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山ガール4

山を降りながら、この後どうしようという話になって、

とりあえず、汗かきまくりなので。
(しかも、香水を忘れたので、もろ加齢臭やら、糖尿病の生ゴミが臭ったかのような、ミドル汗臭が漂ってたと思われる。すまん)
温泉入って、スッキリしてからご飯でも行こうと。

一旦、車に戻って、別々に温泉に向かうことにした。

毎回、いきなりドライブデートになって、会話が続かなくて、自爆。

という自滅ルートを何度も通って、お別れしてきた私にとっては、
まだお互い慣れていないこの時期。
それぞれの車で動くのは、とても理に適っていると感じた。
汗処理もできるしね。

兎角、夏はデートしたく無いんだよね。特に車に女の子を乗せたくはない。
絶対汗臭いから。

まあアロマディフューザーとかも、あるんだけどね。あんまり強いのじゃ無いし。

とか考えながら、山道を車で降りて、温泉に着く。

しばらくすると、彼女の車も到着した。
最近購入したという、天井の高い軽。

そういえば、LINEで、山の上のちょっとお高めだけど、雰囲気の良い貸し切り露天をお勧めしたんだけど、なぜか混浴で入るとか、誤解されたことがあった。

流石のどえろの私でも、付き合ってもいないのに混浴は誘えないよお。
そんな、根性もないしね。

今回の温泉は、地元の人が通いそうな、普通の温泉。

料金も普通。というか、最安値。

彼女は、温泉にはあまりお金はかけない主義なのかなあ。
とも思う。

私は、滅多に温泉行かないし、
温泉が旅の目的だったりするので、その場合、多少料金お高めでも、
いいものはいいので、払うのだが。

彼女にとって、温泉は、やはり登山後、汗を流すための利便的な手段という
位置付けなのだろう。

この辺の価値観の違いが、後ですれ違いにならなきゃいいのだが。
まあ、先のことを心配しててもしょうがない。

温泉はあんまり綺麗なところではなかったが、ちゃんとしてる感じ。
飲み屋さんも、兼ねているようだ。
お客さんはほぼいない。貸し切りに近い。
必要なところはちゃんと押さえてあり、使い勝手の良い銭湯風温泉である。
大きな館内施設にあるような、ドデカい送風機があったのが助かった。
夏は本当に汗が止まらない。

温泉の質は、湯の花が黒。
ナトリウム系で、あっさり入れる。
夏には硫黄系よりも、塩のほうが入りやすいなあ。
あんまり、真夏に温泉行かないんだけど。

早めに上がって、休憩できるところで待つ。
冷たい缶コーヒーを買った。
よく冷えたスチール缶を、首元とかに当てて、体温を落とす。

そんなに待たない間に、彼女は戻ってきた。

先ほどの山仕様の完全装備とは打って変わって、
スニーカー底の黒サンダル、黒のワンピース。スリットも少し入っていたと思う。
髪が濡れて、顔も上気しているから、十分色っぽいんだけど、

スカートから見える長い足がとてもキレーで、えちえちだった。
身長高い人はモテない、みたいな一般論があるけど(参考「貴美TALLEST」竹書房)


モデル体系というか、手足が長いので、痩せればスタイルは抜群によく見えるから、
私は結構タイプなのである。
まあ胸はなくてもあっても私は気にしないのだが、彼女は一般的な基準からしたら、若干小さい部類だろう。

足の指にもネイルを塗っていて、即、私はそれを褒めた。

「仕事していると、手の指にはネイルできなくて」

「見えないとこでおしゃれしていいんじゃない?」

「この前、水巻きしてた時に、サンダル履いてたから、同僚にバレましたけど」

それから、上で書いたような温泉の話になって、なぜか、さすが、ブラック!
と、缶コーヒーを褒めて貰った。
逆に言えば彼女はブラック派ではないのだろう。その辺も、すれ違いな感じ。

