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『ADHDから見える社会と付き合い方』第1回3Kナラティブインタビュー


【Twitterスペース】


3Kナラティブインタビュー
テーマ:『ADHDから見える社会と付き合い方』
インタビュアー:鷺谷 公平
インタビュイー:ナオタケ♪n.t.p
第1回 3Kナラティブインタビュー リンク

【概要】


ADHDを抱えながらも、自身の特性と付き合いながら福祉現場で尽力されているナオタケさんの言葉を紡いでいく。

●診断
ADHD 症状「不注意優勢型」に該当
※目次:ADHD基礎情報参照

●ナオタケさんの感じるADHDの強み

・継続性がないためたくさんの経験ができる。
 過去の便利屋の仕事が訪問介護でも生かされる。
(故障などを見かけたら業者を紹介するなど)

・過集中が深く極める力にもなる。
・相手の微細な変化にも気付きやすい

●苦手分野

・文章の作成(計画書、報告書)
・時間管理ができない
・継続すること

●得意

・人を教えるのが好き
・飽きやすいためいろんな経験ができる
・過集中で極めることができる
・車の運転

●仕事の経歴

・飲食アルバイト10年
・リハビリデイサービス
・便利屋
・精神疾障害者グループホーム
・デイサービス

【ADHDきっかけ】

きっかけは
「ケアレスミスの多さ」
「障害理解のある職員の促し」であった。

自身の苦手意識に異変を感じたのは
32〜33歳の頃
リハビリデイサービス(半日)社員として勤めていた頃だ。

些細なポイントから焦りに気づく。
それは
「空いた時間で作業をする」ことと
「文章を必要とする作業」ことであった。

周囲は空いた時間で30分程度で終わる作業も
ナオタケさんは3時間近くかかり、いつも不安に苛まれていたという。

大人のADHD「不注意優勢型」の症状としての傾向は以下の通り。

  • 単純なミスが多い

  • 期限のある書類を仕上げることができない

  • 指示されたことをすぐに忘れてしまう

  • 仕事や生活の必需品をよく忘れたり無くしたりする

  • 時間や約束を守れずトラブルになることが多い

当時の上司には
「計画性のない人」のレッテルを貼られ
ケアレスミスも多く指摘されるなど
仕事のしづらい環境で4年間勤めていく。

そんなある日
障害を持つ同僚から
「もしかしたら発達障害の可能性があるかもよ?」
っと受診を勧められる。

紆余曲折あり、現在のクリニックで診断。

診断が出た時の気持ちは

「やっぱりか」

事前にYouTubeなどで調べていたためか、冷静であった。

Learn”きっかけは周囲の違和感と発見”

【服薬開始と副作用からの副作用】

診断が確定してからコンサーター※を処方される。

※コンサーター:脳の神経伝達物質(ドパミン、ノルアドレナリン)の働きを活性化させることでADHDの症状である不注意、多動・衝動性などの症状を改善する働きが期待されている

医師からは「運転は避けるように」

その旨を上司に報告するも理解を得られず。
送迎業務に支障が出ることも含めてのことだ。
さらに
「それは病気ではなく個性だろ?薬を飲む必要があるのか」と一蹴。

結果、
仕事を継続したい気持ちを優先して服薬をせず。

Learn”障害理解が気薄な環境は人を苦しめる”

【福祉で働き続けたくて様々な現場へ】


リハビリデイサービスの会社が新しい事業の便利屋を展開する。
更にナオタケさんにその便利屋職員の異動指示が下る。
上司からは「介護の仕事も行いつつになる」っと
介護現場を継続したいナオタケさんは、便利屋の移動を承諾。
実際は、殆ど介護の仕事はなく
エアコン修理や引っ越し手伝いなどが中心であったため、退職を決意する。

ここからは障害施設なども経験するが
会社から提示されていた条件との齟齬が多くあり
定着には至らなかった。

それでも福祉業界にいたい気持ちは変わらずにあった。

Learn”誰かのために頑張る気持ちは諦められない”

【ADHDは伝えず採用面接しよう】


「そのほうが採用されやすい」
派遣紹介会社に言われた言葉だ。

紹介されたデイサービスへ。
ADHDを伝えず生活相談員として入職。
まずは自分が介護に携わる小さな一歩であった。

だが問題はすぐに現れ、精神的に疲弊する。
また
人間関係も良好ではなく
新たな恋愛関係もうまくいかず
適応障害になってしまう。

そこからは傷病手当をもらいながら生活を余儀なくされる。

Learn”見せないことで見られている気持ちになる”

