり俺だけだったんだ。この停留所で降りるのは、元から俺だけだったってことだもんな。
ということで、バスは減速。停留所につきまして。
うん。
わかってる。
もう皆さんもわかってると思う。
こんなにベタなオチ、ないもの。
でも聞いてくれ。
本当のことなんだ。
「○○○到着です」
バスのドライバーさんが言った瞬間、何が起きたと思う?
6人くらい立った。
6人くらい立った。
1人2人じゃないぞ。6人くらい立った。
…
いやお前らなんなんだよ。
なんのチキンレースなんだよこれ。
…
でさ、その中の何人かは俺と同じマンションの人で、ぞろぞろ一緒にエントランスを抜け、同じエレベーターに乗って、そして俺を見て、
「こんばんは」
とか言うんだぜ。いやこんばんはじゃねえよ。なんだよその勝ち誇った笑みは。確かに俺は負けたがな、人間としては俺が正しいんだからな。
最低だ。お前らは最低だ。
そんなことを思いながら「こんばんは」と笑顔で返したって話でした。
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