雑談*渋谷のハコを出禁になった男
作中の表現はフィクションであり、この世のすべてと関係ありません。
*b.o.
週末にしては電車が空いている。そう思って隅っこの席に腰を下ろしたけれど、空いていたのはほんのひとときに過ぎなかったようだ。接続駅に近くにつれ、みるみる人口密度が上がっていく。
渋谷駅。隣の人も向かいの人もごっそりといなくなって、そしてみっしりと新しい人で埋め尽くされていった。人間の粒が入れ替わる様子は新陳代謝にどこか似ている。
やがて、目の前に二人の男が立った。20代半ばほどだろうか、大学生でも