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「介護職の専門性とは?」


【誰でもできる仕事でしょ?介護職】

っと言われることもしばしば。

私も、13年程介護食として勤める中で
こんな意見をいただくことも。

「介護って大変だけど、誰でもできる仕事だよね?」
「低賃金なイメージ。専門性が高くないからでは?」
「お世話係でしょ?」


確かに賃金に関しては専門性と比例して賃金の増加もあります。
(最近は最低賃金が上がる中、そのグラデーションの幅も狭くなってきているようですが)

もちろん誰でもできる仕事は介護だけではないと思いますが
専門性が低いと認識されている仕事ほど
「誰でもできる」と思われる
のだと思います。

ちなみに専門性とは

特定の分野についてのみ深く関わっているさま。高度な知識や経験を要求されること、またはその度合い。「専門性が高い職種でスキルを磨く」などのように用いられる。

引用: weblio辞書


learn”誰でもできるイメージは専門性の低さから?”


【聞いてみた。介護の専門性って何?】

はい。
ぜひ皆さんも心の中ででも
独り言でも、隣にいる知らない人にでもいいので

言語化してみてください。

ちなみに私個人の調査では

●抽象的な回答

「笑顔にする!」
「元気にする!」
「その人の生活を守る!」
「お互いハッピー!」

これ自体を否定する必要はないし、
究極的にはそういうことだと思います。
むしろ、そう答えてくれて嬉しかったのも覚えてます。
個人的にはお互いハッピーが好き。


●具体的な回答

「介護福祉士として利用者の課題を解決する」
「介護の知識、技術を活用して継続した生活」
「国家資格の取得!」
「在宅復帰のため、生活課題を捉える」
(老健で在宅復帰率を重視していたため専門性としての回答になったと思われる)

知識や技術を利用者の生活課題に向けて
駆使していく意図が汲み取れますね。

そしてここで、国家資格でもある
「介護福祉士」ってワードにも
専門職として意味を感じますね。

ちなみに
日本介護福祉士会が定義する
「介護福祉士の専門性」とは以下の通り

日本介護福祉士会では、介護福祉士の専門性を「利用者の生活をより良い方向へ変化させるために、根拠に基づいた介護の実践と共に、環境を整備することができること」と定義し、以下の3項目で整理しています。

介護過程の展開による根拠に基づいた介護実践
利用者の自立に向けた介護過程を展開し、根拠に基づいた質の高い介護を実践する。
指導・育成
自ら介護等に関する知識及び技能の向上に努めるだけでなく、自立支援に向けた介護技術等、具体的な指導・助言を行う。
環境の整備、多職種連携
利用者の心身その他の状況に応じて、福祉サービス等が総合的かつ適切に提供されるよう、物的・人的・制度的等、様々な環境整備を行うとともに、福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。


※平成26年度に、都道府県介護福祉士会からの意見をもとに、研修委員会において整理したもの

また、この3項目を、相互に関連させて循環させることができるところに、介護福祉士の専門性があると考えています。

引用:公益社団法人 日本介護福祉士会

ポイントは
・個人のより良い生活
・根拠に基づく介護過程
(介護過程:「アセスメント→計画立案→実施→評価」)
・フォーマルとインフォーマル、物理的環境、精神衛生も含めて環境整備

より具体的な内容ですよね。

ただ、やはり介護の専門性として思うのが
抽象的な回答にもあった
「その人の生活を守る!」なのではないかと


learn”言葉は違えど言ってることは一緒”


【ここから自論の専門性】

結論を一言で伝えるなら

『個』

私が考える専門性は
専門スキルや資格があることを示していません。

なぜなら
「専門スキルがあっても使えなければ意味がない」からです。
(スキル=知識+技術)

例えば
運転免許証があっても運転できなければ意味がないですよね?

だから
運転を繰り返し行うことで、個人のスキルにまで落とし込みます。

では、ここからが
専門性とは『個』とした理由です。

運転免許を持ち、個人スキルも上がりました。

次は大好きな人と「快適で思い出に残るドライブ」に誘います。
磨かれた集中力で
高速道路を長時間運転し
大好きな人が好きな海辺を通り
狭いクランクの山道を超え
途中の悪路では
極力揺れないよう丁寧なブレーキングを意識する。
もちろん事故の無いよう、落ち着いたアクセルワークも行います。
更に、車両トラブルに備えて事前に専門機関に診てもらう周到さ。

ヤルナコヤツ…

これ誰のために使っているスキルですか?

大好きな人のために活用されたスキルですよね?

つまり
私が考える専門性とは
『自分の持つスキルを個人にカスタマイズして提供すること』

だから、それを具現化できる人は
資格がなくても、スキルがなくても
ある意味、専門性です。

そして

そんなカスタムする人のことを

「専門職」

っと呼ぶのだと感じます。

learn”スキルは個人に使ってなんぼ”


【介護の専門性とは?】

介護の場面の話を戻すと
介護の専門性とは
「利用者個人にカスタマイズされた援助」
となります。

めっちゃ当たり前だな?!っとなりますよね。

でも
当たり前すぎて「専門性」と捉えられない人が非常に多いです。

また
「資格がある職員が専門職でしょ?」
って声も聞こえてそうですし、
聞こえてきました。w


過去にあった話ですが
無資格の介護職員がいました。

失語症、右麻痺重度、座位保持はできる利用者A さんが
定期的に椅子から転落する事故が起きていました。

その職員は、ある日
落ちる時間と排泄タイミングの関係性を考察し
よく落ちている時間に排泄介助を行います。

トイレで排尿あり。
そうです、尿意があり伝えられずに動いて転落していたのでした。


私はこれが
「利用者個人にカスタマイズされた援助」であり
「専門職」だと感じます。

もちろん
あらゆる資格には専門スキルを習得する過程が詰まっています。
だからこそ、カスタマイズできる選択肢も豊富にある。

ただ、伝えたいことは
運転免許の話と一緒で
「資格を持っていても運転できなければ意味がない」ってこと。


learn”あなたが誰かのためにする行動はその人への専門性”


【まとめ】

確かによく聞くのが

「3Kとか言われているからやりたくない」

なのに
「誰でもできる仕事」とか批判的評価を受けることもある介護職。

ただここで大切な思考は

「それは他人の価値である」

っと言うこと。

もし他人からの評価や価値を気にするのであれば
たくさんの選択肢や考察を持って行動すればいい。
(ここでは給与的な価値問題は含んでません)

是非、自分の中で
「専門性ってなんだろーな」
っと悩めた時は
自分なりの言葉を持っておくと
他人の言葉に振り回されないのかなと感じます。


最後に
実際に現場で働いている職員は
毎日、目の前の『個』の専門職である。

では、また〜

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