ろうきん森の学校だより

金融機関とNPOが20年にわたって取り組む、森づくりから始まる人づくり、地域づくりの取…

ろうきん森の学校だより

金融機関とNPOが20年にわたって取り組む、森づくりから始まる人づくり、地域づくりの取り組みを紹介します。 担当スタッフだけでなく、関わる人、参加者など、「人」に焦点を当て、想いを伝えていきます。

最近の記事

  • 固定された記事

ろうきん森の学校とは?

ろうきん森の学校事務局です。 この度、noteによるWEBマガジンを創刊しました。 【ろうきん森の学校とは】 ろうきん森の学校は、2005年10月、労働金庫連合会(以下、労金連)50周年記念社会貢献活動として「森づくりから始める人づくり、地域づくり」を理念にスタートした、森林環境教育活動です。※公式サイトはこちら 全国3地区(福島、富士山、広島)でスタートした活動は、2015年4月から新潟・岐阜の2地区が加わり、全国5地区で活動を展開しています。2021年3月末時点で、の

    • 【富士山地区】体験から気づき、共有して学びあう―ローカルSDGs人材育成プログラムの現場報告

       ろうきん森の学校では、“学校”というキーワードから人材育成に焦点を当てて取り組んでいる。特に、若者と地域の課題解決に取組み、リーダーシップの取れる人材を育成する『ローカルSDGs人材育成』を、富士山地区と広島地区で2022年より試行している。今回は富士山地区で2024年1月に行われた、のべ2日間に亘る試行プログラムの概要をリポートする。  今回富士山地区で実施した「ローカルSDGs人材育成研修会」は、主に20代の若者を対象とした研修会である。SDGsやローカルSDGsを現

      • 【広島地区】若者がチャレンジした地域での学び~SDGユース・ラボ報告

        2022年度から広島地区と富士山地区で試行が始まった「ローカルSDGs人材育成プロジェクト」。 広島地区では、2023年10月から全4回・のべ7日間にわたって「SDGsユース・ラボ」と称して人材育成プログラムが行われた。最終回である第4回が、2024年3月2日(土)~3日(日)に行われ、8名が参加した。 最終回の概要を報告する。 【SDGsユース・ラボとは】  ろうきん森の学校では、“学校”というキーワードから人材育成に焦点を当て、地域の若者と共に地域課題の解決に取組み、

        • 【新潟地区】 若い移住者からみた「かみえちご」の役割

          異常ともいうべき猛暑が続いていた2023年の夏。ろうきん森の学校新潟地区で若者が関わる活動について問い合わせたところ、ユニークな若者がボランティアスタッフとして活躍していると聞き、9月上旬に上越市くわどり市民の森で話を伺った。 今回話を伺ったのは、古岩樹(ふるいわ いつき)さん。かみえちご山里ファン倶楽部(以下、かみえちご)の活動を手伝う傍ら、専業農家を目指してコメ作りを中心に目下研修中とのこと。くわどり市民の森管理棟に着いて挨拶をすると、真っ先に出迎えてくれた。小柄で若く

        • 固定された記事

        ろうきん森の学校とは?

          【岐阜地区】藍染めから生まれる自然への愛

          ろうきん森の学校岐阜地区は、NPO法人グリーンウッドワーク協会が事務局となり、生木を加工する木工=グリーンウッドワークの普及に取り組んでいる。 今回は、生木ではなく、生草(せいそう)=生藍を使った草木染め(藍染め)の体験が行われると聞き、どのような様子か取材した。 講師を務めるのはグリーンウッドワーク協会スタッフの、椿由加理さん。 「ののはな草木染アカデミー」で草木染めを学び、2023年にはののはな草木アカデミーでインストラクターの資格を取得。これまでろうきん森の学校の活動

