見出し画像

アルコール除菌って、どういう仕組みなの?【その3】

おはようございます。札幌は少し暖かくなってきて、春の訪れを感じているろんどん。です。

さぁ、今日は前回の続きから、見ていきましょう。


前回の記事をまだご覧になっていない方は、こちらから☟


1.ウイルスって?

前回は、細菌について、簡単に確認していきましたね。

さて、今回は、今も猛威を振るっている ウイルス について見ていきましょう。


ウイルスって、よく聞くけど、どんなやつなんでしょうか。

以前の記事で確認した、細菌の特徴と比較していきましょう。

画像3

(https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/bacteria.html から引用)


まず、ウイルスの基本骨格は、内側から、

遺伝情報が含まれる核酸 
タンパク質の殻(カプシド)
脂質の膜(エンベロープ)

で構成されていることが分かります。


そして、ウイルスは 自分で細胞を持たない という、大きな特徴があります。

ですから、生物の細胞に入り込み、分裂することで増えるという、トリッキーな性質を持ちます。

逆に言うと、細菌のように、自分自身の力だけで、増殖することはできない、ということです。


ウイルスと細菌の違いをまとめると、下の表のようになります。

画像4

(https://hugkum.sho.jp/2830 より引用)


見ていくと、かなり違いますよね。

そして、抗生物質(菌を殺す薬)が効かない以上は、やはり、ウイルスの方が厄介だということが分かります。


ウイルスに対しても、ワクチンであったり、抗ウイルス剤が存在しますが、これらは、直接ウイルスを殺すものではないので、なかなか効果的に治療することが難しいのです。


2.コロナウイルスには効くの?

あっという間に感染が拡大している、新型コロナウイルス。

コイツに アルコール除菌 は効くのでしょうか。


と、その前に、

アルコール消毒の 効果 にかかわってくる部分である、

ウイルスの大きな分類

ここを押さえておきましょう。


持つ遺伝情報の型の違いから、ウイルスは、DNAウイルスRNAウイルス に二分されたりもしますが、今回は扱いません。


下の図をご覧ください。

画像1

(https://family.saraya.com/kansen/envelope.html から引用)


ご覧のように、ウイルスは、その脂質性の膜(エンベロープ)の有無から、大きく 二つ の種類に分けられることが分かります。

一つ目は、エンベロープを持つ「エンベロープウイルス」。

二つ目は、エンベロープを持たない「ノンエンベロープウイルス」。

そのまんまですね。


普通に考えると、膜が一つ多くあるのだから、エンベロープウイルスの方が強そう!と思ってしまいますよね...

え、違うの!?

そうなんです。

実際は、

エンベロープウイルス  <  ノンエンベロープウイルス

となっているんですね。


なぜか。

エンベロープウイルスは、最も外側のエンベロープが破られてしまうと、大きくダメージを受けてしまうからです。

ちなみに、この エンベロープ は、せっけんや有機溶媒、そして、エタノール による影響を受けやすく、壊れてしまいます

それに対し、ノンエンベロープウイルスは、カプシドが破られにくく、中に含まれた遺伝情報にも、影響が少ないのです。


下のイラストを、イメージすると分かりやすいでしょうか。

画像2

(https://www.mets-tokyo.jp/case/2019/11/18/23 から引用)


同じサイトに、まとめられていた文を引用しますと、

つまり、鎧を着た貧弱者と筋肉バキバキのムキムキマンということです。


では、新型コロナウイルスは、どちらなのでしょうか。気になりますね。


新型コロナウイルスは、

エンベロープウイルス であることが分かっています。(良かったぁ…)

ですので、アルコール除菌はもちろん、石鹸でしっかりと手を洗うことも、かなり効果が見込めます。


ちなみに、エンベロープウイルスとしては、他に、単純ヘルペス、エボラ出血熱ウイルス、インフルエンザウイルスなどがあります。

ノンエンベロープウイルスとしては、A型肝炎ウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどがあります。


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

それでは。


3.参考文献

<1> 


<2> 






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?