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雑談*腰はからだのかなめと書く

投票に行った。
投票所の出口の段差で盛大にすっ転んで両足首と膝と、腰をやった。

n.

1日目

・足首と膝を痛めた、このときはそう思っていた。

転んだのが投票所に入る前じゃなくてよかった。入る前だったらめげていたかもしれない。
はじめは、足首を捻挫したなあ、と思った。膝は右側が擦り切れていて、久しぶりにこんなに絵に描いたような傷を作ったなあなんてのんびり思っていた。

帰宅して、夜。
いつものように夕食を作って食べていたのだけれど、椅子に座っているのがつらくなってきた。布団に寝転がりながら本を読んでその日は暮れていった。
思えば、この時点で、「足首と膝」の痛みに留まっていなかったのだけれど、そのことに気づくことができなかった。

2-3日目

・筋肉が突っ張っていて、デスクワークがつらい。

デスクワークがとにかくつらい。一時間も座っていると背中から膝までが突っ張ったようになって、座っていられない。やすみやすみ作業をする。このときは、膝の痛みがふくらはぎまできたかあ、と思っていた。
寝転がりながら電子書籍を読んだりは、できる。うつ伏せは負担が少ない。
食事などでどうしても座らなければならない時は、背もたれにクッションを置くと楽なことに気づいて、背中を反らせるようなかたちで姿勢を落ち着けていた。
トイレやシャワーのために服を脱ぎ着する動きだけでもなかなか響く。これはやっかいな気配だ。バンテリン液を塗ってるけれど、大元の痛みは残っている状態だ。尾骶骨と腰骨に突っ張ったような感覚がある。

3日目の夜、突っ張った筋肉をほぐそうと、寝る前にマッサージクッションを背中に当てた。

激痛が走る。

瞼の裏が真っ白になった。「オッ…!」とか「ゥガッ…!」とか、なんか少年漫画で悪役に倒された時みたいな声が出た気がする。ビキビキとした痛み。昨年肩甲骨あたりをギクっとやったことがあったのだけど、それに近い感触があった。あわてて横に寝返りを打ってマッサージクッションの圧迫からは逃れたけれど、今度は壁とクッションの間で身動きが取れなくなってしまった。体の下に敷いてしまった腕をにがそうとしても、痛い。体の上にある方の腕で体勢を変えようとしても、痛い。どうやら体をひねるとダメらしい。涙が出てきた。自分が次男だったら耐えられなかったかもしれない。脳裏に救急車、という単語が浮かぶが、救急車に乗るまでも地獄だろうと思うと気が引けた。ネットで症状を検索しようと考えるも、スマホに手を伸ばすのも難しかった。

「寝返りを打つ」という行動は「体をひねる」という動作によって可能になる。
これがもう、どうしようもなくできなくなっていた。心拍と一緒に痛みが走る。下敷きになった腕は痺れてくる…。

ええい、ままよ。腹をくくって、壁に向かって手を押し出して、反動クッションをはじきとばしながらごろりと横になった。予想されてた激痛ははしったけれど、慣性にしたがってそのまま転がることに成功した。仰向けはだめだ、勢いのままうつ伏せまでもっていく。顔の位置にスマホがあった。なんとか動く腕で確保する。ドクン、ドクン…。しばらくすると激痛はややマシくらいになり、かわりに口が異様に疲れていることに気づいた。痛みに耐えるために歯を食いしばっていたうえに、どうやら舌を噛んでしまっていたらしい。脳って一番つよい痛みしか感じられないって聞いたことがあったけど、本当だったんだなあなんて思った。
SNSで愚痴りながら、痛みがおさまるのを待つ。小一時間ほどだろうか。ずり落ちるように体を起こして、身近にあった手ぬぐいで腰をしばり、簡易的ではあるが固定して寝ることにした。

4日目

・激痛の気配は緊張感をもたらす。
・日常動作に精神的な苦しみを伴うのってなかなかにつらい。

朝。激痛の気配はすぐそこにある。目覚めはなんとか穏やかだったが、立ち上がるとすぐにびくりと感じる。夏の暑さとは別の、脂汗を引き連れながら身支度を整える。痛みの気配に靴紐を結ぶことすらためらわれて、ファスナー式のスニーカーを履くことにした。
今日からは電車に揺られて、箱の中に収納される使命があるのだ。道中でドラッグストアに寄れたらと思っていたのだが、その時間は開店前だった。仕方ない、帰り道に寄ろう。
SNSで助言をくれた友人は「ぎっくり腰かも」「内臓系だとやばい」などの言葉をくれていた。「木曜までによくならなかったら病院行きます」と答えて、近隣の病院を調べた。
昼休みにドラッグストアに行けるかなあなんて考えていたけど、この腰を抱えて階段を上り下りするのは無理だと判断して安静にする。トイレに行く回数も減らして、ひたすらに時間が過ぎ去るまで耐え忍ぶ戦いだった。
筋肉の緊張もあるけれど、ビキリという衝撃が今すぐにもくるかもしれない…という緊張感が、前日までのデスクワークなんて比じゃないくらいにつらかった。

帰路、念願のドラッグストアに立ち寄る。陳列棚がわからず、店員さんに腰サポーター湿布薬を選んでもらった。サポーターは、2重バンドのいいやつ。価格は多少張ったけど、必要経費である。
帰宅して寝る準備をして、さっそく着用してみた。

これは非常にらくちん…!!!