今度は食事をしに、近くの道の駅に、それぞれの車で向かった。

その途中で、お金がなかったのでコンビニに寄ってATMで少し下ろす。

そのせいか、少し遅れてしまった。
道の駅は結構、駐車場がいっぱいで。
そこに併設されたご飯屋さんが人気なのが伺えた。
やはり止めるのに、時間がかかってしまい、ちょっと彼女を待たせてしまった。
軽く半切れな雰囲気だったので、恐る恐る、お店へ向かう。
やはり、待ち時間が少しあって、その間、道の駅のほうに行って商品を眺める。

体に良さそうな美容系のものや、地元の食材。これが美味しかったよーとか、話を聞いた。
私は、柚子胡椒のポテトチップスが好きだったので、軽く手にとったりしていた。
なんでもないことなんだけど、女子と一緒に買い物してる風なノリが、結構楽しめる。

そして、順番が来たので、食堂の方へ。

メインのおかずと、副菜を2つ組み合わせれるランチを彼女が選んだので、私もそれに決めた。
それぞれの料理をバイキングのように選べるが、感染対策のためか、店員さんが、プレートに盛り付けてくれる。

私は、メインを唐揚げにして、副菜を白和えと、ピーマンの丸ごとの煮浸しを選ぶ。
ここのご飯は、自然食だし、地元の食材だし、何より味付けが優しい。
コメ自体も美味かった。そして、味噌汁が、めっちゃ香りが深くて。鰹節なんだろうけど
だしに惚れてしまうくらい。旨かった。
また個人的に行こう、と心に決める。
毎回、彼女はいいお店に連れてってくれる。
本当は自分は調べるべきなんだろうけど、彼女は毎回、自分で決めたい風なのだ。

この後どうするか、という話を振ってみる。
本当は、次会う日の予定をどうするか、という意味合いだったんだけど、彼女はこの後の予定と思ったようだ。

山登りで疲れているかな、と思ったんだけど、さすが初心者クラスの山を少し登ったくらいでは、全然余裕のようである。
そして、彼女の方からカラオケ、と提案された。
山で少しカラオケの話になったから、そのノリで思いついたのだろう。

コロナで最近全然行っていないらしく、久しぶりに行きたいとのこと。
その点、わたしはヒトカラマスターなので、昨日も実はフリーで4時間歌って、ちょっと声枯れ気味なんだけど。

まあ、嫌いではないので、行ってみた。


しかし、ここで私は大きな失敗を犯す事になる。

まず、考えても見たまえ。非モテが女子と一緒にカラオケに行くなどと、
そんな幸運なイベントが、日常の中で、おいそれ転がっているわけがないのである。

まあ、全く行ったことがないわけでないけど。
紹介してもらった人との3回目、しかも夜デート。という際どい状況でカラオケに誘ったことはある。

それはそれで、すごい状況ではあるが。
その時は、ただ異性の前で歌う緊張で、手一杯だった。
まあ、また機会があれがその人のことも書いていいけど。


あとから、カラオケというものが、カップルにとって、ちょっと距離を縮める場所であることを知る。
薄暗いし、個室だし。
夜に誘ったら、まず断られるし。

今回は昼間だし、着いたカラオケボックスも照明明るめで、あんまりそういう気持ちには自分もならなかった。

とにかく、モデル体系で、すらっとしたスタイル抜群の人が、黒いワンピース(ちょいスリット有)で、お風呂上がりで色っぽい雰囲気出してる女性と、
一緒の個室にいるだけで、ヘタレは緊張するのです!!

