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はんぶんこ文庫

A、Bは少女。
姉妹でもいいし、姉妹でなくてもいい。

A「はんぶんこしよ」
B「うん」
A「はい」
B「なにこれ?」
A「え?」
B「これ、なに?」
A「無限だよ」
B「無限?」
A「む、げ、ん」
B「む、げんむ、げんむ、げんむ」
A「む、げ、ん」
B「ほ?」
A「げ、む……あれ? む、あれ? げ、ん、む!」
B「幻覚のゲンに夢のム?」
A「なんか違うなぁ」
B「げんむ、げんむ、げんぶ、げんぶ……玄武岩」
A「違うよ、無限」
B「夢幻? ゆめ、まぼろし」
A「もう、要らないなら私が一人で食べちゃうよ」
B「いる! む……いるの!」
A「……無限、はんぶんこだね」
B「無限はんぶんこ?」
A「はんぶんこ」
B「無限、はんぶんこしても無限?」
A「無限、はんぶんこしても無限だよ」
B「無限、はんぶんこのはんぶんこしても無限?」
A「無限、はんぶんこのはんぶんこしても無限だよ」
B「無限、はんぶんこのはんぶんこのはんぶんこしても無限?」
A「無限、はんぶんこのはんぶんこのはんぶんこしても無限だよ」
B「よかった」
A「よかったね」
B「私ね、」
A「なに?」
B「綿菓子ね、」
A「某?」
B「お菓子!」
A「甘い!」
B「私……」
A「なに?」
B「綿」
A「なに?」
B「輪」
A「なに?」
B「……」
A「なぁに?」
B「……」
A「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁに?」
B「私ね、透明になったみたい」
A「……ふーん」
B「ふわふわしててぇ、透明で、そこには何もかもあるのに、私だけいないの。私の口の中で、綿菓子は融けちゃうの、どろーって。あれ、でも融けたのは私じゃなくて私の口の中の綿菓子だから、いない私は私の綿菓子じゃなくて私の口の中で融けた私の綿菓子は私口の中で、私透明で、あれ、私、あれ……ねぇ……ねぇ」
A「ねぇ?」
B「ねぇ!」
A「ねぇ?」
B「はんぶんこ」
A「はんぶんこ?」
B「はんぶんこ!」
A「はんぶん!」
B「湖畔!」
A「文庫!」
B「に」
A「学級」
B「文庫」
A「はんぶんこ!」
B「……綿菓子なくなっちゃったよぉ!」
A「しょうがないなぁ、じゃあはんぶんこ」
B「これ、なに?」
A「無限だよ」
B「無限?」
A「無、玄米ご飯半分」
B「お腹減ったよぉ」
A「ご」
B「はん」
A「ぶらんこ!」
B「湖畔」
A「文庫に」
B「しよ!」
A「塩?」
B「しょっぱーい! 綿菓子!」
A「私」
A、B「私の、からだ、いただき、ます! ました! ませた! ましょう! 魔性? の女!」
B「何それ?」
A「しーらない」

〈了〉

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