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35.ソーダ色の春

9分咲き。3月ももう終わる。


連なる桜が不安を煽る。


グミを食べても、


青いソーダ味だけを無意識に残してしまう。


最後の1個を食べた。


私だって馬鹿だけど


お前らほど馬鹿じゃない。


こんなくだらない毎日でも


洗濯物はたなびくし、


信号機も点滅する。


自分のこと、生きていくために


もがくのに精一杯。


いつからか


視界の端っこで流れていく景色にも敏感になって


部屋の端っこ、1人で憂いてる。


はっきりしない暗い夜はだらしなく伸びていく髭だけが時間の経過を教えてくれる。


全部を信じられなくて、少し悲しくなった。


浮き足立っても、ぎゅっと地に足をつけさせられる。


目に見えないだけで絶対に存在している。


重力のように。


それでも今日はいつもより強く手のひらに力が入る。


力なのか枷なのか。


とぼとぼと東京の街を蹴って歩いた。


こんなにも不安なことばかりなのに


ニヤけが止まらない。


1本担いだギターとこの体で


何かが変わるのを期待してる。

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