そして、いざ、歌いましょうとなっても、
全く経験がない=選曲でコケる
という順当なミスをやはり犯してもいるので
それをちょっと検証しようと思います。

まず絶対やってはいけないと言われている。
「付き合ってもいない男女がラブソングを歌って、重すぎて引かれる」
というミス。

はい、バッチリやりましたねー。
自分としては好意はあるから
そういうのを伝えたたいし、そんな歌詞のものを意図して選んでしまっている、と。

しかし、この微妙な距離感で、妙な緊張感が張り詰めている個室で実際歌うとなると・・・

画面にテロップで歌詞が表示されて
「いや、この歌詞歌わんといかんの?!」
と思うくらい恥ずかしかったです。はい。

いや選んだのお前だろ。
と誰かのツッコミが聞こえてそうな心理でした。


以下、曲目を挙げます。


スピッツ「空も飛べるはず」
米津玄師「カムパネラ」
ヒゲ男「イエスタデイ」
元ちとせ「ワダツミの木」
ミスチル「抱きしめたい」
星野源「不思議」
スピッツ「スターゲイザー」
菅田将暉「虹」


いきものがかり「SAKURA」
ELT「fragile」
Perfume「FLOW」
RADWIMPS「うるうびと」
ジュデイ&マリー「オーバードライブ」
いきものがかり「茜色の約束」
いきものがかり「ブルーバード」
BUMP OF CHICKEN「なないろ」
Uru「あなたがいることで」
いきものがかり「ありがとう」

ちょっと記憶が曖昧なので、抜けているのもあるし、曲順も多分でたらめ。

彼女はいきものがかり好きということで、推し攻めをしてくれた。
まあ、私も嫌いじゃなかったので、私のお気に入りの曲、ブルーバードをリクエスト
したりもした。んで歌いづらそうなところは、一緒に歌ってあげたりした。

まあ、それは良かったんだけど。
恥ずかしいあまりに、ずっとカラオケのモニターばかり見ていて、
彼女がどんな状態にいるのか、ほぼ、見てなかった。
というか、カラオケに入れたのだからもっと距離を詰めるために、
座っている間隔を狭めて話をすれば良かったんだと思う。
たまにボデイタッチとかしながらとか。
まあ非モテの私にはハードルが高過ぎる…か。

デュエット曲とかも歌えば良かったなー、と終わった後はなんとでも言えると。

自分と言ったら、逆に距離を少しづつ話して、自分がリラックスして歌えるように。そんなことばっかり考えてた。

いや、私も健全な性欲はあるのだよ。ただ、緊張感にそれが勝たない状態だったのです。
しかも、午前中に山登ってるもんだから、かなり疲れが出てた。
多分、それが大きいなあ。

彼女は、私が歌っている間にリップクリームを塗ったり、目薬を刺したりしていた。
これは私にも理解しかねる行動。
それくらい暇だったのかねえ。
まあ、相槌打ったり、手拍子をくれたりもしていた。

相手が歌っているときに何をするか。
この辺、とっても相手の誠意がわかるシーンだと思うのだが、

私ったらヒトカラに行ってる時の癖で、携帯いじってガチで曲を探すという失態をやっておりました。

デート中にスマホ弄るのは厳禁よね。
あなたと一緒にいるのがつまらないから、スマホいじり始めました。みたいにしか
とってもらえないだろうなー。


前述の通り、
ミスチルの抱きしめたいとか、菅田将暉の虹とか。
ちょっと、異性の前で歌うのは恥ずかしい歌詞がある曲も全開にしてたし。
好きとかキスとか抱きしめたいとか明日君がいなきゃ困るとか一生そばに居てとか
NGワードのオンパレードやったねえ。
まあ音楽としては素晴らしい曲ばかりだし、私も大好きな曲ばかりなのだけど。

次回、女性とカラオケに行くときは事前に、その曲の歌詞を総チェックして、恥ずかしいところはないか。確認しないとねえ。
(基準は、自分の恋愛奥手な免疫のない心が、羞恥心でグラつかないか)

ちなみに、モロのラブソングを歌っている時の彼女の反応は、早く終わらないかなーみたいなウンザリした感じだった。
そして、曲が終わっても、絶対曲の内容については話さないし、
歌についても一切触れなかった。
その曲が使われたいたドラマ、CMとかの話や、
カラオケ用の微妙な映像をネタにするくらい。

変に誤解されたくない。
みたいな距離を置いた雰囲気でいっぱいでした。
いやあ、辛かった泣


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