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ラーサとヤーサのお話シリーズ絵本「ミロとシャスヤーと雨の国」その28

カエルのミロは少し目を開けて、
ささやくように言いました。

「シャスヤー、こんな遠くまで来させてしまってごめん。

今なら君一人で引き返せばなんとか、
水と食べ物は村までもつよ。

大変だろうけど、来た道を戻ってくれるね。」


シャスヤーは泣きながら、
残りが少なくなってきた水袋の水で、
手ぬぐいをぬらすと、ミロをそっと包みました。


「シャスヤー、ダメだよ。

もう、水を使わないで。」


シャスヤーは一言も声にすることはできませんでした。


続く

戸張碧月

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