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名探偵ポワロの最終回の衝撃

フィールドを毎瞬、色とりどりにクリエイトする皆さま、こんにちは。

今回は、名探偵ポワロの最期のドラマのお話です。

ネタバレになりますので、最後を知りたくない方は、ここまでで^ ^


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(2023.10.24加筆。
おかげさまで、といいますか、未熟なレビューにも関わらずこの記事を何年も沢山の方に読んでいただいています。本当にありがとうございます!最近また急にアクセスが増えたため、実は死の真相は…と加筆したかったけどそのままにしておいたところを最後に少し加筆しました。
ありがとうございます!)

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名探偵ポワロは、アガサ・クリスティ原作の探偵小説を、24年に渡ってデヴィッド・スーシェがポワロを演じた、イギリスの大人気ドラマです。

いつも、特定のミステリーが好きで、ながらで良く流し、観ていたドラマの一つでした。

描かれ、登場する人物が魅惑的、魅力的で、広大な自然をバックに、美しいお屋敷の中や建物、見事な調度品、人々の美しい所作が、残忍な事件を、ともすれば隠してしまうようなドラマでした。

ドラマの再放送とは、なんとなくいつでもやっていて、またいつの間にか始まって、

終わりはない、
そんな気にさせるものですが、

今回も、いつものように始まって、また次があるだろうと、ながらで観ていました。

ところが、何やら気がついてみると、いつもと様子が違います。

よく観てみると、ポワロが亡くなる直前ではないですか!

何かの冗談かと思い、また、ポワロが元気に立ち上がって、

「ひっかかりましたね、ヘイスティングス。」

とか、何とか言って、元気に事件の裏側を紐解いていくのかと思って観ていました。

が、、、

ポワロは亡くなりました。。。


ガガーン。


そして、ポワロから友人の、大尉で長年の相棒とも親友とも呼べるヘイスティングスに、手紙が届くところから事件は解決されていきます。

ポワロの死後に、です。

要約すると、
年老いたポワロが居る。
事件が起こり、解決せずにポワロは亡くなり、死後ポワロから、これまた年老いた友人ヘイスティングスに事件についての手紙が届く。

真相は、友人ヘイスティングス達を守るために、絶対に裁くことのできないやり方で人を陥れ、殺していく犯人を、ポワロ自身が葬った、というものでした。

次の死のターゲットがヘイスティングス達で、もうそれは始まっていたから、というものでした。

君を守るため。

そして、すべての裁きは、神の行うことである。

というものでした。。。


例えば、いつも観ている主人公の「名探偵コナン」の江戸川コナンが、最後恋人のランを守るために犯人を自らの手で殺めた、、、

みたいな話で、本人も死んだ、、、

みたいな流れです。

年老いたとはいえ、それが最期って、、、という衝撃は大きく、ショックでした。


随分前に、放送も終わっていて、世界中のファンに、とうに、衝撃は走っているし、
小説では、とうにこの結末は知られているので、今更なんだとは思いますが、
結末を知らず、再放送を見て楽しむ感じのファンだった自分にとっては、
しかし、二十年近くぼんやりとでも見てきた自分にとっては、ものすごく衝撃でした。

全然例えは違いますが、
いつまでも続くと思っていたドラえもんの中の登場人物が、誰か亡くなる、

くらいのありえない衝撃でした。

またいつか、皆さん、、、

と、続くと思っていたので。

でも、よくよく考えてみると、あのアガサ・クリスティの名作

「オリエント急行殺人事件」

を解決する探偵も、このポワロです。


この大どんでん返しの事件の中で、ポワロは
やむにやまれぬ当事者達の気持ちを汲み、犯人を裁きません。

(旧作のオリエント急行殺人事件が、自分としてはオススメです^ ^)

小学生の頃でしょうか、
結末を知らずにこの映画を観て、それは衝撃を受けたのを覚えています。

何年かに一度、ふと、観たくなる映画です。


そのポワロですから、人の中の、「正しい」ではない、「本当のところの感情」に寄り添った、やむにやまれぬところに切り込んだ結末に行ったのだろうな、と思いました。

それは、アガサ・クリスティ自身が、究極の理不尽な殺人に対する強い思いと、そこに向き合わざるをえなかった人の心に寄り添って小説を書いてきたからこその登場人物であり、この結末だったんだな、と、調べてみて思いました。