          【岐阜地区】藍染めから生まれる自然への愛

          【広島地区】体験から学び、わかちあうことで気づいたコミュニケーションの大切さ ~ローカルSDGs人材育成スタート

           ろうきん森の学校では、“学校”というキーワードから人材育成に焦点を当てて、地域の若者と地域の課題の解決に取組み、リーダーシップの取れる人材を育成する『ローカルSDGs人材育成』を、富士山地区と広島地区で試行開始した。今回は広島地区で2022年12月から1月にかけて行われた全3回のべ4日間の試行プログラムの概要について、最終回の第3回を中心にリポートする。 1.ローカルSDGsとろうきん森の学校  SDGsとは、国連が定めた「持続可能な開発目標」で、2030年までに達成すべ

          【広島地区】体験から学び、わかちあうことで気づいたコミュニケーションの大切さ ~ローカルSDGs人材育成スタート

          広島地区 「場から生まれる人づくり」

           記録的な寒波が到来していた2023年1月中旬。幸い、大雪にはならなかったものの、真冬の厳しい冷え込みが続く北広島町のひろしま自然学校で、河野小夏(こうの こなつ)さんに話を伺った。  河野さんは地元の北広島町芸北地域の出身で、この3月に広島市内の大学を卒業し4月から広島県内で小学校の教員として教壇に立つ。3年に亘って続いているコロナ禍の影響をいろいろ受けた中で、NPO法人ひろしま自然学校が運営している「ろうきん森の学校広島地区」(以下、森の学校)の活動にも積極的に参加してき

          広島地区 「場から生まれる人づくり」

          【富士山地区】100人いれば、100通りの森との関わり方が育まれるように

           海と山に囲まれ、古きよきものと新しいものが、バランスよく共存する場所、鎌倉。いつの時代も、様々な世代の人々を惹きつけてやまない。そこで日々を暮らす人と、観光する人が混在するにぎやかな通りを抜けて、少し静かになった場所に、今回の取材先ファブラボ鎌倉はある。  外から見ると、何の建物だろうと思うだろう。歴史を感じさせる建造物の中に、3Dプリンタなどの最新機器が所狭しと並び、新しいものづくりの化学変化が起きているとは、誰も想像できない。しかし、この地に、この建物に、デジタルファ

          【富士山地区】100人いれば、100通りの森との関わり方が育まれるように

          【岐阜地区】木を削ることで生まれる「人と人のつながり」

           紅葉が見ごろを迎えた2022年11月下旬。ろうきん森の学校岐阜地区のフィールドの1つである、美濃市古城山ふれあいの森で「実のなる木の植栽体験」が行われた。無事に植栽作業を終えたばかりの名和宏(なわ ひろし)さん(グリーンウッドワーク協会・理事)に話を伺った。  名和さんとグリーンウッドワーク(注:生木を加工してスプーンや椅子などを作るモノづくり)との出会いは、今から10年近く前。きっかけはご自身の娘さんの進路を考えた時だという。  「私には娘が3人いるんです。三女が高校

          【岐阜地区】木を削ることで生まれる「人と人のつながり」

          【新潟地区】森づくりから始まるコミュニケーションが人を育む

          秋の始まりをいたるところで感じる9月の下旬。新潟各地から、そして東京から、総勢50名の老若男女の人々が、収穫の時期を迎えた小さな棚田に集まった。 ここは、新潟県上越市にある中ノ俣という集落。NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部(以下「かみえちご」)が年間を通じて、お米作りを学ぶプログラムを実施している場所だ。なぜ、市街地から離れた小さな集落にこんなに大勢の人が集まってきたのだろう。 棚田に生まれる一体感 手慣れた感じで支度をする人、「何をしたらいいんだろう?」と少し様子

          【新潟地区】森づくりから始まるコミュニケーションが人を育む

          【富士山地区】里山で形成されるダイバーシティ

           時代はめまぐるしく変わってゆく。予測できない事態に見舞われたとき、自分は何を重視して行動すべきか、問われることになる。誰しもが今、多かれ少なかれ時代の変化を感じている中、自らの生き方を再考する人も多いのではないだろうか。  今までWEB版ろうきん森の学校だよりでは、全国5地区を順に紹介してきたが、最後5地区目は、静岡県富士宮市柚野地区のホールアース自然学校・富士山本校(以下、ホールアース)を紹介する。ろうきん森の学校全国事務局も務め、私が所属する団体でもある。時代の変化を