体のひねりを防止してくれるので、びくりとする瞬間への恐怖がやわらぐのが、だいぶ精神的に助かった。2重バンドがうまく力を逃がしてくれているのだろう、尾骶骨まわりに集中していた緊張が胸部あたりに分散してくれたので身体的な負荷も軽減される。
座るときはややきつめに固定して、寝るときにはゆるめにするという調整がこまやかにできるのもよい。
湿布とサポーター装着後からは、響くような痛みは起きることがなかった。

5日目

・湿布薬とサポーターは偉大。いい道具はいい効果をもたらす。
・「ここまで動いて大丈夫」という安心感をもって日常を送れるのはありがたいことである。

あの激痛は夢だったのか?というくらい、快適な目覚め。とはいえ起き上がろうとして手をつくと痛みがはしるので、油断は禁物だ。
サポーターをつけた状態で、電車に揺られ、箱に収納される一日を迎える。

腰サポーターは肌に直接つけてはいけないうえ、腰回りを一周するのでそれなりにかさばる。厚手の腹巻きといったところか。

・インナー
・腰サポーター
・Tシャツ(体のラインが出にくいように厚めの)
・アウター(体のラインが出にくいように裾が長めの)

という4層着で、この季節にしては厚着なほうだ。胴回りが+5cmくらいしているのでシャツもわりとパツパツになってしまうがいたしかたない。ついでに腰回りに装着しているので、ズボンとの兼ね合いも難しいところだった。ズボンの上からつけると、体のラインが余計にごわつくのでインにするのだけど、そうすると余計に厚くて暑いのだった。

まあ、そんな見た目と暑さをともかくとすれば、痛みをおさえる効力はなかなかのものである。すごい。トイレにたっても困らない!階段の上り下りはまだ不安が残るが(手すりの近くを陣取らなければならない程度には)、快適性がかなり増した。

帰宅してからは腰痛がだいぶ引き、しばらくはサポーターなしでも過ごせるほどに回復した。同じ場所を圧着しているとかぶれてくるので、そういった意味でも装着なしで過ごす時間は必要だ。
寝る前にゆるくサポーターをつけてその日は終わった。

6日目(今日)

・ちょっと油断したら、サポーターなしで過ごせそうなくらいの目覚め!

痛みのない快適な朝!
これはもうサポーター不要なのでは?と錯覚してしまうほど快適な朝。とはいえ、出先でなにかあっては困るので、念の為ゆるくサポーターをつけて過ごしている。
デスクワークを続けていると、サポーターが背中に圧を逃している気配がして、やはり前傾姿勢もよくないのかもなと感じるものの、痛みはない。
科学のちからってすごいなあ〜!正直、こんなにすぐに改善するとは思っていなかった。この効果を得られるならば、先日の出費もなんのそのである。足首と膝も回復してきて、尾骶骨からきていたつっぱりもほとんど感じられなくなった。

*

経過観察

そんなこんなで、今のところはなんとか落ち着いて過ごすことができている。

・薬局の薬剤師さんへの相談は非常に頼れる(すぐに診察が受けられない場合)
・いい医療器具は、いいフィードバックが得られる(サポーターなど)

薬剤師さんについて。前に肩甲骨や手首をいわしたときにも実感しまして、「今すぐには医者にかかれない!」というときに薬局の薬剤師さんは非常に頼れます。都会だと結構遅くまで開店してることもあり、通いやすさにも利があります。ただでさえ今のご時世大変だろう中、優しくしていただいてありがとうございました…!

サポーターのいいやつについて。テーピングとかの知識がある方なら簡易なやつでも大丈夫なんだろうと思います。自分には知識がないので、「かいてある通りに使えばそこそこの効果が得られる」ように作られているグッズって補助力が高いなあと感じています。前に手首のサポーターを使ったときには一週間くらい痒みもなく使えたりしたので、そのへんも技術を感じました。

今回のきっかけは転倒だったけど、サポーターの役割は確実に腹筋背筋の代替機能だと思うので、腰が治ったら鍛えようと思います。そして診察うけるかどうかのリミットは明日に設定していたので、もうちょっと様子をみて、だめそうだったら大人しく診察を受けてきます。

在宅で運動不足なんてニュースもありますので、みなさまお気をつけて。

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