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育児につながるかもしれない読書ログ「AI VS 教科書が読めない子どもたち」

・この読書ログは読了した育児本の感想や4歳の息子の育児に役立つかもと思い私が読んだ本たちのログです。

「AI VS 教科書が読めないこどもたち」を読もうと思った理由

AIに仕事を取られる職種はこれ!というニュースを見たり、育児関係では本が好きな子は学力が高い傾向にあるという記事をよく見かけるのでタイトルに惹かれて借りてみました。

AI社会で生きていくであろう息子を「教科書が読めない子供」にしないためのヒントみたいなことが書いてあったらいいなーと軽い気持ちで読み始めたんですが、全く予想外の内容でした(良い意味で)

まず最初にお伝えしておくと…数学が苦手な人は読むと疲れること間違いなし。なんなら読むのが苦痛なレベルです。つらかった…!!

どんな感じの本なのか

この本はAIが人間の仕事を奪うとか、AIの進化で社会は今後どう変わるのか、みたいな部分をふんわりネットニュースで読んでふむふむと思ってる人にとってはなかなか衝撃的な内容だと思います。

Siriは質問の意味を理解しておらず、ただ質問内容の統計を元に一番近いであろう言葉を返答するようになっているシステムだ、とか…私たちが未来のAIとの暮らしでイメージする情景がガシャーンと粉々に崩れるような事実がわんさかでてきます。

しかもそれが著者の根拠のない未来予想図ではなく、事実を事細かにきっちり説明つき書かれているんです。なのでAIに対する一般的なあの便利な近未来的世界イメージが読み進めるにつれてどんどん壊されていくという…

ざっくりとまとめると、この本ではAIにできること、できないこと、現在のAIというシステムの限界や可能性ということがとても詳しく書いてあります。

AIは「私はカレーライスが好きだ」と「私は彼が好きだ」の「好き」に対する違いや本来の意味を理解することができないそうです。(もちろん本にはなんで理解できないのかもきっちり書かれています)

文字にすると「好き」という同じ形の文字なのに、人間が人を好きという「好き」の気持ちとカレーという食べ物が好きという「好き」の気持ちの性質の違いをAIは判断できないそうです。

つまり人間の感情や無意識の認知などを数値化して数学で再現できない限り、言葉や感覚を意味を持ってAIが本質的に理解することはできない。それがAIが人間を超えることができないという根拠であり、そしてそれはおそらく永久にできない、というのが著者の見解のようでした。

ただこの本いくら読み進めても「教科書が読めない子どもたち」にたどりつけない…冒頭で出てきてから147Pまで読んでも出てこない。

教科書が読めないこどもたち=読解力のないこどもたち

で、ここまでが前提です。本題の「教科書の読めない子どもたち」がようやく登場するのは最終章です。

本の中に度々出てくる「東ロボくんプロジェクト(AIは東大に合格できるのか)」というものがあります。これを主導しているのが著者の方です。

結果的には東大には合格できない(上記であげたAIの限界から)というところに落ち着くわけですが、それでも東大合格は無理だったけど「東ロボくん」はMARCHレベルの大学には合格出来てしまっているんです。

=Marchレベルまでの大学には人間の感覚を全く理解できていないコンピューターでもプログラムし学習させれば合格できてしまうということ。それと同じように単純作業のような処理を仕事にしている人はAIに仕事を取られてしまう。

AIが人間を超えることはできなくても、仕事がAIに置き換わる事が近い将来起こることは確実だと…

仕事がAIに置き変わった世界で職に困らない人材になるためにどうしたらいいのか(ようやく読みたかった部分!!)、そういう思考を育てるためにまず日本の子供たちに今必要な学習とは何なのか…というところでようやく「教科書が読めない子どもたち」が出てきます。

読解力(教科書を正しく読む。理解して返答できる)が現代の子供たちには足りておらず、このままの同じような学校教育を続けていればこれから世に出る子供たちの大多数がAIに負けてしまう。

それを阻止するべく作者の方は独自に読解力を数値化するテスト(私も受けてみたい)を1から作り、全国の中高生のテスト結果のデータを取られています。これがまた低学歴の私からするとかなり残酷なデータでした…!

そのデータから子供の読解力のレベルと勉強の成績(偏差値)が明らかに相関性があるということがこれまた詳しく説明されています。

某有名私立大付属の中高など名門学校へ入学している生徒は、なぜ旧帝大へ進学できる率が高いのかという内容には鳥肌が立ちます。

現在の日本の中高生の読解力のレベルや成績との相関性などは全てデータに基づいて書かれているので説得力が半端なく、学生時代がとっくに終わっている私には心が折れそうな内容でもありますが(笑)

最後まで読んでみると極論ですが「読解力」さえ身についていれば、進学する学校や環境に関係なく東大にでも何でも合格できる基礎力がついているというような感じです。

今後、子供を現役東大合格させたママのすごい勉強術、みたいな育児書を読むときは「基礎読解力」を高めることに繋がりそうな項目に重点を置こうと思いました。

育児本としてこの本を読んだまとめ

育児本としてこの本で得た知識をまとめると…私が歩んできた学生→社会人の当たり前(大学卒業して就職すれば良しみたいな)は息子の向かう未来では通用しないかもしれないこと。

そしてきっとまだ働いているだろう私たち親世代にも影響があるはずなので、AIに取って代わられないために今から自分もAIには真似できない人間の特性をいかした仕事というのを意識していく必要があることを知れたことかなと思います。

まず親が出来ていないことを子供にやりなさいとは言えないし、子供が望んでいる方向へ導くことも経験していなければ伝えることができないかなと思うので。

具体的に「本を1日5冊読む子供ならもう読解力はついたも同然!」みたいな耳心地の良い知育アドバイスはこの本には載っていませんでした。

でもAIに人間が支配される未来はこないとしても、AIに仕事が置き換わっていく未来はすぐそこまできているというリアリティを感じるという意味ではかなり怖い読み物です。

まぁ個人的には私が現状やっている「営業アシスタント」という仕事は将来確実に消える職業だなという冷や汗混じりの震えも感じました。

著者が言う「あなたにしかできない何かを強みにして、今やっている仕事(サービス)を変えていくこと」を既に大人になった世代の私たちもしていかないと、息子が進む未来へ後押ししてあげるような声かけはできないだろうな…と感じました。

さて、私にできる強みをいかす仕事とは、なんだろう。



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