【孤独は人との繋がりを輝かせる】


適応障害になってからより人との関係を断っていく。
(症状の一つ人間関係リセット症候群
当時、会話をする関係は母親が中心だったと話す。

しかし
傷病手当で過ごす自分に強い不安感」が芽生え、
苦痛を生じながらも自分を見つめ直す。

まずは職場復帰を目指し、派遣での仕事を再開。
その頃には内服も行い、更に気持ちと行動が前向きになっていった。

Twitterで福祉職との関係も構築し始め、
実際に施設を見学するきっかけになったりと
かなりアクティブに人間関係を築いている。
今では憩いの場所であると話す。

Learn”今の自分は今からでも変化できる”

【ありのままでの入社】



現在の会社にはADHDを隠さずに入社することを決意する。
面接自体はマイナスな印象であったが、
見事合格し入職することができた。

当時の担当者からはこんな言葉をいただいたそうだ。
「自分のことをしっかり話してくれたり、
挨拶をしているところ誠意があった」

これは、「障害」のフィルターで見ているのではなく
「ナオタケさん」としての個人が承認された瞬間だった。

現在は子供達と調和を持ったケアにも携わり
ナオタケさんを個として見つめてくれている人たち共に
日々、自分と向き合いながら笑顔で過ごしている。
何よりもこの表情が全てを表現していると感じる。

福祉現場にて笑顔で働くナオタケさん♪

Learn”障だけでなく性の承認は快い空間”

【Twitterとナオタケさん】


曰く
「繋がりができるまでは愚痴り合いの場の印象だったが
介護の仕事や精神疾患の方と関わる上で
一人一人と向き合える大事なツールだと思っている」

「一人のいいね、リプで
誰かが救えるのかなって思う。
暖かいものだと実感しています」

「でも、気分が乗らない時は使わないし
乗っている時はツイートし続ける。
自分にとっては居心地のいい場所 

learn”人との関わりの中で自分が見えてくる”


【質疑応答】


●ニヤさん(小規模多機能型介護施設 副主任)

Q:就職時面接の時にADHDを公表はしたほうがいい?しない方がいい?

A:是非言ってほしい。
上司も判断しやすい。
自分自身も働きやすい。
そのためには
自分を振り返る意味も含めて
しっかりと受診して向き合ってみる。

感想
・マイナスイメージだけではない
・職務経歴が転々としていても経験豊富になる

●こたひなさん(障害者施設 経営者)
感想

何年も前から採用をしてるが、
障害については採用する側としては
しっかり言っていただけると助かる。
後出しではない方がいい。

【ナラティブを一文字に】

実際話を伺って感じたことは
『想像以上に些細な日常で苦労していた』
っこと。

今の笑顔になるまでに
私自身では考えられない状況を
乗り越えてきたんだと感じました。

特に孤独から誰かと繋がる行動は
小さなアクションでも
並々ならぬ負荷がかかっていたことが
伝わってきました。

それを超えて手にしている
現在のスマイルは
輝かしい😌

そんなナオタケさんに送る
漢字一文字はこちら!

苦難を超えて、日々を笑顔で過ごすナオタケさんへ

これからもナオタケさんの
ナラティブを応援しております♪

インタビュイーのナオタケさん
ご清聴された皆さん
ご覧いただいた皆さん
ありがとうございました!

実際のインタビューも聴いてみてくださいね(*^^*)
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第1回 3Kナラティブインタビュー リンク


【ADHDの基礎情報】


「ADHD(注意欠如多動症)3タイプ」

●不注意優勢型
・すぐに気がそれる
・集中できない
・忍耐力がない

●多動、衝動性優勢型
・動いてはいけない場面で動き回ってしまう
・しゃべるのが止められない
・活動性が異常に高い
・我慢がきかない
・危険な行為でも思いつきで行動してしまう
・欲求をすぐに満たそうとする

●混同型
・上記2つの内容が混同して出現する

◻︎男女比率
・幼少期2.5:1
・大人1.5:1

◻︎診断基準
・DSM-5
・性疾患の診断・統計マニュアル

◻︎有病率
・幼児5〜10%
・成人3〜5%

◻︎歴史
1994年 DSMへ登録
2000年 学校教育でも支援意識高まる
2010年 研究盛ん
2018年 一般社団法人ADHD支援機構


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