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危険な強行突破

中学生の時、体育で柔道の授業があった。
私は柔軟体操を一人で、念入りに行なっていたところ、勢い余っておならが出た。

幸い友達は離れてふざけ合っており、周りには誰もいなかったので、ホッと一安心だ。

い、いや、いた!


振り向くと同じクラスの千住(仮名)がいた。
彼もまた、一人念入りに股関節を広げていた。

千住(仮名)とは仲が良いわけではなく、私にとっては、むしろ少し苦手なタイプだった。

(おなら聞かれたのか?)

距離からすると、聞かれていてもおかしくない距離だ。

(いや、間違いなく聞かれたはずだ! )

しかし、彼は何も言葉を発さない。
しかも澄ました顔をしてやがる。

(どっちだ…どっちなんだ!)


こうなったら強行突破する他ない。
私は半信半疑な状況下と恥ずかしさで
つい強気の姿勢に出た。


千住(仮名)を睨みつけてしまった。


すると彼は一瞬こちらをチラッと見て、スッと立ち上がると、そのまま去っていった。

時間にして、僅か3〜4秒。

ちょうど、臭いが彼のところまで到達する頃合いだったのは偶然か、はたまた必然か。

真相は藪の中。

あとには、ほろ苦い香りと少しの後悔が残った。


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