          【富士山地区】里山で形成されるダイバーシティ

          【福島地区】どこにでもある“裏山”に価値があった

           日本のどこにでもある“裏山”。皆さんが住んでいる地域や、地元にもあるかもしれない。でも、「入ったことがない」「行く機会がない」という人の方が多いのではないだろうか。  福島県の太平洋側に面した浜通りの南に位置するいわき市は、県内最大の人口と面積を持ち、海と山に囲まれた自然豊かな場所だ。今回は、そんないわき市の中心市街地から、南西10km程に位置する湯ノ岳山荘を拠点に活動する、NPO法人いわきの森に親しむ会を訪れた(以下「いわきの森」という)。この地にも、“裏山”がある。で

          【福島地区】どこにでもある“裏山”に価値があった

          【岐阜地区】樹木のように、陽の当たる方へ

          ろうきん森の学校だより、今回は岐阜地区の「NPO法人グリーンウッドワーク協会」の小野敦さんと椿由加理さんを訪ね、活動状況やこれまでの取り組み、そしてこれからの展望を伺いました。 NPO法人グリーンウッドワーク協会(以下、GWW)は、主に生木を人力で加工して、スプーンや椅子といったモノづくり=グリーンウッドワークに取り組んでいる団体である。メインの拠点・フィールドは、岐阜県のほぼ真ん中の美濃市にある。和紙とうだつの町並みで知られるこの町の中心部に近い「古城山ふれあいの森」で

          【岐阜地区】樹木のように、陽の当たる方へ

          【広島地区】 「人づくり」のバトンリレー

           ろうきん森の学校だより、今回は広島地区の「NPO法人ひろしま自然学校」の志賀さんと花村さんを訪ね、コロナ禍での活動状況やこれまでの取り組み、そしてこれからの展望を伺いました。  広島駅からレンタカーを借りて高速道路経由で約1時間、北広島町今吉田に懐かしい看板が見えてきた。2005年の開校当時にお披露目した「ろうきん森の学校広島地区」の看板は、17年の時を経て、すっかり馴染んでいる。4年ぶりの現地訪問である。  フィールドの象徴である「万代(ばんだい)池」の横を通って砂利道

          【広島地区】 「人づくり」のバトンリレー

          【新潟地区】「帰る」ことのできる場所づくり~後編~

          新潟県上越市にある、NPO法人かみえちご山里ファン俱楽部。前編では山あいの小さな集落に人が集まる理由、かみえちごだからこそできる事業やイベントづくりについてお話を伺いました。 後編では、試行錯誤しながら生まれた商品や、かみえちごの役割、地域の人々に学ぶ“これからの時代に必要なスキル”についてお話を伺っていきます。 (前編はこちら) 最初は市の施設の管理・運営という受託事業から始まったかみえちごだが、それだけに頼らない、自立した財源の確保を目指そうという意識をずっと 持って

          【新潟地区】「帰る」ことのできる場所づくり~後編~

          【新潟地区】「帰る」ことのできる場所づくり~前編~

          あなたの“帰りたい場所”はどこですか? そう聞かれたら、どんな風景が、どんな人々の顔が、思い浮かぶだろう。 きっと、幼いころから慣れ親しんだ場所や、自分のことを大切にしてくれた人のことが思い浮かぶのではないだろうか。 魅力的な場所は世界中にいくらだってある。だけど、“帰りたい場所”となると、きっとそこには、受け入れてくれる人たちの存在があるのではないか。そうやって、そこで生まれ育った人に限らず、外からやってくる人をも温かく迎え入れてくれる、そんな場所がある。それが、新潟県

          【新潟地区】「帰る」ことのできる場所づくり~前編~