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31.群青東京

金木犀の香りも弱まる午前。


海風が強く吹いて、くるくるの長い髪をゆらしながらてくてく歩いている。


視界でチラついてイラつくこともあるけれど、なんだかんだ愛おしく思っている。


だらしはないけれど。今に始まったことじゃないし。


空き家の窓に反射する猫背の私。


シャキッと背筋をただす。


白いシャツをたなびかせて。


青いコーデュロイパンツは晴天と重なるし、


おそろじゃん?とか少し気分も上がる。


次に金木犀が香る秋には、私はどの街でどんな姿をしているんだろうか。


不安とわくわくが織り交ざってミックスジュースみたい。


この秋の肌寒さは「今年も寒い冬が来ますよ〜!準備してね〜!」って言っている気がしてならない。


気のせいだろーけどね。


さて、私はしあわせいっぱいで秋に包まれています。


浮ついた心に、ついつい口笛をふきたくなってしまうくらい。


そろそろ息が白くなる頃だけれど、


まあとりあえず、今日も空が青いなあ。

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