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自然栽培の畑より Vol.11 「春よ来い、塔立ち編」

熊本では、ここ1週間ほど暖かい日が続いています。
とはいっても、晴天の日は少なく雨が降ったりやんだりと不安定な気候。
春のような陽気が待ち遠しくもあり、急に来る寒波にも備えなければなりません。

真心農園の自然栽培の畑では、からし菜やほうれん草がきれいに生長してきました。また、カブなどのアブラナ科のお野菜たちはすでに塔立ちし、つぼみが顔を出しはじめています。

赤からし菜
からし菜
ほうれん草
菜の花

こぼれ種で育ったからし菜

からし菜は毎年こぼれ種で自然と生えてくるため、種まきもなにもしていません。こぼれ種3年目の今年は昨年葉っぱにみられた斑点などもなくなり、土も種も元気になってきているのがわかります。自家採取とまでは手をかけていませんが、からし菜の生長をみて、自家採取の大切さがわかります。

赤と緑の2種類がありますが、食味の違いはあまり感じず、我が家ではサラダの彩りに使ったり、からし菜だけをもしゃもしゃ食べています。少し辛みがあるので子どもは食べませんが、大人はとにかく美味しいので食べだすと箸が止まりません。

寒さに強い、ほうれん草

10月下旬ごろに種をまいたほうれん草。防寒対策はしていなかったので、12月の寒波で最低気温-5℃の時は、さすがに寒さで外葉が霜焼けの状態になりなかなか大きくなってくれませんでした。しかし、他の野菜は凍ったり霜でダメになったりする中、2月になってようやく出荷できるくらいには育ち、ほうれん草は寒さに強いことを実感しました。
そして、なにより寒さに当たったほうれん草は、甘くて美味しいです!
おすすめの食べ方は、ほうれん草の根っこも一緒に、塩とオリーブオイルをかけフライパンで蒸し焼きにします。シンプルですがこれが一番ほうれん草の味を感じられる一品になります。

塔立ち、でもそれが自然の営み

塔立ちが始まると一般的には、その野菜の出荷はできなくなります。
カブなどの実を食べる場合は、皮が厚くなり、中身も「巣が入る」と言われる状態で筋っぽくなります。
2月から3月にかけて多く見られますが、それもまた自然の摂理と営みによって引き起こされる現象です。塔立ちすることで、今まで実や葉に送られてきた栄養を、花を咲かせるために送る方向を切り替えていきます。
この塔立ちが切り替わる時期の見極めがとても難しいです。中を切ってみて初めて気づくときもあれば、塔立ちは始まったけど、まだ食べられる状態で出荷を迷うときです。この場合は一度お店にも伝えたうえで、出荷するかしないかを決めます。

もしかしたら、これからの購入したお野菜でそういった塔立ちしそうなお野菜があるかもしれません。食べれなかった場合は率直にお店に伝えていただけると、生産者にも伝えてくれますので、そこで出荷を止めることもできるのでとても有難いです。

塔立ちしたお野菜は水につけたりプランターなどに植えると、そのまま花を咲かせてくれるので、菜の花にして食べるのもおすすめです。自家菜園やプランター栽培をされている方は種とりしてみてはいかがでしょうか。

文 真心農園 坂田

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