第十一話 もう嘘はつかない
自分の創った詩のかけらのようなものを誰かに手渡す、という初めての体験から数週間。私はコーチングのフォロー講座に参加していた。他の人たちが続々と「コーチとして」達成したいことを宣言する中、わたしはひとり「詩を書きたい」と宣言していた。
どう考えてもおかしな発言をしていたのは私の方だ。けれども、そんな宣言をした私への師匠からの提案は「コーチングと詩を併せて売る」ことだった。「違う、そうじゃなくて・・・」そう言いかけて、ぐっと何かを飲み込んだ。どう違うのか。それをまだ人に説明でき