人は矛盾の中で生きている

人は矛盾そのものである


この事をどう昇華しようかと、最近思う中でのポワロの最終回は、衝撃でした。


アガサ・クリスティ自身が、この最終話「カーテン」は、自分の死後に発表してほしいと、書いておいた作品を、急かされる形で、結果的に死の1ヶ月ほど前に世に発表したんだそうですが、

お孫さんの話によると、あまり好きではなかったのに、人気が出て、書き続けざるを得なかった「ポワロ」らしいのですが、人生を共に歩んだキャラクターにこの十字架を背負わせる結末は、
純粋な幼子を死に追いやる事件をオリエント急行殺人事件の元にしていることからも、その理不尽さの理由を探し続けた結果辿り着いた場所なのか、そういう道もあってほしいという、希望だったのか、、、

残忍なミステリーでありながら、アガサ・クリスティがギネスに載ったほどの人気の理由がそこにあるのかと、考えさせられました。

ヒーローによる殺人。。。

考えさせられます。。。


ヒーローでいてほしい、

ヒーローだと思いたい、
ヒーローに全責任を負わせたい

矛盾の生き物である自分の自分勝手な期待からの、モヤモヤであろうかとも思われますが、

物書きのはしくれとして、
主人公にこの結末を背負わすのも愛ゆえなのか、
もっとシンプルなものなのか、

ちょっと本人に話を聞いてみたい、

そんな近くにアガサ・クリスティを感じた「ポワロの最期」でした。


皆さんが、ポワロの最期を観てどんな風に感じるのか、聞いてみたいですね^ ^

ポワロの「カーテン」「オリエント急行殺人事件(旧作)」、おすすめです^ ^


ポワロ徒然、
お付き合いいただきまして、ありがとうございました。


*・゜゚・*:.。..。.:*・''・*:.。. .。.:*・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*

ここから加筆です^ ^

実は、ポワロは死んだ、と書きましたが、厳密には自殺で亡くなりました。。。

ガガーン。


1回目、ポワロが亡くなる回を観た時は、最終回だと知らずに観ていたので途中から異様な展開に気づき、衝撃の中、呆気に取られて観終わりました。

その後、また最終回を観たのですが、その時に自殺だと気がつきました。。

ほんとにネタバレです。

ポワロは、心臓の病で、先がすごく長いわけではない、という状態でした。
心臓の発作が起きると薬を飲んでかろうじて発作を鎮める、という命の危険をはらんだ状態です。

そんな中、ポワロは自分の友人とその家族を狙う殺人犯を殺めます。
そして全て終わった、と本人が思った後また発作が起きるのですが、

発作の苦しみの中、ポワロは小さな薬箱にやっとの思いで手を伸ばします。

しかし、ポワロは息も絶え絶え伸ばした手で薬ではなく、その横にあった十字架を手に取り、指でその十字架を擦りながら、

ベッドの上で息絶えるのです。。

薬を手に取り、口に運んでいれば、まだしばらくは生きられたのです。。。


。。。


まだ、友人達と生きたいと思う、生への希求を棄てることで、
自らの命をも手放すことで、ゆるされなくてもせめてもの贖罪としたのか、

はたまた、それも含めて地獄の門をくぐる覚悟をしてのことなのか、

神への裁きに身を委ねたとして、

だとしても、結果としてポワロの魂は何を背負うことになるのか、、、。

あらゆるものを含め、
いろいろ考えさせられた、やるせない結末でした。。。


皆さまは、最終回を観られて、
「それでは、また、」のない物語、
いかがだったでしょうか。

わたしはアガサ・クリスティに手玉に取られてます(⌒-⌒; )


読んでいただいてありがとうございました!

ますます楽しい、めくるめくミステリー考察の時間をお楽しみください!

加筆終了^ ^

*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・'・*


今日も皆さま、楽しい1日をお過ごし下さい。


戸張碧月



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